はい、玉さまの舞踊公演に行って来ましたよ。
今回は写真集の発売近くだからか、ロビーに豪華版が展示してあったり番付にも玉さまと篠山紀信さんの対談が。それによると、南座は写真家にとってもサイズがちょうどいいとか。
京都で展示するのは、案外と意味のある事かも。
そういえば豪華版の写真集の装丁に使われた布は京都の染司よしおかのものですし、布地に取っては里帰りみたいなものでしょうか。
豪華版の案内パンフがあったのですが、買えもしないのに貰ってきました。
そして、感想本編。
『阿国歌舞伎夢華』
わかりやすく綺麗な舞踊劇、玉さま以外にも春猿さんや笑三郎さんなどが女歌舞伎として登場し、どこを見ても華やかな舞台。
弘太郎さんと猿弥さんの男伊達も愉快な感じで、舞台が盛り上がります。
加えて女歌舞伎に延夫さんや守若さんといったベテランも舞台を引き締め、どこを見ても豪華な舞台。
それでも目を引き付けてならない玉さまが凄いのか、私があれなのか。
それはさておき、段治郎さんの名古屋山三は幻なので、スッポンから登場します。
段治郎さんも玉さまの相手役が慣れてきたのか、息のあった踊り。
とても美しいだけに、山三が消えていく場面が悲しいです。
悲しくても踊り続ける阿国。
踊ったまま幕が下りる演出も、阿国がこのまま踊りを続けている感じがして良かったです。
『蜘蛛の拍子舞』
頼光は笑三郎さんで、薪車さんの貞光はキリッとして、蜘蛛が化けた白拍子が玉さまでも惑わされない堅物にピッタリでした。
でも、いきなり白拍子が出現したら貞光の反応が普通かと。
前半は白拍子の美しさはもちろん、問答や掛け合いが面白かったです。
そして本性を現す直前は美しい白拍子の姿のまま蜘蛛の糸を出したり、跳ねたりて妖しさ全開。
玉さまの変化物はこの、姿を変えないまま恐ろしさを出すあたりが一番好きなんで楽しめました。
さて、心配された後半ですが鬼はなく蜘蛛だからなのか恐ろしい妖怪であるにも関わらず虫特有の細さがあって良かったです。
そして、猿弥さんの金時はまさに成長した金太郎でした。
某無駄知識番組で、金太郎の正確なあらすじを説明できる人があまりいなかったのですが、これを見たら一気に実感できると思います。
全体的に見応えのある、いい舞台でした。
最後になりましたが、ひたすら蜘蛛の糸を回収していた功一さんの勇姿は忘れません。