私邸周辺


松竹座:七月大歌舞伎(夜の部)

正直、今回の演目と配役が発表された時は3回ほど読み直しました。
何かの間違いでいつか訂正されるだろうと思っていましたがチケットは発売され、何かの記事で「従兄弟3人による車引」と紹介されていて事実だと確認しました。
不安になりましたが、私が知らないだけで急激な成長を遂げたのかも知れないと思いました。

しかし、地元で開かれた歌舞伎鑑賞教室で見た由良之助は不安を増幅させるばかりでした。

そういった不安の一方、その後の『伊勢音頭恋寝刃』は普通に期待して松竹座に行ったのでした。

演目と配役は運がよければ→この辺

そういう事で、そろそろ感想本編。



一、菅原伝授手習鑑『車引』
愛之助さんの梅王丸は熱血な感じで(少し声の調子がよくなかったようでしたが)、孝太郎さんの桜丸はどこか儚い雰囲気でいかにもな車引でした。
しかし、その真ん中で「あーりゃーこーりゃーでっけーー」という化粧声をバックに見得を切る松王丸が……
何かしらタイミングが合わない感じで、観客も拍手をしそびれているような。
それに梅王丸と桜丸は台詞の無い場面でも、歌舞伎らしいたたずまいでしたが以下略。

我當さんの時平は舞台が引き締まりますね、杉王丸で巳之助さんが頑張ってました。

しかし、これ何が目的だったんだろう……

二、伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)
はい、本日のメインイベント!
縁切りや人斬りの場面が有名ですが、通しなのでそこに至るまでの過程がよくわかります。
名刀やその折紙(鑑定書)が入れ替えられたり人手に渡ったりしますが、きちんと入れ替わる場面が見せられているのでわかりやすいです。

『相の山』紛失した名刀青江下坂を取り返したものの、遊女お岸(梅枝さん)に入れあげて質に入れてしまうというダメ息子な万次郎、でもどこか憎めないのは秀太郎さんのキャラ?
質に入れたならお金さえあれば、というところですが預かってるはずの人が逃げた様子。
でも結局、手元に残っていたはずの折紙まで騙し取られてしまうという。

『宿屋』ここでそんな万次郎を手助けするために駕籠に乗って仁左衛門さんの貢が登場、駕籠から降りた時の拍手は松王丸の見得の何倍だった事か。
万次郎の事を貢に頼む左膳が我當さんなので、さりげなく三兄弟が揃ってます。
万次郎は貢に状況説明、奴林平の愛之助さんとごまかしごまかし説明するのがおかしい……とか言ってる間に折紙が偽物になってる事と、万次郎を陥れようとする計画が発覚!
(というか、質入させたところから計画だったのか)計画のために密書を首謀者に届けようとする二人から密書を奪おうと、林平は二人を追います。
追いかけられる二人も面白い場面でよく出てくる人達なので、期待は高まります。

『追駆け』追いかけます、ひたすら追いかけます。客席まで追いかけます!途中で二人がどこに行ったか客に聞きつつ林平は追います!ついでに言うと愛之助さんの紋は追いかけ五枚銀杏です。

『地蔵前』お地蔵さんの振りや井戸の中に隠れるなど無茶をしつつ、まだまだ追いかけます。
井戸に隠れるのは危険なのでおすすめしません!!

『二見ヶ浦』そんなこんなで敵を追い詰め貢と林平で密書をゲット、夜なので早く読みたいと朝日を待つ貢の様子が面白い。
しかし、追いかけっこスタートからゴールまで四場も使ってるのか。面白かったがハードだった、いや見てるだけですが。

『油屋』いつの間にか名刀青江下坂を手に入れている貢、後は折紙だけですがその件に付いて万次郎や恋人の遊女お紺と会うために油屋へ。
ここでなぜか憎めない万次郎と対照的に、何を言っても憎たらしい万野を秀太郎さんが怪演。
今日は伊勢音頭を奥でするので遊女を呼ばずに座敷に居座られたら困るとか何とか。
この後で刀がまた入れ替えられるのですが、刀を預かった喜助(三津五郎さん)が「下手に元に戻すより、刀と鞘が入れ替わったままにして油断させよう」と考えます。普通なら名案なんですが、それが悲劇に。
いつの間にか遊女お鹿(彌十郎さんの熱演が泣いていいやら笑っていいやら)からお金をせびった事にされたり、敵方の北六に酷く言われたり恋人のお紺からも縁切りされて貢は逆上したまま油屋を後にします。
縁切りは実は策略なので、北六から上手い事を言って折紙を奪うお紺。北六達を騙してる訳ですが、時蔵さんなのですっきり。
しかし、縁切りが策とも知らず刀もわざと安物の鞘が付いた状態とも知らない貢は慌てて油屋へ。
そこでまた万野にねちねちと「ほれ、叩け」と挑発されます。
名刀に付いた安物の鞘で万野を叩くと、鞘が割れてうっかり斬ってしまう形に。

『奥庭』油屋華やかな伊勢音頭の舞台に悲鳴が聞こえ、ひとーごろ~~し~~~と言いながら貢に斬られて行く油屋の人々。
仁左さん怖い、マジ怖い。するはずのない血の匂いまでしそう。
水を飲んで正気に返り、刀も無く人を大量に斬った罪の意識で腹を切ろうとするところにお紺が!さっきの縁切りは嘘で折紙が手に入ったという朗報!
ここでお紺を誉める貢がさっきまで人を斬りまくっていたと思えない優しい表情ですが、肝心の刀が……という所に喜助が現れ事情を説明。
間違いなく青江下坂だと確認し、折紙も手に入りめでたしめでたし……って、返り血まみれですがいいんですか?いいんです!!

そんな感じで、後半は楽しく幕が降りました。
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by iwanagahime | 2011-07-23 21:44 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)
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