中学生の時だったか、教科書にサーカスのスターを主人公にした物語があった。
空中ブランコで、何回転かして次のブランコに飛び移る大技が主人公の得意技だったと思う。
まあ、話の中盤で色々あって主人公は大技の回転数をさらに増やそうとして、練習を重ねるけどもどうしても数を増やせない。
それで主人公は怪しげな薬に手を出し、信じられない大技を決めた後に白い鳥になってどこかへ行ってしまうというような話だった。
授業の一環で、先生が「この薬を鳥になってしまうとわかっても、この薬を使ってしまう主人公の気持ちがわかるか」というような質問をした。
何となくクラス全員が引っかかっていて、薬は使わないほうがいいような雰囲気になっていたが、先生はそういう生徒のリアクションに対して
「自分がリスクを背負ってでも叶えたい願いというのは無いのか!」
みたいな事を言ったのだが、それでも引っかかっていた事があったのだ。
その時は中学生だったし、当時は今ほどニュースにもなっていなかったから出てこなかったのかも知れないが、今の自分なら確実にこう言える。
「ドーピングはダメ、絶対」