私邸周辺


伝統芸能の今2014 京都芸術劇場春秋座

能楽師狂言方の茂山逸平さんと能楽師囃子方の亀井広忠さんと津軽三味線の上妻宏光さんも出演なのでカテゴリを迷いましたが、場所が猿之助さんが芸術監督を務める春秋座でホーム感を出していたので歌舞伎周辺で(こういう時はカテゴリ名を周辺とぼかしていて正解だったと思う)
京都公演は5/10と11でしたが、私は10日に行きました。

会場は大学内の劇場という事で、学生のデザインしたキャラクターの投票も行われていました。
カフェには今回の公演コラボで猿之助さんの舞台姿がプリントされたクッキーが付いた珈琲や、限定のサブレなども販売されていました。
猿之助さんの押隈が飾られていたり、やはり猿之助カラーが強めな印象。

開場してロビーに入ると猿之助さん自らチャリティの呼びかけをしていて、反対側では茂山逸平さん・亀井広忠さん・田中傳次郎さんがパンフを販売していてちょっと身構える。
逸平さんが狂言方のよく通る声で「パンフレットには何と手拭も付いて来ます!」と宣伝していました(笑)

幕開けは津軽三味線の上妻宏光さんの演奏、津軽じょんがら節と創作の紙の舞という曲。
津軽じょんがら節はおなじみの激しさと哀愁を感じさせる吹雪のような曲で、紙の舞は津軽三味線の持つ哀愁部分を強調したような印象を受けました。
演奏の後は少し上妻さんのお話、和楽器なので他の伝統芸能の人とは同じステージに立つ機会もあるのではないかと思われがちですが、実はあまりそういう機会はないのでこの公演は貴重なんですよ~的なお話。

続いて広忠さんと傳次郎さんが加わり、逸平さんの創作「三番三」に。
三番三は狂言でも演じられますが、センターに津軽三味線がいてお囃子の構成もいつもと違います。
それでも狂言で演じるのと同じようにキレのある動きで、そこに津軽三味線などの迫力も加わりさらに力強い三番三でした。
あと、逸平さんの袴の下からチラ見えする帯が銀の縁取りでおしゃれさん。

次は猿之助さん、上妻さん、傳次郎さんで創作「空破」です。
創作ですが、古典の要素というか歌舞伎俳優の猿之助さんと歌舞伎囃子方の傳次郎さんで歌舞伎勢が多数なせいか素踊りですが歌舞伎度が高い感じでした。
続いて創作舞踊「風林火山」で、上妻さんの演奏+現代的な音楽に合わせて猿之助さんが舞います。
音楽が現代的ですが、舞は歌舞伎や日本舞踊の動きなので不思議というかスーパー舞踊(スーパー素踊り?)というか。
一歩間違うとナシなんですが、こういうのもアリと思わせるあたりが猿之助さんだなあと思いました。

そして全員のトーク、センターに猿之助さんで後ろにも猿之助襲名公演で披露された福山雅治デザインの祝い幕がかけられています。
伝統芸能同士ではあるもののコラボというのは普段はあまりないのでお互いに違う部分があるという事から、それぞれのジャンルでは何をガイドに動いているのかという話しに。
逸平さんは三番三では笛の音をガイドに動いているので、舞台のかみて側にいる時は笛が聞こえるのでいつものように動けるのですが、真ん中に行くと津軽三味線、しもて側にはいつもと違う広忠さん・傳次郎さんの大鼓・小鼓がいるのでだんだん笛が聞こえなくなって「早くかみて側に戻りたい」という気持ちになるそうです。
広忠さんは能では謡のリーダー(本人談)と大鼓が指揮を取っているのですが、歌舞伎では立鼓がリーダーなので大鼓の立場が弱くその辺ではじめの頃のコラボは苦労したとか。
上妻さんは即興演奏が多い津軽三味線という事でアドリブには強いという事ですが、そこで猿之助さんが「困った共演相手とかいないの?一噌先生以外で」といきなり個人名を。
ありとあらゆるものを笛として演奏する先生で、楽器ではないものまで演奏したり一度に複数の楽器を演奏する姿を舞台袖から見ていた猿之助さんは笑いを堪えるのに苦労したとか。
そういうのはさておき、即興が多い反面きっちり譜面に従ってするような場面は弱いかも?という事でした。
それに関して傳次郎さんが和太鼓の林英哲さんから聞いた話として、ウイーンフィルと東京でコラボした時に即興で叩いた演奏を譜面に起こされてしまい、ウイーンでもこの譜面の通り演奏してくれと言われて困ったという話をしていました。
上妻さんがそれは困りますねというように共感していたので、おそらくその通りなのでしょう。

コラボの始まりは三響会という亀井広忠さんと田中傳次郎さんと「間にもう一人どっしりしたの」こと田中傳左衛門さんの三人兄弟が行っているイベントに猿之助さんが出演したのがきっかけだとか、別のイベントで上妻さんをナンパして加わったとか。
それから、パンフやポスターで五人の名前が色分けされているのを「ゴレンジャーじゃないよ!」と何度か言ってました(笑)

そして今回のチャリティの趣旨と、チャリティグッズの紹介などなど。
小児がんの支援というチャリティで、医療費は公的な補助もあるとはいえ治療している間は学校に行けず、無事に治癒して学校に通うようになると周りと勉強の差が出来たりクラスに馴染めない子も多いとか。
そこで、家庭や公的支援だけでは難しい学校への復帰の部分を支援する団体への寄付という事です。
多額の寄付をすると鼓の皮に全員がサインしたものをもらえるそうですが、そこまで出来なくてもわずかながら寄付しました。
[画像]

続いては歌舞伎と狂言による「石橋」という事で、猿之助さんは早拵えをしなければならない模様。
「まーた早拵えかよ」と言う猿之助さんに「早拵えは“猿之助”の宿命ですから」と答える傳次郎さんが印象的。

早拵えが示す通り、獅子が猿之助さんです。
仙人が逸平さんで狂言の仙人スタイル、文殊菩薩の浄土に渡れない仙人を愛嬌たっぷりに演じていました。
そして獅子は鏡獅子の後ジテと同じ白い獅子で、胡蝶と戯れ豪快に毛振りをする姿が大迫力でした。

舞い演じる部分は猿之助さんと逸平さん、演奏の部分は上妻さんと広忠さんと傳次郎さんという異色コラボでしたが、それぞれが違うカラーを出しながら一つのものを作り上げて行く姿はスリリングな興味深さがありました。
またこういう機会があれば、観たいです。

演劇
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by iwanagahime | 2014-05-18 23:57 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)
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