私邸周辺


松竹座 七月大歌舞伎(夜の部)

他の予定との兼ね合いとかで行く日を迷っている間にチケットがほとんど売り切れていたのが、行ける日の中で奇跡的に3等席だけある日があったので何とか行けました。
お財布事情は芳しくなかったのですが、結論から言うと行ってよかったです。

一、舌出三番叟
鴈治郎さんと壱太郎さんという見た目がとにかくめでたさ抜群で三番叟のおごそかさもありましたが、めでたさ先行な感じで華やかでした。

二、盟三五大切
ほぼ「どんな話だっけ?」状態で行ってしまいましたが、忠臣蔵の仇討ちに参加したい浪人と百両が必要という基本を抑えておけばわかりやすかったですし、何より演技の迫力もあって凄かったです。
浪人の身で百両を用意するには誰かお金を持っている人に味方してもらうか、不正な手段を用いるかしないという「百両」というお金の大きさ、仇討ちという大きな目的と特殊な状況(事情を簡単に明かせない、正体も言えない)ゆえに本来は百両を渡して助けたい源五兵衛の顔を知らずに百両を騙し取ってしまう三五郎の悲惨さ。
伯父の温情で仇討ちのためにもらった百両を小万への愛情に流されて騙されてしまい、やがて騙された恨みから凶行に及んでしまう源五兵衛。
小万はただただ三五郎のためだけに動き、その三五郎への愛情が源五兵衛の小万への憎しみを増してしまう悲しみ。
それぞれ少しずつタイミングが違えばここまでの悲劇は起きなかったのではないかと思うほどそれぞれの人物がリアルで、演じる仁左衛門さんと時蔵さんと染五郎さんの素晴らしさもあり最後まで目が離せなかったです。
メインの三人以外だと、松也さんの八右衛門の忠義が切なくてよかったです。
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# by iwanagahime | 2017-07-22 22:13 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


車折神社


好きなバンドのボーカルさんがここの芸能神社の玉垣を奉納されたというミーハー心もあり、京都にはよく行くのにいつもはあまり行かない嵐山方面に行き、車折神社に行きました。
芸能神社がやはり様々なジャンルの芸能の方が奉納し、それをファンの人が見に来るという形で有名なようですが、本殿も天井に花や野菜の絵が描いてあったり雰囲気のある竹林があったりと綺麗な神社でした。
芸能神社はアメノウズメが祭神という事で、好きなバンドのヒット祈願とあまり姿をなかなか見られない人の姿が見られるようにお願いしました。
その方も芸能人なのですが、それに加えて天岩戸的な意味で。

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# by iwanagahime | 2017-07-15 21:27 | 見たもの周辺 | Trackback | Comments(0)


京都でおにぎり


「京都といえば」という食べ物は色々ありますが、たいていは錦市場で揃います。
そんな錦市場の中でも中央米穀という普通の米屋さんっぽい名前のお店のおにぎりが手軽に味わえて好きです。
ちりめん山椒、きざみ柴漬けにすぐきと佃煮やお漬物とご飯という和食の地味かつ重要なポイントがあって追加でお味噌汁も付けられるという。
おにぎりだけをテイクアウトする事も可能なので、天気のいい日は和食店ではなくここのおにぎりを持って出かけてもいいかも知れないですね。

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# by iwanagahime | 2017-07-08 21:19 | 食べ物関連 | Trackback | Comments(0)


ベルギー奇想の系譜展

7/9まで兵庫県立美術館で開催のベルギー奇想の系譜展に行きました、バベルの塔展とは入れ違いで東京に巡回する模様。

展示はボスやブリューゲルから現代アートまでですが、ボスはボス本人というよりボス工房とフォロワー多数という感じで当時のブーム感を体系的に見られるのは良かったですがボスを期待していくとちょっと違うかも知れないですね。
このあたりのは七つの大罪とか聖クリストフォロスとか聖アントニウスとか、聖書が題材なのを言い訳に怪獣映画的な事をやってる感が良いですね。
燃える風景とか、怪物わらわらとか。
ボスやブリューゲルの怪物は、画面センターの迫力あるものより端の変にかわいいのが面白かったです。
ブリューゲルの方が全体的に怪物が丸っこい感じでグッズ映えしそうでした、あと魚が印象的。
同行者がいる人が怠惰がモチーフの絵の前で「これ私」と言ってる率の高さは関西での開催だからでしょうか。
現代アートは筆を咥えて胸に金塊(紙製っぽい)を胸郭に入れた全身骨格の頭でティンパニーを愉快に鳴らすもので、やたらインパクトがありました。
ブリューゲル以外だとロップスが良かったですね、スタイリッシュ悪魔って感じで皮肉も高位の宗教者の衣装を着た死神とか中二ハートに訴える雰囲気で。
マグリットが意外とたくさん見られたのも良かったです、姫路市立美術館所蔵のものも数点。
ベルギーというくくりでこれだけ色々な不思議なものを見られるのも面白かったですね、ベルギーってどんなところなのかという興味も出る感じでした。

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# by iwanagahime | 2017-07-01 23:33 | 見たもの周辺 | Trackback | Comments(0)


麻央さん

海老蔵さんの奥さんですが、それより前にアナウンサーとしての姿を見ていましたし、海老蔵さんの奥さんになってから南座のロビーで見かけたお姿を鮮やかに覚えています。
ご病気をされてからも単なる病気の有名人としてではなく、麻央さんとしての言葉をつづっていました。
長く生きていた人との別れも悲しいものですし、若い人ならなおさらお子様の幼さなど悲しさが重くなる事もありますが、だからこそこの世に残った人の事をそっとしておいてほしいと思います。
海老蔵さんの言葉が読みたければブログなりインスタグラムなりにありますし、わざわざまとめて憶測を付け加える事もないでしょう。
私は自分の感じた事、見た事だけしかわかりませんし人の悲しみの癒し方もそれぞれです。
若いのにという残念という見方も、若くして世を去ったのにたくさんのものをこの世に伝えたという見方もどちらも自由ですし、ご家族のあり方も私の口の出すような事ではないです。

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# by iwanagahime | 2017-06-24 23:57 | 自分周辺 | Trackback | Comments(0)


シネマ歌舞伎 東海道中膝栗毛<やじきた>

奇想天外!お伊勢参りなのにラスベガス?!
でも充分意味がわからないのに、弥次郎兵衛 喜多八 宙乗り相勤め申し候という事で何が書いてあるか単語単語はわかるのに全体を読むとまったく意味がわからない事が書いてあり、実際に見た人のレポを読んでもわけがわからなかった東海道中膝栗毛がシネマ歌舞伎で登場という事で行ってきました。
染五郎さんと猿之助さんでこのノリだと初心者にも取っ付きやすい、敷居の低いものだとは思っていましたが、敷居が高いと思ってまたいだら上からたらいがドリフのように降ってきた感じでした。
何しろ最初に舞台上に芝居小屋があって春猿さんの静御前と猿弥さんの忠信で吉野山をやっていると思ったら、黒衣が色々なものを渡しそびれたり、座る用意を忘れて静御前がひっくり返ったり、まさにオール歌舞伎キャストによるドリフ歌舞伎コントで、その失敗ばかりの黒衣が実は弥次喜多の二人!
そしてひどい失敗ばかりの舞台にスキャンダルのにおいをかぎつけた読売屋の名前が文春(ふみはる)という、かなりスレスレな笑いに満ち溢れてました。
弥次さん喜多さんのダメ人間さも上手くキャラ分けされていて、基本的に悪い人じゃないけど天然で何をやっても失敗ばかりな弥次さんと、ぱっと見は弥次さんより頭が回ってしっかりしていそうなのに積極的に悪い方向に向かう喜多さんという雰囲気で、絶対にこの二人で旅をすると何かが起きるという予感しかなかったです。
いい大人なのに駄目駄目な弥次喜多の二人と対照的に、立派な志を持ってお伊勢参りに向かう子どもの主従の梵太郎と政之助がそれぞれ染五郎さんのご子息の金太郎くんと、猿之助さんの親戚である團子くん(中車さんのご子息)だったのですが、この二人が明らかにシリアスで漫画だったら絵柄が違うんじゃないかというぐらいの感じだったのが面白かったです。
文春(ふみはる)は回り舞台を利用したキャラクター紹介でもノリノリでキャラクターの名前とキャッチフレーズを紹介していて大活躍だったのですが、シネマ歌舞伎ならではの演出としてキャラクターの紹介のときにアニメっぽいストップモーションになってキャラクターをあらわす小道具が描かれていたりシネマならではの演出もあって、こういう笑いを取る作品だとどうしても生の空気とは違ってしまう部分を上手く再構築している感じで出来る人が本気で笑いを取りに来たのがわかりました。
それなのに、ラスベガスでなぜか獅子王をやるはめに陥った弥次喜多が獅子を演じた時は顔は弥次喜多なのに本気の毛振りで迫力があるのがなんともまた(最後はオチが付きますが)
実は化け物だった女役者の十六夜が歌舞伎っぽい名乗りをしている横で弥次さんが「何言ってるかわかんねぇ」と言ったり、そろそろ弥次喜多より子ども主従が真面目というのが定着したあたりでラマンチャやヤマトタケルの台詞が混ざっていたりと油断できない面白さ。
観終わって思ったのは、一ヶ月間このテンションを維持し続けた出演者の皆さんの素晴らしさでした。

東海道中膝栗毛<やじきた>

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# by iwanagahime | 2017-06-10 22:09 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


CUTTワンマン「I wanna do it!」と「New Songs! Osaka」

ちょっとライブから時間がたってしまったので、まとめて2回分なのですがまとめて思い出すと対照的なライブだったような感じですね。
まずは4/28の「I wanna do it!」、そもそもは日程の加減で4月は大阪のポテキライブはしない予定だったのですがタイトル通りやはり「やりたい」という事で決まったライブ。
CUTTさんのソロになってからのアルバムの中でも初期に出したもので、これまでのバンド活動やユニットで出した曲をアコースティックアレンジしてコンセプト別にリリースしたAcoustic Bestのシリーズがあるのですが、完売してなくなっていたのが再販された事もあって第1部はそこからの曲が多かったですね。
なので曲解説も多めだったのですが、そこはCUTTさんなので面白かったり納得したり。
そもそも、この「完売してなくなった状況」についても「なくなったっていうけど、みんなの手元に行っただけで物質としては存在してるし、その方がありがたいんだけど」というような他の人ならわざわざ言わないような事を言ってました。
曲紹介ではNackが印象的でしたね、CUTTさんの曲の大きいテーマとして魂がこの世を離れた後の事があるのですがどうしてもそういう話は暗くなりがちで、その暗いテーマをそのまま歌うのは勇気がいるので明るい曲を合わせたとか。
しかし、この曲は明るいメロディだからこそふわっとその悲しみとか残された人の気持ちに寄り添ってくれるような曲です。
第2部は比較的新しい曲が多く、熟成されて出来たJWNDやCUTTさんが去年からはじめたバンドのSPEED OF LIGHTSの曲、CUTT曲には珍しいストレートなラブソングのAnd I Love Herなど。
And I Love Herは片思いの曲なので、YouじゃなくてHerなんでしょうね。
居心地の良い場所という曲はタイトルとメロディがいかにも居心地がいいのですが、その居心地の良い場所から出て行かないといけないという歌詞で、歌詞とメロディとタイトルの取り合わせが聞くたびに絶妙だなと思います。
SQUARE ONEで終わったと思ったらスタッフをしてくれているギタリストのしんじさんとのコーナーあり、さらにhideさんの曲ありで山盛りでした。

そして5/30の「New Songs! Osaka」。
最近のCUTTさんは新しい曲が続々と浮かんでいるようで、そんな新しい曲達を中心に、そして今まで第1部と第2部に分けていたのを通しでライブをするという新しい試みのライブでした。
新しいと言っても、本当に新しく作った曲もありメロディは前に出来ていたけどしっくりくる歌詞が最近ふと急に浮かんできたものやその逆など、曲の生まれ方も色々あるんだなというのが伺えるライブでした。
夜に作った暗い曲と、憂鬱な朝に作った暗い曲は暗いのは同じでも暗さの種類が違ったり。
それと、CUTTさんはライブでは早めに披露してくれてもそのまましばらく歌わなくてリリースもなく「なかったことになったのかな?」と思うような曲もあるのですが、次に出てきた時はもっと良くなって出てくるので、前にちょっとだけ聞いて今は出てこない曲も「出てくるのは今じゃないんだな」と思えますね。
この時もAnd I Love Herは歌っていて、もう少し詳しく出来た経緯を話していたのですが、切ない曲の切ない理由を「ここに変わった音が入っているからだな」と分析して僕もこれやりたい!と思って取り入れてみたそうですが、きちんとその「変わった音を入れて切なさを出す」という部分だけを抽出して元の曲の他の要素はなくパクってないのと(本人はパクったとおっしゃってましたが)、このストレートな切ないラブソングを理論で作ってるあたり「やっぱりCUTTさん好きだわー」という感想になってしまいますね。

まだまだ今年は色々ありそうで、これからも楽しみです。

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# by iwanagahime | 2017-06-03 21:53 | 見たもの周辺 | Trackback | Comments(0)


奈良国立博物館・快慶展と大阪市立美術館・木×仏像展

どちらも6/4までという事で、ギリギリっぽいですが行ってきました。
ちなみにどちらかの半券を持ってもう一つの方に行くと割引があるという事ですが、そういう意味以外でも違う視点で仏像という同じものを集めた展覧会に行く事で何か見えるものもある気がしました。
まずは奈良国立博物館の快慶展から。
快慶という一人の仏師を中心に、その生涯と時代背景を追う形での展示。
後白河院との出会い、東大寺再興と大きなプロジェクトに関わりながらも阿弥陀仏への深い信仰心と仏像を造るという道を究める姿が見えました。
また、仏像を介した信仰の形も心が安らぐような姿に造るだけでなく、願文を仏像の内部に納めたり、また巨大な仏像と菩薩の面をかぶった人々が行列をしたりと様々な形がありました。
千手観音や大日如来といった見るからに華やかな仏像もあり、またお顔がつるっとした仏様の多い中、風格のある顔立ちが印象的な僧形八幡神、そしてシンプルなシルエットながら僧衣の隅々まで華麗な模様を施した地蔵菩薩、そして大迫力の四天王や金剛力士など様々な仏像の「日本人が思い浮かべる綺麗な仏像」の基本形にして頂点のような仏像が目白押しでした。
日本における「いわゆる仏像」のイメージは定朝で固まって来るイメージですが、美しい仏像の基本は快慶だと思いました。
最後あたりの円形の部屋に快慶が生涯に渡って造った阿弥陀仏立像をぐるっと囲むように展示してある場所があったりと、展示の仕方も面白かったです。

そして、大阪市立美術館の木×仏像展。
木という材質に注目した仏像展なので、様々な時代の作者も(わからないもの含めて)様々な仏像です。
仏教が伝来する過程で仏像も日本に入ってきますが、そうすると外国にはない木があったりするので代わりの木材で作るようになったとか、表面の粘土に目が行ってしまいがちな塑像も中心は木だったりとか。
また、雷に打たれた木が特別な力があるとされて仏像にされたりと樹木を聖なる物とする文化の影響も感じました。
また、最初は一本の木を彫りだしていたのが表面と中心の乾燥の差を防ぐと同時に軽量化するために中をくりぬいたり、また大きな木がなくても大きな仏像をたくさん造るようになり寄木の仏像が出来たりと、仏像造りにおける木材との付き合い方の歴史も見えました。
大きさも様々で、手乗りサイズのようなものから見上げるような四天王まで。
また、地蔵と僧だけの部屋があり、そこに看板にもなっている宝誌和尚像があるのですが、他の地蔵菩薩がシンプルなだけにこの宝誌和尚の顔面が割れて中から菩薩が出てくる姿の異様さが際立つような。
己の中の仏を見せる僧の物語から、この造形を生み出すのはものすごいものがあります。
また表面が荒削りなのも、この状態からさらに表面がはがれて中から菩薩が出てくるのではないかというような錯覚を起こすためかと思いました。
それらが小さなものや湿度管理が特に必要なものなどは除いてほとんどがケースなしの全方向から見られる展示なので、お堂では見られない姿もあり一度見た仏像も新鮮でした。
今まであまりピンと来なかった円空仏も、慶派以降の豪華で美しい仏像が中心になってきた世界で生まれたと思うとそういう方向性もありかなという感じでしたね。

作りかけのまま時を越えてきた忿怒相ではない大元帥明王が何だか気になりました、木だけに。

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# by iwanagahime | 2017-05-29 23:11 | 見たもの周辺 | Trackback | Comments(0)


松竹座 五月花形歌舞伎(昼の部)

猿之助さんは久しぶりだったので、五月花形歌舞伎に行きました。
中村屋兄弟に猿之助さんだと、花形より強そう(?)なイメージですが適当な言葉も思い付かないですね。
一、戻駕色相肩
勘九郎さんと歌昇さんが担ぐ駕籠に児太郎さんのかむろが乗って春の風景の中にやってくるという、字だけでも華やかな一幕。
最後に実は!という展開でバーンと迫力ある場面になるのですが、前半の軽やかさとのコントラストが鮮やかでした。

二、金幣猿島郡
前に猿之助さんのドキュメンタリー(かなり前だったので、亀治郎時代かも知れない)で部分を見た事があり、それで全体を一度は観たかった演目だったのですが想像以上でした。
平将門の妹である七綾姫という美女、彼女と恋仲ゆえに朝敵の疑いをかけられ、疑いを晴らすために村雨丸という刀を探す頼光の二人にそれぞれ横恋慕する者がいるのですが、七綾姫に横恋慕するのは忠文という傘と手紙をどっかで見たようなスタイルで持って登場する元は身分の高い男性、頼光に横恋慕するのは清姫というどこかで聞いた事のある名前の女性という事でパロディ要素もありつつまとまった話として展開する面白さがありました。
七綾姫は七之助さんで頼光は勘九郎さんなので色々と説得力があり、想いを寄せる清姫をちょっと健気に感じてしまう頼光に妬く七綾姫や、七綾姫が具合が悪くなった時に口移しで薬を飲ませる頼光の見せ付けてる訳じゃないのにナチュラルに見せ付けてしまう感じとか良かったです。
それぞれに横恋慕する忠文と清姫は猿之助さんの二役で、最終的に鬼と蛇になって合体してしまうという恐ろしさなのですが、片思いの相手はすでに恋人がいるのに未練がましく食い下がってしまう姿が最初は笑える感じなのがどんどん狂気を帯びていき、最終的に人ではない姿になる恐ろしさが見ごたえがありました。
また、その過程の違いも清姫は盲目の時は「仮に一目惚れした相手に再会しても、目が見えなくては顔も見えない、ならば七綾姫の身代わりに討たれて役に立ちたい」と健気なのに、村雨丸の力で視力を取り戻すと「目が見えて相手も見つかったからには生きる、七綾姫は恋敵なので身代わりなんて真っ平!むしろ許さん!」と豹変する様から、七綾姫の追っ手との戦いに巻き込まれて命の危機になった時に潔く成仏するよう言う母の言葉を聞かずに怨念から蛇になるという絶望→嫉妬→狂気というプロセスが丁寧、忠文は最初から七綾姫の「兄を助けてくれたら結婚します」という手紙に釣られているので、それさえなければ領地も身分も失わなかったという所から愛憎入り混じっている部分があり、七綾姫と頼光との仲の良さを見てしまって発狂するという違いを感じました。
そうやって蛇と鬼になった二人の霊が合体して宙乗りで飛び去って行く訳ですが、猿之助さんの宙乗りは空中にもう一つ地面があるのではないかというぐらい演技をしながら飛んでいて、忠文と清姫が交互に現れて、さらに客席にアピールまでするという、求められて1000回達成も当たり前という感じでした。
(宙乗りしてるぞドヤァァァ!な宙乗りも、別物として好きなんですが)

そんな二人の霊を慰めようと三井寺の鐘供養をする頼光ってかなりいい人なんでは、と思うのですが朝敵の疑いも晴れて七綾姫といよいよ祝言となると二人の霊も黙ってない訳で、祝言に追っ手が乱入しないように男子禁制と偽っているところに中の人が猿之助さんの白拍子(に化けた狂言師・白雲坊と黒雲坊によると女装男子がやってきて、当然のように三井寺だけど道成寺な展開になります。
三面の舞を七之助さんと勘九郎さんを相手にくるくると面と仕草を変えながらの舞は流石としか言いようがない見事さで、この配役で観られて良かったです。

最後になりましたが、七綾姫を匿う乳母と侍女の門之助さんと笑三郎さんが追っ手と戦う姿が儚くもカッコよかったです。
いやー、いいもの観たなあ。

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# by iwanagahime | 2017-05-20 22:36 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


海北友松展

5/21まで京都国立博物館で開催されている海北友松展に行きました。
武士の家に生まれながら戦乱の世の中で絵師として行き、武家として海北家の再興を願っていたそうで、前半の展示であった資料に同じ船に乗っていた人が船にいたメンバーを書いたものがあったのですが、気を遣ったのか友松を画家ではなく「絵が上手な人」みたいに説明していたりと複雑な事情があるっぽい人ですが、ダイナミックなものから煌びやかなもの、そして静かなものと80年以上の生涯で絵師としてフル回転している感がありました。
水墨の建仁寺大方丈の巨大な龍の障壁画は大迫力で、静止しているのが不思議なほどの存在感でした。
そして金碧障壁画は打って変わって華やかで、金の下地に牡丹の花という煌びやかさですが嫌な派手さではないのが素晴らしかったです。
人物を描いた絵には背景に屏風や掛軸があったりするのですが、その屏風や掛軸にも絵が描いてあり、それも細かくて面白かったです。
かと思えば何だか丸っこい馬の絵があったり、どれだけのジャンルをカバーしてるのかとなかなか油断できない展示でした。
暗い中に龍の絵がいくつも展示してある部屋など展示の仕方も面白く、最後に物静かな月下渓流図屏風(ネルソン・アトキンズ美術館所蔵)で締めくくる感じが良かったです。


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# by iwanagahime | 2017-05-13 22:39 | 見たもの周辺 | Trackback | Comments(0)

    

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