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私邸周辺


仮オープン&顔見世に行って来た

こんな年の瀬に何してんだって思うけど、日付に「5」の入ってる日なのでまずは仮オープンって事で投稿。

さてさて、タイトル通り14日に顔見世の昼の部に行って来ました。
もう舞台写真が売っててびっくりしました、舞台写真は後半になってからってイメージがあったから。
まだ全員の写真は出揃ってませんでしたが当然のように買いました、4枚ぐらい。

今回は中村鴈治郎さんの坂田藤十郎襲名披露



『女車引』
これは車引に出てくる三兄弟の奥さん達の舞踊、とはいえ舞踊なのであんまり争ってない感じというか賀の祝の様子なんかも踊ってるので車引以降の悲劇的要素は感じさせないような。
着物は千代(魁春)は松葉の模様、春(扇雀)は梅の模様なのに、八重(孝太郎)だけ何故か
桜じゃなくてたんぽぽの模様?色は桜っぽかったけど。
祝の料理をする踊りで、不慣れな若奥様の八重があぶなっかし~という雰囲気が可愛くてよかったです。孝太郎さん可愛い。

『夕霧名残の正月 由縁の月』
夕霧が病気で亡くなり、四十九日なので形見の打掛など法要の用意をしている…という場面からはじまります。
扇屋の主(我當)と女房(秀太郎)は廓文章より優しそうな感じ、太鼓持たちも落ちぶれた伊左衛門(藤十郎)がやって来た時にすぐ伊左衛門だとわかるし追い払ったりしません。
まあ、夕霧がすでにお亡くなりだからかも知れませんが。
役柄的に廓文章とほぼ同じなのに、雰囲気が違うのを出せる秀太郎さんはやっぱりすごい役者なんだなあと思った。
太鼓持から夕霧がすでに世になく、四十九日の法要が今日だと聞かされた伊左衛門が悲しみながら念仏を唱えると、夕霧(雀右衛門)が現れます。
伊左衛門と再会を喜び合う夕霧が、すでに病になった弱々しい様子なのですが本当に演技で弱々しくなっているのか、たまーに疑わしくなりました…
それでもやはり夕霧の伊左衛門に対する想いや、伊左衛門が夕霧をいたわるようすなんかは流石に人間国宝です、魅せてくれます。
伊左衛門が来たという知らせで主夫婦がやってくると、夕霧は消えてしまいあれは夢か…という事で、主夫婦は「たとえ夢でも想いあう二人が再会できたのはめでたい事」と言う事で、めでたいつながりでいきなり劇中口上が!
坂田藤十郎という名跡についての説明や、伊左衛門の衣装がリアル紙衣だと言う事などちゃんと聞けば面白いでした。秀太郎さんが女房の衣装のままなので、口上なのにいつもよりおばちゃんぽかったです。

『義経腰越状 五斗三番叟』
義経の家臣である泉が義経に五斗兵衛を軍師として推挙しようとするが、泉を義経から遠ざけようとする伊達&錦戸の兄弟が邪魔をするために五斗兵衛に酒を飲ませて失態を誘発しようとする話です。伊達&錦戸は歌昇&歌六のリアル兄弟がやってます。
五斗兵衛(吉右衛門)が酒を勧められて断りきれずに飲む様子や、一度飲み始めると歯止めが利かなくなってベロベロになるまで飲んでしまう過程がやたらリアル、実生活でそういう人を見た事があると素直に笑えないような気がしないでもない。
酔いつぶれて義経の前で酷い姿を見せてしまった五斗兵衛を追い払うため、奴が現れるのですが、その奴が竹田奴というすごい変な顔でショッカー戦闘員のような声を出しながらやってくる…というか、戦闘員の奇声ってこれが起源か?
最後は五斗兵衛が戦闘員…じゃなかった、竹田奴を三番叟の舞をしながら片付けて、奴たちを馬代わりにして花道を去っていきます。演技も舞踊も楽しめる、吉右衛門ワンマンショーだったのかも知れない。

『文屋』
文屋康秀が歌合せに参加し、同じく参加中の小野小町の所に忍んで行こうとしたが官女たちに見咎められてしまう踊り。
官女は立役がやっているので正直、顔が怖い!
康秀が仁左衛門さんなので余計に何だか愛嬌がある面が強調されてる感じ、暗闇の中で転んでしまう踊りも愉快な感じ。

『京人形』
左甚五郎が遊女小車太夫の等身大フィギュアを作る話、甚五郎(菊五郎)がやたらと人形(菊之助)を大事にする様子が何だかマニアっぽい。人形相手に「小車太夫を請け出すごっこ」をやってる甚五郎に付き合って仲居の役をやってあげるおとく(芝雀)は本当にいい女房だ。
単にノリがいいだけかも知れない、芝雀さんだとどっちにも見える。
人形に魂が入って動いても、最初はガクガクしてるし入った魂が作った甚五郎の魂なので男っぽい動きなのが面白い。そして甚五郎が偶然拾って保管してた小車太夫の鏡(そんなものを大事に持ってるあたり、やっぱり何かマニアックだよ甚五郎)を入れると遊女らしい仕草になる、というあたりはちゃんと出てました。

『曽根崎心中』
最後はお初と徳兵衛が藤十郎&翫雀親子の曽根崎心中、私は見るのは二回目ですが前は九平次が今は亡き坂東吉弥さんだったなーとか少し悲しくなってしまいました。
ただでさえ、この話は心中した後で心中しなくてもいい状況になってしまい、伯父の久右衛門が悲しい事になってしまう後味が激悪な話なのに。
亀鶴さんの九平次も冷たそうで良かったです。
どうしても心中カップルよりも、大事な甥を九平次のつまらん騙りのせいで失ってしまう久右衛門に感情移入してしまって(我當さんの演技がいいだけに)後味が悪くなるのですが、生きていれば九平次は一般的な悪人だったのが、お初と徳兵衛が心中する事によって「身分が低いながらも正直に生きた恋人達を死なせてしまった極悪人」として久右衛門はもちろん、世間からも人でなしとして扱われる事を考えれば、遊女と丁稚上がりの二人にはすごい事だったのかも知れません。

まあ色々考えてしまいましたが、色々な演目が見られて面白かったです。
豪華な感じで。
反面、昼食は質素でした。
by iwanagahime | 2005-12-15 18:58 | 歌舞伎周辺

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