池田市立くれは音楽堂で行われた文楽入門教室に行きました、鑑賞教室的な公演では解説と体験→実演という流れが多いのですが、今回はいきなり実演があって驚いたのですがこれが面白い構成でした。
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伊達娘恋緋鹿子の火の見櫓の段を実演した後、蓑二郎さんによる人形の解説。
主遣い・左遣い・足遣いの分業や、人形の構造。
肩の部分は乾燥したへちまを薄く切ったものを重ねており、その量で体格の差を出すとか。
客席から手を挙げてもらって人形遣いの体験者を募集、小学校の一部である音楽堂だからかやはり小学生ぐらいの子どもが多かったですね。
続いて浄瑠璃の解説と体験、まずは三輪大夫さんによる太夫の解説。
文楽の太夫は演じるのではなく語る、台詞の部分も演じるのではなく登場人物の心や状況を語るのだという言葉が印象的でした。
ここでも体験者を募集、後で火の見櫓の段を他の体験者とともに際に「嵐に凍て、雪は凍りて踏み滑る」の「踏み滑る」の部分だけを体験者が語るそうで。
選ばれた小学生の子に、「おっちゃんが合図するから」と話しかける三輪大夫さんが微笑ましかったです。
そして三味線、文楽の三味線の構造や持ち方などの説明とお七が櫓を上っている時の曲に演奏されていたメリヤスについて。
舞台進行に合わせて布のメリヤスのように伸び縮み出来るので、この名で呼ばれるようになったとか。
櫓上りだけでなく木登りや戦いの場面など、色々な場面のメリヤスを実演していました。
他にも舞台の様々な役割の体験者が揃い、最後は人形遣いだけは本職の人形遣いが行って後は体験者を交えての火の見櫓の段。
ここでは最初と違って櫓を90度回転させ、さらに観客に見える側を開けて櫓の中が見える状態での実演です。
舞台には様々な役割があり、櫓の中ではかなり窮屈な体勢で人形を遣っているという事がわかりました。
初の企画だそうで、ちょっと舞台進行がもたつく部分もありましたが全体としては良い企画でした。
またやってほしいです。