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錦秋文楽公演 玉藻前㬢袂

玉藻前㬢袂[画像]
九尾の狐の話で、さらになかなかかからない演目という事なので行って来ました。
プログラムの写真が古い事からも、なかなか見られないという事がわかりましたが、内容を見ると宙乗りに耐え得る体力があるベテラン人形遣いがいないと出来ないハードな演目だと実感し、さらに「観ておいてよかった感」が出ましたね。

最初は九尾の狐が玉藻前になるまでの話、薄雲皇子という帝の兄がいるのですが、兄なのになぜ弟が帝なのかというと、薄雲皇子は日蝕の日に生まれたので帝になれないそう。
薄雲皇子は納得していないらしく、帝を廃位させ自分が帝になるべく獅子王の剣を右大臣道春の家から盗み出し、その威光で臣下を集めていよいよ決起しようというぐらいらしい。
この獅子王の剣が九尾の狐の弱点だとか、獅子王の剣について語る台詞ですでに説明されています。
獅子王の剣の本来の持ち主である道春の家には桂姫という娘がいて、薄雲皇子は彼女に迫って振られた挙句、剣が道春家にないとわかっているのに「剣か桂姫の首かどちらかを差し出せ」と鬼畜命令をするというね。
そして使いの鷲塚に実はこの娘は子授け祈願の帰りに拾った子で、その子を育てるうちに妹の初花姫が生まれたので神様からもらった子なので私が首を差し出す決断は出来ない、実子の初花姫なら実の子なのでと身代わり提案をするのですが、この「実の子ではないので躊躇う」というのは古典ではよく出てきますし、広義の「他人ゆえの遠慮」と考えればわからなくもないです。
そこで双六で負けた子の首を差し出す事になり、姉妹がお互いに庇い合う涙しか出ない双六の勝負が行われるのですが、鷲塚はなぜか勝ったはずの桂姫の首を打ちます。
あまりの事に鷲塚は刺されますが、実は桂姫は鷲塚の子で、我が子を育ててくれた人の子の首を自分の子の身代わりには出来ないという事でこういう結果になったとともに、剣を皇子の命で盗んだ事を打ち明けて倒れます。
この義理と親子の情がもつれてどうしようもなくなった場面に、首を打たれた桂姫と刺されて絶命した鷲塚をスルーし勅使が入ってきて初花姫に入内のお知らせと衣装その他一式が来ます。
ものすごい急展開ですが、玉藻の歌を詠み帝の目に留まった事から玉藻前と名を改めた初花姫に更なる悲劇が襲い掛かります。
金毛九尾の狐が襲い掛かり、玉藻前に変身して成り代わられてしまいました。
その時に薄雲皇子と玉藻前が出会うのですが、玉藻前が九尾の狐だと明かされ、日本を魔界に変える手伝いをするなら謀反に協力すると約束します。
薄雲皇子もものすごい妖怪が出てるのにスルーして日本を手にした暁には神社仏閣を破壊し、魔界に変える手伝いをすると普通に約束します。
玉藻前は初花姫の美貌と自分の妖力で帝の寵愛を一心に受け、宮女や后の恨みを買い、命を狙われるのですが、発光して危機を逃れます。この光の演出がパンフの画像とかなり違っていたので、技術の進歩を感じましたね。
光るだけって、他に何か攻撃なかったのか?と思いますが、後で光った件が出てくるという。

帝が病気という事で、兄である薄雲皇子が政務を行うのですが、碌に仕事をせず傾城の亀菊を宮中に連れて来たり昼も夜もなく宴会をしていたりめちゃくちゃやってます(という事は、帝は玉藻前に夢中でも政務はしてたので妖怪力で病気にしたのか)
挙句に訴訟事を亀菊に任せてしまうのですが、訴訟に来た人は花魁姿の亀菊に普通に訴えてます、勅使といい皇子といい訴訟に来た人といい、この演目に出てくる人はスルー能力が高すぎます。

訴訟をちゃちゃっと片付けたのですが、次は陰陽司の安倍泰成と弟の采女之助が玉藻前が妖怪ではないかという訴えを持ってきます。
体が光ったという証言が后と宮女から上がっているのですが、これを「衣通姫や光明皇后も光り輝いていたんですけどー、この人達も妖怪っていうんですかー(現代語訳)」と一蹴してしまいます、光攻撃した理由これか!

などなど色々な事があり、帝の病気平癒の祈祷と称して玉藻前の正体を暴き、玉藻前が飛び去る場面が宙乗りで、勘十郎さんフル回転しすぎでした。

さらに殺生石と化した九尾の狐が夜な夜な楽しげな怪異を見せる場面で何変化かわからないぐらいの踊りもあり、最初から最後まで目が離せなかったです。
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by iwanagahime | 2015-11-14 17:56 | 見たもの周辺 | Trackback | Comments(0)
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