私邸周辺


文楽探検PART17文楽に遊ぶ

西宮プレラホールで2/2に開かれた文楽探検に行きました、文楽協会のサイトにないので(この辺の本公演と巡業以外の細かいイベントももっと載せてほしい)長らく知らなかったのですが歴史のあるイベントらしい。
内容は第1部は文楽の小道具を長年担当されている森永伸さんのお話、舞台上には実際に文楽の小道具(+α)を用意してあります。
まずは大きさについて、文楽の人形は人間より小さいのですがパッと見てイメージより大きいものが多い。
行灯や机などは大道具に合わせてイメージ通りの人形サイズなのですが、扇や包丁などは人形遣いが手に持つので人形の手に合わせて作ると手で隠れてしまい、また舞台では見えにくくなるのでほとんど人間のものと変わらないようなサイズだとか。
ここで一つ、東京の国立劇場での公演に小道具の包丁を忘れてしまい、現地で作ろうと場所を借りに行くと国立劇場の大道具さんが「それぐらいなら作ってあげよう」とパパッと包丁を作ってくれたのはいいのですが、人形の手に合わせたサイズだったそうです。
それを持ってきてくれましたが、確かに舞台では小さいというか後ろの席では見えないと思われました。

また、時代物では誇張した表現が出来るので、例えば国姓爺合戦の甘輝が持つキセルは人間が持っても大きいぐらいのものを使います。
これは、ここまでで虎退治などで強いイメージが出来ている和藤内より甘輝が強いという事をビジュアルでわかりやすくするための誇張表現だそうです。
逆に、世話物では小道具もリアリティが要求されるので、大きすぎたり派手すぎたりすると観客からクレームもあるとか。

また、同じ芝居内で同じものを表す道具でも、場面によって違う道具を使う事もあるという事で源平布引滝の白旗を。
立役と女方の人形では口の構造が違うので、口にくわえる旗も二種。腕を切り落とされても握り締めていた小万の腕が付いたものはスポンジが入っていて握り締められるようになっているなど、工夫を凝らしたものが6種も使われているそうです。

先に書いたように舞台ではある程度の大きさが必要とされるのですが、西遊記で孫悟空と牛魔王の化け比べで蜂→雀→鷲と大きくなっていくのに最初の蜂が大きすぎると雀も鷲も大きくなりすぎるので、大きくする限界より目立つようにしろと言われ、羽に光る素材を使って目立たせるなどの工夫もしたとか。

そして、大きさの次に持ちやすさについて。
人形遣いは片手で小道具を扱う事が多いので、桶の裏側に指を入れる穴があったり、壷の後ろには指を引っ掛ける出っ張りがあったり。
また、差し金と呼ばれる取っ手のようなものが付いている事も多いです。
笠にも差し金が付いているのですが、これは人間の手で持つとちょうど人形の手が持っているように見える場所に付けられています。

他にも二人で手紙を取り合う場面では、昔は差し金を付けて引っ張り合いやすいようにしていたのですが、ちょっと見場も悪く引っ張り合った後に丸めるのが面倒という事で最近はロールスクリーン方式だとか。
そういう風に仕掛けを考えるのも、小道具さんの担当だそうです。

質問コーナーもあり、大道具と小道具は人形が持つものは小道具だとか(竹やぶは大道具、その中の竹やりにするために折る竹は小道具)
火の玉はアルコールにホウ酸を加えたものを布にしみこませて火をつけているなど、色々な話がありました。

第2部は吉田和生さんによる「文楽ぜみなーる」お園あれこれ、まずお園の人形と人形のかしらを一つ持って登場。
実は、今回は昭和初期の現行より小型の人形を使うという事で今の人形(かしらだけ)と大きさの違いを見るために持ってきたという事です。
今より小さい昔のお園は師匠である吉田文雀さんの応接間から持ってきたとか。

艶姿女舞衣の酒屋の段、有名な台詞のある場面ですが、今は文五郎型をベースにした型で演じられているそうで、その原点である文五郎型と、今はほとんど演じられない初代栄三型の2種を演じていました。
義太夫はテープ音源とチラシに書いていましたが、1度目は大正14年の7代駒太夫、2度目は7代土佐大夫の貴重な音源だったので逆にレアでした。
二つの型の大きな違いは「今頃は半七さん~」の台詞を戸口まで出て言うか、行灯に寄りかかりながら言うかでしたが、戸口まで出てくるのは本当なら探しに行きたい勢いを抑えている感じで、行灯のところで言うのは行灯の油が手に付いたのを髪に付けて鬢付けに馴染ませたり昔の女の人っぽいリアルさを感じました。

質問コーナーでは和生さん自身は文五郎型と栄三型のどちらが好きかという質問がありましたが、文五郎型は師匠の師匠から受け継いだ型なので和生さんの好き嫌いとは違う次元で文五郎型をしている、ただし栄三型の二度目のかざし舞はなぜするかわからないという事でした。

文楽の裏方さんや人形遣いさんに質問が出来たり、小道具を間近で見られたり、貴重な音源で2種類の型での実演が観られたりと興味深いイベントでした。
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演劇
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by iwanagahime | 2014-02-08 22:29 | 見たもの周辺 | Trackback | Comments(0)
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