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私邸周辺


幕見から幕見

松竹座と国立文楽劇場は地下街を通れば退屈せずに徒歩で行ける距離なのですが、今月はどちらも幕見があるので同じ日に両方で幕見をしてきました。
まずは松竹座
石切梶原[画像]
橋之助さんが芝翫さんになられるという事で、松竹座での襲名披露。
梶原平三誉石切を見ました。
襲名披露では配役が豪華になるもので、たまに豪華すぎてバランスが何だか~という事があるのですが今回はそれがなく、全てを見通す目と名刀に対する礼儀正しさのある武士らしい芝翫さんの梶原に偉そうだけどちょっと色々と見る目がない鴈治郎さんの大庭三郎、そして何か事情がありそうな東蔵さんの六郎太夫と児太郎さんの梢の親子を中心に、作りこまれたキャラクターがとてもわかりやすく話が頭に入りやすい感じでした。
(試し斬りの後、六郎太夫が生きているとわかった時の嬉しい音楽が「斬れてない」事に気付いてストップするあたりも)
彌十郎さんが剣菱呑助というのが襲名興行っぽかったですが。
親子の事情も刀が本当に名作かも何もかもお見通しで刀にも礼を尽くす梶原と、見ただけでは刀がわからず試し斬りを要求し、それに対して自分の命を投げ出そうとする六郎太夫を「金がほしいのか」と事情もわからない大庭三郎の対比がしっかり見られるので登場人物の状況も気持ちもよくわかるように思いました。

地下街を通って国立文楽劇場へ(天候に左右されないのが地下の良い所)
本朝廿四孝[画像]
本朝二十四孝を見ました。
十種香の段では勝頼と濡衣の任務と心の動きに八重垣姫の恋心という複雑な状況が、豪華な配役で手に取るようにわかります。
また、八重垣姫の「許婚の肖像画が美しかったので姫御前の果報者と思っていた」というような内容の言葉に政略結婚でどんな相手に嫁がせられるかわからなかった姫という立場と、幸運にも同世代のイケメンと婚約したと思ったのにそれが世の流れで相手の切腹で終わるという悲しみもわかりやすく、そして肖像画にそっくりの人が現れた希望もまた大人の事情に振り回されてしまうという切なさがあるので、奥庭狐火の段の狐の力でファンタジー入った描写も自然な流れに見えて来るというパワーみたいなものを感じました。

こんな近くに良い劇場が二つもあるので一度やってみたかったですが、ちょうど良い感じに見たい演目が重ならず幕見が出来てよかったです。

by iwanagahime | 2017-01-14 23:18 | 見たもの周辺

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