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三津五郎さん

三津五郎さんがご逝去されました。
襲名披露での助六のような男前の役も、芋堀長者のような面白みのある(それでいて踊りも見所な)役も印象的でした。
勘三郎さんもでしたが、70や80になっても現役の方が多い歌舞伎ではまだまだ活躍するような年齢でのご逝去は舞台が見られない寂しさだけでなく、彼らに後を託そうとしていた年長の俳優さんたちの気持ちも考えてしまいます。
ファンとしては舞台での姿を心に思い、またご子息の巳之助さんは来月の舞台もありますし静かに応援したいと思います。
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by iwanagahime | 2015-02-28 22:31 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


松竹座 二月大歌舞伎(幕見)

時間の都合により二月も幕見でしたが、何とか行ってきました。
松竹座の幕見は2幕続けてだと、劇場を出ずにロビーなどにも行けるので劇場に行った感があって良いですね。

二、京人形
松緑さんが甚五郎、歌舞伎で地味な職人(既婚)が花魁に一目惚れというと悲劇フラグですが、希代の職人である左甚五郎だけにそうはならず、花魁の等身大京人形を作って眺めて遊郭ごっこに興じるという。
甚五郎は花魁が落とした鏡を勝手に持ち帰ってたり、自作の等身大フィギュア相手に遊郭ごっことか人として完全に終ってるのですが、門之助さん演じる奥さんのおとくも実際の花魁に入れあげるよりは良いかとでも思ってるのか、女将役を引き受けて酒と肴なんか持ってきて「おしげりなんし~」なんてノリノリ。
人として駄目だけど夫としてはOK、みたいな。
甚五郎が精魂込めて作った人形はいつか魂を持って動き出すのですが、男である甚五郎の魂が入っているので男っぽい動き。
そこで花魁の鏡(勝手に私物化した)を懐に入れると、花魁らしい動きに。
ここの踊り部分は松緑さんと軽快で見ごたえがありました、壱太郎さんの京人形のカクカクと動く人形から男っぽい動き、そして鏡が入ってからの花魁らしい動きのメリハリも良かったです。

三、口上
先月は口上を見られなかったのですが、新・鴈治郎さんのお人柄なのか一人一人の語るエピソードが松緑さんのスティービー・ワンダーのコンサートに連れて行ってもらった話など具体的で面白かったです。
猿之助さんは一万円札の肖像画の人の大学の同窓生という繋がりもあるそうで、この後の傾城反魂香でも良いコンビでした。

四、傾城反魂香 土佐将監閑居の場
又平が鴈治郎さんで女房おとくが猿之助さん、鴈治郎さんの又平は言いたいけど上手くしゃべれないからしゃべりをおとくに任せてしまい、よりしゃべらない度が上がってしまうループに嵌っているだけで言いたい事はたくさんありそうな雰囲気がリアルでした。
猿之助さんのおとくは又平の絵の腕前はあると信じていて、「うちの人は絵が上手なのに何で?ちゃんとしゃべれないから?」みたいな雰囲気があって、誰よりも又平の絵を評価しているがゆえにしゃべれない事にこだわってしまう感じがありました。
この二人のこじらせ感があるので、師匠や奥方そして兄弟弟子が誰も悪い人がいないのに師匠の家で夫婦が自害しようとする展開に無理がなく見えました。
そして、このどうしようもなくなって自害しようという所からの絵が石の裏に抜ける奇跡が起きた時の喜びと、それを見届けて絵師としての名前を与える師匠の喜びも映えました。
師匠も奇跡をいつか起こせる腕前だと信じていたからこそ、画業以外の功績でも同情でも名前を与えずにいたのでしょう(そして、名前も筆や着る物も準備はしていた)

最後は「がんじろはん!」の大向こうも飛び、賑やかな門出でした。
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by iwanagahime | 2015-02-21 21:48 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


うめだ文楽「壺坂観音霊験記」/映画「ボーカロイドオペラ葵上with文楽人形」

うめだ文楽は関西のローカル局5社が共同で開催する若手公演、フレッシュなのは配役だけでなく会場も新しいグランフロント大阪のナレッジシアターという劇場です。
トークゲストを招いてアナウンサーと一緒に技芸員さんとのトーク、そして本編の壺坂観音霊験記・沢市内より山の段という構成です。
この日のトークゲストは落語作家の小佐田定雄さん、本職は落語作家ですが最近は文楽も書いたそうで、世間では落語作家というより文楽作家という方が尊敬されそうなので文楽作家を名乗ろうかなんておっしゃってましたが、パンフレットでは「古典」は「スタンダードナンバー」という意味で、永遠に古くならないものという名言をよせています。
小佐田さんは三人の技芸員さん(玉翔さん、玉路さん、玉延さん)にツッコミモードで話を進めていき、足遣いの時は主遣いの師匠の出すサインを見逃さないように密着しているため、師匠からもニンニクを食べないよう言われているなどこういう時しか聞けないような裏話もありました。
また、パンフレットのプロフィールに書いてある文楽の世界に入ったきっかけや休日のすごしかたについても、そこで玉翔さんの休日のすごしかたがサーフィンである事にふれ、そんな暇があるのかと聞くと玉翔さんは「出身地がサーフィンの聖地みたいな場所で、そこでサーフィンをしている人達を見るのが好きだった。今でもテレビなどでサーフィンの番組を見る、サーフィンをするのではなく見るのが好きなんです」という想定外の発言が。
ちょっとどうリアクションしていいかわからない空気になりました。
あと、全体的に唯一の平成生まれの玉延さんがアイドル待遇でした(ちなみに本編でも観音様です)

本編の壺坂ですが、先ほどまでのゆるいトークとは打って変わってやはりキリッとした舞台です。
全体的に初心者が多いのか、断崖絶壁から身を投げる場面での観客の反応も大きく出演者の方々もやりがいがあったのではないでしょうか。
本公演を見慣れていると、人形遣いはやはり人形を動かすより本人の気配を消すのが難しいのかなあなんて思ったり。
希大夫さんの声は好きかも、パンフレットの手書き文字(印刷)も可愛かったです。

演劇

さて、その壺坂で沢市の主遣いを務めた吉田幸助さんが主演したボーカロイドオペラ葵上のビラが配られていてものすごく気になったので、いても立ってもいられず映画館に。

ボーカロイドオペラの名の通り、複数のボーカロイドによる楽曲からなる物語で葵上を現代または近未来にして、ボーカロイド作品を公開していた作曲家が歌い手と出会った事により見向きされなくなったボーカロイドの怨念が歌い手に宿るというストーリーが歌い手のマネージャー視点で語られます。
名前も作曲家がヒカル(ただし、人形ではなくヘッドホンを付けてPCに向き合う黒衣の姿のみ)で歌い手がアオイと、葵上からとわかる名前。
ただし、見捨てられたボーカロイドの名はミドリと、どちらかというと有名ボーカロイドの初音ミクさんを想起させる名前。
おそらくストーリー上、葵上の六条御息所に対する感情と違い、アオイはミドリに憧れてヒカルの歌を歌っていたのでヒカルとミドリとどちらにも愛情があるという所での差も表しているのでしょう。

ボイスロイドの案内に続き、幸助さんのインタビューもあってどちらのファンにも入りやすい設計。
最初は違和感というか面食らう部分もありましたが、意識を失っていたアオイがミドリと名乗り歌う場面のあたりになると画面から目が離せなかったです。

アニメ絵でも出来そうな話でいて、文楽人形ならではの表現があり、また3人の人間の動きで構成され動きながら人形ならではの表現が出来る文楽人形と、人の歌声を分解して再構成し、人のようでいて人には歌えない歌も歌えるボーカロイドの親和性は感じました。

この作品そのものは説明台詞の処理など改善してほしい部分もありましたが、ボカロと文楽人形の組み合わせには期待を持てました。
人の要素で構成されながら、人ではない両者の未来をまた別の形で見たいです。
ボーカロイドオペラ葵上with文楽人形|公式サイト
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by iwanagahime | 2015-02-14 23:28 | 見たもの周辺 | Trackback | Comments(0)


初春文楽公演 第1部

国立文楽劇場に行きました、迷いましたが第1部で。

初春文楽公演[画像]
花競四季寿 万才・海女・関寺小町・鷺娘
初春の万才、夏の海女、秋は関寺小町、冬と春の予感を鷺娘で表現しています。
万才はいかにも賑やかで、二人のやり取りに愛嬌がありました。
海女は素朴で可愛い海女と、ちょっかいを出してビンタされる蛸が面白い。最後、蛸が手(足だけど)振ってるし。
関寺小町、打って変わって薄の背景に老女が一人。実は絶世の美女だった小町が老いた姿だという。
若き日のあれこれを思い出しながら、寂しく終わります。
鷺娘、雪の野に白鷺のように佇む娘の姿は人形でも美しいです。
傘を使った踊りも浮遊感があり、春を予感させての幕切れも華やかでした。

彦山権現誓助剣 杉坂墓所の段/毛谷村の段
母を亡くしたばかりの六助と、その六助の親思いで優しい心に漬け込んで悪事を働く微塵弾正。
微塵弾正は六助を倒せば士官させるという領主のお触れを悪用し、その辺の老女を騙して母親役をさせて「仕官して母に楽をさせたいのでわざと負けてくれ」と頼みます。
ここで微塵弾正の悪さだけでなく、六助の優しさと強さも説明されます。
さらに幼子を背負った男が謎の集団に襲われて、六助が助けたものの幼子を託して絶命。
しかも手がかりなし。
毛谷村ではわざと負けた試合から、母にしてくれと頼む謎の旅の老女(実は許婚お園の母)や、幼子の手がかりになるだろうと外に干していた衣を見て勘違いして襲ってきた挙句、事情を知って名前を言ったら急に女房面してくる謎の女(実は許婚お園)など六助の奇妙な一日になります。
そして、さらに村人が母親が斬られたので敵を討ってくれと頼みに来ます。
そこで微塵弾正が六助を騙していて、さらに母親の役をさせた老女まで手にかけるという極悪さに怒ります。
六助怒りの毛谷村。
そしてお園達が追っていた父(六助には剣術の師匠)をだまし討ちした敵が微塵弾正であると知れ、いよいよ敵討ちが果たされる日も近い事でしょう。
この演目は長い敵討ちの話の一部なのですが、起承転結の転の部分なので急展開です。
人形も太夫も良い配役で、昼の部のメインという感じでした。

義経千本桜 道行初音旅
太夫・三味線も桜カラーの裃でもう春のようです、舞台はもちろん一面の桜。
狐のぬいぐるみからさっと忠信に代わるのは文楽ならでは。
静御前の義経に対する思い、狐忠信の鼓になった両親への思いが吉野山を越えていきます。
最後の傘キャッチは人形のサイズ感で、実際より長い距離を飛んでいるように見えました。

華やかな舞踊とすっきりした敵討ちという点で、初春らしさがありました。
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by iwanagahime | 2015-02-07 15:55 | 見たもの周辺 | Trackback | Comments(0)

    

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