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シネマ歌舞伎『阿古屋』

阿古屋[画像]
現在では演じられるのは玉三郎さんお一人という阿古屋のシネマ歌舞伎版ですが、玉三郎さんも公式サイトで述べられているように動きの少ないお芝居ですのでシネマ歌舞伎には向かないかと思っていました。
私も実際の舞台も見た事がありますが、演奏の場面では舞台と客席の空気のようなものも影響しているイメージでしたし。
しかし、その空気は舞台を作り上げていく過程を映像として見せる事でカバーしている感じで、ドキュメンタリー映像と実際の舞台映像を続けて見る事で積み上げられていた緊張とその結果として美しいものが出来上がるという実現を見せているようでした。
鬘や衣装、楽器の用意や大道具や照明、そして出演者の全員。
竹田奴の一人一人とその指導にあたるベテランの菊十郎さんの映像は、舞台では面白いものとして見える竹田奴だからこそ真剣に作っている姿が見ごたえがありました。

そして出来上がった舞台は玉三郎さんの一瞬一瞬が全て阿古屋として美しく、景清を想いながら景清の行方を知らない悲しさがこもった演奏でした。
その心を見抜く重忠の菊之助さんも音楽から心を見抜きそうな雰囲気がして、すっきりした重忠でした。
亀三郎さんは残酷な台詞を言いながらもどこかコミカルな岩永を、人形だからこそ出る人間味を感じさせつつ演じていました。

全国での上映は終わっていますが、シネマ歌舞伎ですのでまた上映される機会もあるかと思います。
そして、玉三郎さんに続く阿古屋が出る事を願っています。

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by iwanagahime | 2017-01-28 23:34 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


茂山狂言 新春川西公演

川西市のみつなかホールでは毎年恒例の茂山狂言です、もう来年の予定もあるとか。
今年は三本柱と木六駄と鶏聟、そしてその前に逸平さんの新春トークがありました。
トークはいつものごとく演目の紹介を交えてなのですが、去年は猿聟で今年は鶏聟という事で今後は?と思いますが、狂言では十二支は揃わないとか。
そしてお詫びと言われたので何かと思ったら、宗彦さんと茂さんが綾野剛を意識しだして髪に影響が出ているというお詫びでした。

正邦さんが千五郎、千五郎さんが千作を襲名してから初の川西公演という事で配役にも「千作(千五郎改)」「千五郎(正邦改メ)」との記載あり。
果報者が家を新築するための三本の柱を冠者達に取りに行かせるという話しですが、いつもは失敗してやるまいぞやるまいぞとなるパターンですがこの演目では三本の柱を二本ずつ三人で見事に持ち帰ります。
襲名披露のめでたい感満載で、縁起がよかったです。

木六駄は前に千之丞さんで見た事がありますが、やはり演じる人によってイメージというか印象に残る部分が違って、七五三さんの木六駄は雪の中で牛十二頭を追うダイナミックさと豪快な良い訳より、変な所に行こうとする牛に困ったり、酒を巡るやりとりの細かい部分が面白い感じでした。

鶏聟は中世の聟入りという結婚後に妻の実家に挨拶に行く行事を題材にした聟入り狂言の一種(若い人が主役の行事なので、何か起きやすいのでしょう)という去年からの流れで理解もしやすく、素直に騙されて鶏のモノマネをする聟と対抗する父のやり取りなど大らかで楽しい狂言らしい笑いでした。

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by iwanagahime | 2017-01-21 22:33 | 見たもの周辺 | Trackback | Comments(0)


幕見から幕見

松竹座と国立文楽劇場は地下街を通れば退屈せずに徒歩で行ける距離なのですが、今月はどちらも幕見があるので同じ日に両方で幕見をしてきました。
まずは松竹座
石切梶原[画像]
橋之助さんが芝翫さんになられるという事で、松竹座での襲名披露。
梶原平三誉石切を見ました。
襲名披露では配役が豪華になるもので、たまに豪華すぎてバランスが何だか~という事があるのですが今回はそれがなく、全てを見通す目と名刀に対する礼儀正しさのある武士らしい芝翫さんの梶原に偉そうだけどちょっと色々と見る目がない鴈治郎さんの大庭三郎、そして何か事情がありそうな東蔵さんの六郎太夫と児太郎さんの梢の親子を中心に、作りこまれたキャラクターがとてもわかりやすく話が頭に入りやすい感じでした。
(試し斬りの後、六郎太夫が生きているとわかった時の嬉しい音楽が「斬れてない」事に気付いてストップするあたりも)
彌十郎さんが剣菱呑助というのが襲名興行っぽかったですが。
親子の事情も刀が本当に名作かも何もかもお見通しで刀にも礼を尽くす梶原と、見ただけでは刀がわからず試し斬りを要求し、それに対して自分の命を投げ出そうとする六郎太夫を「金がほしいのか」と事情もわからない大庭三郎の対比がしっかり見られるので登場人物の状況も気持ちもよくわかるように思いました。

地下街を通って国立文楽劇場へ(天候に左右されないのが地下の良い所)
本朝廿四孝[画像]
本朝二十四孝を見ました。
十種香の段では勝頼と濡衣の任務と心の動きに八重垣姫の恋心という複雑な状況が、豪華な配役で手に取るようにわかります。
また、八重垣姫の「許婚の肖像画が美しかったので姫御前の果報者と思っていた」というような内容の言葉に政略結婚でどんな相手に嫁がせられるかわからなかった姫という立場と、幸運にも同世代のイケメンと婚約したと思ったのにそれが世の流れで相手の切腹で終わるという悲しみもわかりやすく、そして肖像画にそっくりの人が現れた希望もまた大人の事情に振り回されてしまうという切なさがあるので、奥庭狐火の段の狐の力でファンタジー入った描写も自然な流れに見えて来るというパワーみたいなものを感じました。

こんな近くに良い劇場が二つもあるので一度やってみたかったですが、ちょうど良い感じに見たい演目が重ならず幕見が出来てよかったです。

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by iwanagahime | 2017-01-14 23:18 | 見たもの周辺 | Trackback | Comments(0)


京博のお正月

京博のお正月[画像]
まだ七草粥の日という事で、今年もよろしくおねがいします。
京都国立博物館は元旦を除いて三が日も開館しているという事で、京博らしいお正月を見てきました。
新春特別陳列の「とりづくしー干支を愛でるー」を筆頭に伊藤若冲、泉涌寺の名品と見応えのある特別陳列があり、また余裕のある時間帯だったので前の特別展ではゆっくり見られなかった通常展示の巨大な大日如来像もしっかり見られて良かったです。
各スペースごとに印象に残った事を書くと、とりづくしは鶏は夜明けを告げる鳥として縁起のいい題材であり、また他の鶴などの鳥も好まれていたので絵画だけでなく着物や道具など多岐に渡る展示で日本の美術と鳥の関わりがわかりました。
また、若冲っぽい極彩色の鶏でも狩野派の絵師だとひよこの書き方に狩野派っぽさがあったりと、同じ題材だからわかる特徴も見られました。
泉涌寺は仏像や仏具だけでなく皇室の御寺として発展したお寺らしい皇室ゆかり絵巻や屏風などの品があり、仏像だけではないお寺全体の歴史が凝縮された展示でした。
伊藤若冲は去年の生誕300年で京都でも多くの美術館での展覧会がありましたが、そこでは展示されなかったものや、人気のある作品と同時に公開されていたためじっくり見られなかった渋い作品などがしっかり見られて良かったです。
思い切ったデフォルメの六歌仙や、まだ筋目描きが完成していない頃の作品、墨絵の野菜と彩色の鶏が組み合わさった掛け軸などが面白かったです。
個人的には前にじっくり見られなかった乗興舟がゆっくり見られて良かったです、やはり細かい絵が綺麗な人の描くデフォルメは可愛い。
お正月期間なので、普段は金・土・日と祝日にしかいないキャラクターのトラりんにも会えました。
通常展示の仏像や西洋に輸出していた螺鈿細工などもゆっくり見られ、ついつい観光地に行きがちな京都のまた違った過ごし方がありました。

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by iwanagahime | 2017-01-07 22:48 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)

    

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