私邸周辺


CUTTワンマン「I wanna do it!」と「New Songs! Osaka」

ちょっとライブから時間がたってしまったので、まとめて2回分なのですがまとめて思い出すと対照的なライブだったような感じですね。
まずは4/28の「I wanna do it!」、そもそもは日程の加減で4月は大阪のポテキライブはしない予定だったのですがタイトル通りやはり「やりたい」という事で決まったライブ。
CUTTさんのソロになってからのアルバムの中でも初期に出したもので、これまでのバンド活動やユニットで出した曲をアコースティックアレンジしてコンセプト別にリリースしたAcoustic Bestのシリーズがあるのですが、完売してなくなっていたのが再販された事もあって第1部はそこからの曲が多かったですね。
なので曲解説も多めだったのですが、そこはCUTTさんなので面白かったり納得したり。
そもそも、この「完売してなくなった状況」についても「なくなったっていうけど、みんなの手元に行っただけで物質としては存在してるし、その方がありがたいんだけど」というような他の人ならわざわざ言わないような事を言ってました。
曲紹介ではNackが印象的でしたね、CUTTさんの曲の大きいテーマとして魂がこの世を離れた後の事があるのですがどうしてもそういう話は暗くなりがちで、その暗いテーマをそのまま歌うのは勇気がいるので明るい曲を合わせたとか。
しかし、この曲は明るいメロディだからこそふわっとその悲しみとか残された人の気持ちに寄り添ってくれるような曲です。
第2部は比較的新しい曲が多く、熟成されて出来たJWNDやCUTTさんが去年からはじめたバンドのSPEED OF LIGHTSの曲、CUTT曲には珍しいストレートなラブソングのAnd I Love Herなど。
And I Love Herは片思いの曲なので、YouじゃなくてHerなんでしょうね。
居心地の良い場所という曲はタイトルとメロディがいかにも居心地がいいのですが、その居心地の良い場所から出て行かないといけないという歌詞で、歌詞とメロディとタイトルの取り合わせが聞くたびに絶妙だなと思います。
SQUARE ONEで終わったと思ったらスタッフをしてくれているギタリストのしんじさんとのコーナーあり、さらにhideさんの曲ありで山盛りでした。

そして5/30の「New Songs! Osaka」。
最近のCUTTさんは新しい曲が続々と浮かんでいるようで、そんな新しい曲達を中心に、そして今まで第1部と第2部に分けていたのを通しでライブをするという新しい試みのライブでした。
新しいと言っても、本当に新しく作った曲もありメロディは前に出来ていたけどしっくりくる歌詞が最近ふと急に浮かんできたものやその逆など、曲の生まれ方も色々あるんだなというのが伺えるライブでした。
夜に作った暗い曲と、憂鬱な朝に作った暗い曲は暗いのは同じでも暗さの種類が違ったり。
それと、CUTTさんはライブでは早めに披露してくれてもそのまましばらく歌わなくてリリースもなく「なかったことになったのかな?」と思うような曲もあるのですが、次に出てきた時はもっと良くなって出てくるので、前にちょっとだけ聞いて今は出てこない曲も「出てくるのは今じゃないんだな」と思えますね。
この時もAnd I Love Herは歌っていて、もう少し詳しく出来た経緯を話していたのですが、切ない曲の切ない理由を「ここに変わった音が入っているからだな」と分析して僕もこれやりたい!と思って取り入れてみたそうですが、きちんとその「変わった音を入れて切なさを出す」という部分だけを抽出して元の曲の他の要素はなくパクってないのと(本人はパクったとおっしゃってましたが)、このストレートな切ないラブソングを理論で作ってるあたり「やっぱりCUTTさん好きだわー」という感想になってしまいますね。

まだまだ今年は色々ありそうで、これからも楽しみです。

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# by iwanagahime | 2017-06-03 21:53 | おんがく | Trackback | Comments(0)


奈良国立博物館・快慶展と大阪市立美術館・木×仏像展

どちらも6/4までという事で、ギリギリっぽいですが行ってきました。
ちなみにどちらかの半券を持ってもう一つの方に行くと割引があるという事ですが、そういう意味以外でも違う視点で仏像という同じものを集めた展覧会に行く事で何か見えるものもある気がしました。
まずは奈良国立博物館の快慶展から。
快慶という一人の仏師を中心に、その生涯と時代背景を追う形での展示。
後白河院との出会い、東大寺再興と大きなプロジェクトに関わりながらも阿弥陀仏への深い信仰心と仏像を造るという道を究める姿が見えました。
また、仏像を介した信仰の形も心が安らぐような姿に造るだけでなく、願文を仏像の内部に納めたり、また巨大な仏像と菩薩の面をかぶった人々が行列をしたりと様々な形がありました。
千手観音や大日如来といった見るからに華やかな仏像もあり、またお顔がつるっとした仏様の多い中、風格のある顔立ちが印象的な僧形八幡神、そしてシンプルなシルエットながら僧衣の隅々まで華麗な模様を施した地蔵菩薩、そして大迫力の四天王や金剛力士など様々な仏像の「日本人が思い浮かべる綺麗な仏像」の基本形にして頂点のような仏像が目白押しでした。
日本における「いわゆる仏像」のイメージは定朝で固まって来るイメージですが、美しい仏像の基本は快慶だと思いました。
最後あたりの円形の部屋に快慶が生涯に渡って造った阿弥陀仏立像をぐるっと囲むように展示してある場所があったりと、展示の仕方も面白かったです。

そして、大阪市立美術館の木×仏像展。
木という材質に注目した仏像展なので、様々な時代の作者も(わからないもの含めて)様々な仏像です。
仏教が伝来する過程で仏像も日本に入ってきますが、そうすると外国にはない木があったりするので代わりの木材で作るようになったとか、表面の粘土に目が行ってしまいがちな塑像も中心は木だったりとか。
また、雷に打たれた木が特別な力があるとされて仏像にされたりと樹木を聖なる物とする文化の影響も感じました。
また、最初は一本の木を彫りだしていたのが表面と中心の乾燥の差を防ぐと同時に軽量化するために中をくりぬいたり、また大きな木がなくても大きな仏像をたくさん造るようになり寄木の仏像が出来たりと、仏像造りにおける木材との付き合い方の歴史も見えました。
大きさも様々で、手乗りサイズのようなものから見上げるような四天王まで。
また、地蔵と僧だけの部屋があり、そこに看板にもなっている宝誌和尚像があるのですが、他の地蔵菩薩がシンプルなだけにこの宝誌和尚の顔面が割れて中から菩薩が出てくる姿の異様さが際立つような。
己の中の仏を見せる僧の物語から、この造形を生み出すのはものすごいものがあります。
また表面が荒削りなのも、この状態からさらに表面がはがれて中から菩薩が出てくるのではないかというような錯覚を起こすためかと思いました。
それらが小さなものや湿度管理が特に必要なものなどは除いてほとんどがケースなしの全方向から見られる展示なので、お堂では見られない姿もあり一度見た仏像も新鮮でした。
今まであまりピンと来なかった円空仏も、慶派以降の豪華で美しい仏像が中心になってきた世界で生まれたと思うとそういう方向性もありかなという感じでしたね。

作りかけのまま時を越えてきた忿怒相ではない大元帥明王が何だか気になりました、木だけに。

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# by iwanagahime | 2017-05-29 23:11 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)


松竹座 五月花形歌舞伎(昼の部)

猿之助さんは久しぶりだったので、五月花形歌舞伎に行きました。
中村屋兄弟に猿之助さんだと、花形より強そう(?)なイメージですが適当な言葉も思い付かないですね。
一、戻駕色相肩
勘九郎さんと歌昇さんが担ぐ駕籠に児太郎さんのかむろが乗って春の風景の中にやってくるという、字だけでも華やかな一幕。
最後に実は!という展開でバーンと迫力ある場面になるのですが、前半の軽やかさとのコントラストが鮮やかでした。

二、金幣猿島郡
前に猿之助さんのドキュメンタリー(かなり前だったので、亀治郎時代かも知れない)で部分を見た事があり、それで全体を一度は観たかった演目だったのですが想像以上でした。
平将門の妹である七綾姫という美女、彼女と恋仲ゆえに朝敵の疑いをかけられ、疑いを晴らすために村雨丸という刀を探す頼光の二人にそれぞれ横恋慕する者がいるのですが、七綾姫に横恋慕するのは忠文という傘と手紙をどっかで見たようなスタイルで持って登場する元は身分の高い男性、頼光に横恋慕するのは清姫というどこかで聞いた事のある名前の女性という事でパロディ要素もありつつまとまった話として展開する面白さがありました。
七綾姫は七之助さんで頼光は勘九郎さんなので色々と説得力があり、想いを寄せる清姫をちょっと健気に感じてしまう頼光に妬く七綾姫や、七綾姫が具合が悪くなった時に口移しで薬を飲ませる頼光の見せ付けてる訳じゃないのにナチュラルに見せ付けてしまう感じとか良かったです。
それぞれに横恋慕する忠文と清姫は猿之助さんの二役で、最終的に鬼と蛇になって合体してしまうという恐ろしさなのですが、片思いの相手はすでに恋人がいるのに未練がましく食い下がってしまう姿が最初は笑える感じなのがどんどん狂気を帯びていき、最終的に人ではない姿になる恐ろしさが見ごたえがありました。
また、その過程の違いも清姫は盲目の時は「仮に一目惚れした相手に再会しても、目が見えなくては顔も見えない、ならば七綾姫の身代わりに討たれて役に立ちたい」と健気なのに、村雨丸の力で視力を取り戻すと「目が見えて相手も見つかったからには生きる、七綾姫は恋敵なので身代わりなんて真っ平!むしろ許さん!」と豹変する様から、七綾姫の追っ手との戦いに巻き込まれて命の危機になった時に潔く成仏するよう言う母の言葉を聞かずに怨念から蛇になるという絶望→嫉妬→狂気というプロセスが丁寧、忠文は最初から七綾姫の「兄を助けてくれたら結婚します」という手紙に釣られているので、それさえなければ領地も身分も失わなかったという所から愛憎入り混じっている部分があり、七綾姫と頼光との仲の良さを見てしまって発狂するという違いを感じました。
そうやって蛇と鬼になった二人の霊が合体して宙乗りで飛び去って行く訳ですが、猿之助さんの宙乗りは空中にもう一つ地面があるのではないかというぐらい演技をしながら飛んでいて、忠文と清姫が交互に現れて、さらに客席にアピールまでするという、求められて1000回達成も当たり前という感じでした。
(宙乗りしてるぞドヤァァァ!な宙乗りも、別物として好きなんですが)

そんな二人の霊を慰めようと三井寺の鐘供養をする頼光ってかなりいい人なんでは、と思うのですが朝敵の疑いも晴れて七綾姫といよいよ祝言となると二人の霊も黙ってない訳で、祝言に追っ手が乱入しないように男子禁制と偽っているところに中の人が猿之助さんの白拍子(に化けた狂言師・白雲坊と黒雲坊によると女装男子がやってきて、当然のように三井寺だけど道成寺な展開になります。
三面の舞を七之助さんと勘九郎さんを相手にくるくると面と仕草を変えながらの舞は流石としか言いようがない見事さで、この配役で観られて良かったです。

最後になりましたが、七綾姫を匿う乳母と侍女の門之助さんと笑三郎さんが追っ手と戦う姿が儚くもカッコよかったです。
いやー、いいもの観たなあ。

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# by iwanagahime | 2017-05-20 22:36 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


海北友松展

5/21まで京都国立博物館で開催されている海北友松展に行きました。
武士の家に生まれながら戦乱の世の中で絵師として行き、武家として海北家の再興を願っていたそうで、前半の展示であった資料に同じ船に乗っていた人が船にいたメンバーを書いたものがあったのですが、気を遣ったのか友松を画家ではなく「絵が上手な人」みたいに説明していたりと複雑な事情があるっぽい人ですが、ダイナミックなものから煌びやかなもの、そして静かなものと80年以上の生涯で絵師としてフル回転している感がありました。
水墨の建仁寺大方丈の巨大な龍の障壁画は大迫力で、静止しているのが不思議なほどの存在感でした。
そして金碧障壁画は打って変わって華やかで、金の下地に牡丹の花という煌びやかさですが嫌な派手さではないのが素晴らしかったです。
人物を描いた絵には背景に屏風や掛軸があったりするのですが、その屏風や掛軸にも絵が描いてあり、それも細かくて面白かったです。
かと思えば何だか丸っこい馬の絵があったり、どれだけのジャンルをカバーしてるのかとなかなか油断できない展示でした。
暗い中に龍の絵がいくつも展示してある部屋など展示の仕方も面白く、最後に物静かな月下渓流図屏風(ネルソン・アトキンズ美術館所蔵)で締めくくる感じが良かったです。


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# by iwanagahime | 2017-05-13 22:39 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)


ひょうごの美ほとけ

兵庫県立歴史博物館で兵庫の仏像を集めた特別展「ひょうごの美ほとけ」が6/4まで、という事で行って来ました。
仏像や歴史というと京都や奈良というイメージですが、兵庫県も古くから人の住む土地だったのでかなり古い時代から仏像があるのですね。
歴史博物館らしく時代順の展示だったので、白鳳時代の頭が大きめで細身の仏像からふくよかな奈良時代の仏像になり、定朝様式などスタイルが固まって来る感じが流れでわかる感じでした。
薬師如来の薬壷を持っていない方の手が違っていたり、不動明王の牙が両方とも同じ方向だったりとテンプレと少し違う仏像もあったり。

また、写真では大きさがわからなくなるぐらい細かい細工の小さな仏像も印象的でした。

兵庫県と一口に言っても広く、なかなか県内の仏像を一度に見られる機会もないので貴重でした。
個人的に栄根寺の薬師如来像(上で書いた、薬壷を持っていない方の手がよくあるパターンと違う仏像)が見られたのが嬉しかったですね、阪神淡路大震災でお寺が失われてしまってから見る機会があまりなくなってしまった仏像ですが、今も大事にされている仏様です。

兵庫県立歴史博物館

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# by iwanagahime | 2017-05-06 21:48 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)


相国寺承天閣美術館・伊藤若冲展[後期]と春の特別公開

相国寺承天閣美術館の伊藤若冲展は去年の12/4で終わったと思っていたら、伊藤若冲展[後期]として5/21まで前期(あれ?前の展覧会は特に前期と看板などには書いてなかったような…)とは違った内容で開催されていたので行ってきました。
さらに、前回は特別拝観の期間ではなかったので見られなかった法堂や方丈も今回は見られました。
先に特別公開の方に、法堂に行くと天井画の龍がどこから見ても目が合う事や鳴き龍の説明などを受け、法堂内を一周。
確かに法堂のどこから見ても龍の黒目部分がこちらを向いているように感じます、そして天井の高さがかなりあるので絵としてもかなり大きいはず。
ご本尊の釈迦如来像のサイドには菩薩像ではなく仏弟子の阿難尊者と迦葉尊者の像があり、仏弟子と釈迦の関係性にリアル感がありました。
そして鳴き龍の体験、法堂の特定の場所で手を叩くと反響で天井の龍が鳴いているように感じるという事で指定の場所で手を叩くとパンという音が反響で謎の音になって返って来ます。
しかし、法堂から出ようとすると外が暴風雨っぽいにわか雨になっていたので、方丈はゆっくりは見られず。
それでも維明という若冲に絵を習った事もある住職の梅の絵(若冲といえば鶏、みたいな感じで維明といえば梅なんだそうで)は部屋全体を覆いつくす梅が素晴らしく、他にも風とマッチしすぎだった竹の絵、そして観音図はよく見ると線ではなく経典の文字で描かれているという細かさでした。

雨と雨の隙間を縫うように承天閣美術館に移動、前期の動植綵絵レプリカとはまた違って彩色は看板の羽の細やかさが印象的な鸚鵡牡丹図を含め数点ですが、水墨画も鶏が野菜と遊ぶ群鶏蔬菜図押絵貼屏風や仙厓が賛を描いた蕪図や尊敬していた売茶翁を描いたもの、勢いのある鯉や墨なのにカラフルさを感じる菊など印象深いものがありました。
彩色のものは百合と虻や牡丹と小鳥、菊の中に蟷螂と蟻など美しいけど綺麗なだけでない花の絵が良かったです。
若冲以外にも同じ時代で関わりもあった円山応挙や、相国寺の僧で関わりの深かった大典和尚の書や維明の絵(梅の限られた開花時期の中で見せる色々な姿を描いた屏風がよかったです)もあり、京都市立美術館の京都の街の中にいた若冲とはまた違った形の相国寺と関わっていた若冲の周辺も見えるような展示でした。
常設の月に芭蕉図と葡萄小禽図(鹿苑寺障壁画)はいつ見てもいいですね。
境内も広く、天気のいい時にまた来たいと思いました。

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# by iwanagahime | 2017-04-29 23:30 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)


藤田美術館 ザ・コレクション展

曜変天目茶碗の実物を見た事がないなーと思って検索していたら、よく和楽に写真が出ていたり曜変天目ディスコの元であろう稲葉天目は東京で展示でしたが藤田美術館所蔵のものが展示中という事で行って来ました。
今回の6/11までの展覧会が終われば改装のため長期休業に入るそうで、蔵を改装して空調も入れていない(そのため春季と秋季しか展覧会をしていなかったとか)美術館は雰囲気は良かったですが新しく改装は必要かなという雰囲気でした。
展示は個人のコレクションがもとになっているだけあって、仏教美術を中心に茶道具や刀まで幅広いジャンルながら不思議とまとまった感じがありました。
国行の小太刀はつるっとしたイメージの刀で、柄の中に隠れる部分にまで刃だったような跡があるので作られた時の長さより短くなっているのかなと思いました。
廃仏毀釈による散逸を防ぐためにコレクションしたという経緯から仏像や仏画も多く、密教の法具や玄奘三蔵絵(三蔵法師の絵巻)、快慶の地蔵菩薩立像など見応えがありました。
この日は学芸員さんの解説があり、入場者が多い日だったので解説は1階の展示のみ(2階に全員が上がると危険な人数という事で、やはり改装は必要)でしたが言われて初めて気が付く事も多く面白かったです。
地蔵菩薩立像は着色がよく残っていて玉眼というぱっと見ただけでもわかる豪華さなのですが、金の部分は金泥や金粉ではなく截金といって金箔を貼りあわせて細く切ったものを貼っているそうで。
衣が木彫なのに布のように綺麗なドレープでそれに合わせて貼るだけでも大変だと思うのに、普通に展示されたりお堂にいると見えない後ろの部分まで貼られているそうです。
地獄に落ちた人を救済するために来た姿なので、やや前傾しているというのも興味深かったです。
両部大経感得図は密教の大事な経典を手に入れた時の様子を絵にしたもので、インドの僧侶の話なので舞台は当然インドで「塔に入った」という時の塔はストゥーパ的な塔のはずなのに、日本で想像した絵なので五重塔のような絵が描いてあるという。
空中に金で文字が現れたという奇跡を、空中の文字を書かないで瑞雲で表現しているという事で、仏教絵画でこういう瑞雲があると奇跡が起こっている絵だという事でした。
そして、この絵は密教の儀式を行う部屋のついたてのようなものに描かれていたのですが、儀式をする場所の外側がこの絵で、内側は両界曼荼羅だったとか。
曼荼羅は儀式で使うので古びてくると新調し、作られた当初のものではないという話もありました。
玄奘三蔵絵も文章の上では険しい山脈を越えていて、お供の人も滑落して犠牲になっているという描写があるのですが、何となく緑豊かな自然みたいな絵になってしまっていると(でも犠牲者は出ている)
そして、外国の風景であるという事は日本にいない黒豹や不思議な鳥で表現しているという事で確かにそういう動物や鳥も見えます。
後で解説本などを見て知るのも面白いですが、やはり目の前で解説してもらうと見逃してしまいそうなものをその場で見られるので面白いです。
そして
曜変天目は宇宙が飛び出す寸前で固まったような茶碗でした、天目台も螺鈿できらびやか(画像は美術館のパンフレットから)学芸員さんによるとこの藤田美術館所蔵のものは外側にも斑点が浮かび上がっていて、光で照らすと見えるという事で実際に光を当てて見せてくれました。
ケースの中で見ても光が当たると歓声が起こる程なので、これでもてなされて実際に手に持って光を見た昔の人が宝物として扱うのも当然だと思いましたね。
横の油滴小天目は天目台に乗せた状態で展示してあり、こちらも豪華でした。

コンパクトながら所蔵品も多く、後期展示では曜変転目や密教法具などの一部を除いてほぼ展示を入れ替えるそうです。
入り口の横に桃山時代の多宝塔があったり、館内以外の敷地も良かったので改装後もそういう雰囲気は残して欲しいですね。

藤田美術館

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# by iwanagahime | 2017-04-22 23:18 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)


4月文楽公演(第1部 幕見)

ちょっと時間が出来たので、国立文楽劇場に行きました。
第1部の最初には間に合わない時間でしたが、菅原伝授手習鑑の寺入りの段と寺子屋の段を観ました。
そして、文楽の襲名披露公演は過去に観た事があるのですが、その時は口上のない部だったので口上も初めて観ました。
呂太夫襲名という事でもちろん本人も舞台の上にはいたのですが、歌舞伎だと本人の挨拶もありますが、文楽だと周りが紹介する感じなんですね。
大夫からは咲太夫さん、人形遣いからは勘十郎さん、三味線からは清治さんが出て色々な話を笑いあり真面目な話ありでしていました。
勘十郎さんのブラジル公演の裏話で、勘十郎さんは日焼けが苦手なので苦労したけれど呂太夫さんはイパネマビーチで楽しまれたようで満遍なく焼けていた話とか面白かったです。

寺子屋はものすごい気迫で、呂太夫さんは前半の緊迫感のあるやり取りを。
全て終わった後に「あー、これ全部のやり取り一人で語ってるんだ」という当たり前の事がズシッと来る感じでした。
歌舞伎で観た事のある演目だと、あれは文楽でも同じなのかな?というような目で見る事もあるのですが、菅秀才がいないか呼び出された子どもの顔を一人一人確認する場面でよだれくりがなぜか扇子で叩かれる場面は同じなんですね。
あの何か笑える場面で後の悲劇が引き立ってくるので、印象に残っている場面です。

最後に親でありながら子を犠牲にしないとならない悲劇と、子どもながら身代わりの覚悟を決めていた事が明らかになった後で松王丸夫婦が「菅秀才の野辺の送り」であるとするのは、子どもの覚悟を無駄にしない最後の親心に思えました。

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# by iwanagahime | 2017-04-15 22:16 | 見たもの周辺 | Trackback | Comments(0)


知らんけど

よく関西人の口癖的に取り上げられる言葉として「知らんけど」というのがあるそうで。
私はブログで書いている出没場所を見れば大体の感じとして関西が拠点だという予想は付いてしまうと思うので改めて書くまでもなく関西人なのですが、あまりピンとは来ていなかったのでした。
しかし、曜変天目茶碗はもう一つ存在とすでに失われている事がほぼ確定となっているものがあるという話で、織田信長が所蔵していて本能寺の変で失われたものがあるという話を聞いた時に
「あー信長は曜変天目とか好きそうだなー、知らんけど」とナチュラルに思ったので、何となく使い方がわかりました。
イメージとして「信長は派手だけど単に派手なのではなく、レアなものが好きそうで戦国武将だから茶道をたしなんでいそう」というところから、茶道具の中でも華やかで希少価値のある曜変天目茶碗を持っていそうと思ったのですが、実際のところそこまで詳しくは信長を知らないですし、イメージから来る推測でしかないので「知らんけど」と付いてしまったのだと思います。
つまり、知らんけどというのはあくまで推測であったり実体験に基づかない伝聞であるという事を手短に伝える言葉なのでしょう。
知らんけど。

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# by iwanagahime | 2017-04-08 23:00 | 自分周辺 | Trackback | Comments(0)


トラりんラテ

京都国立博物館にトラりんというキャラクターがいるのは前からこのブログでも書いていますが、京都国立博物館120周年記念でからふね屋珈琲店の京都国立博物館店でも限定でトラりんラテと水出し珈琲羊羹のセットを出しています。
普通はこういうキャラクターラテは珈琲か抹茶かというところなのですが、ここでは抹茶か黒ゴマでした。
なぜ珈琲店なのに黒ゴマかと思いましたが、トラりんの元は尾形光琳の竹虎図という水墨画なので原作の色に合わせているんですね(私は最初なので無難に抹茶ラテにしましたが)
珈琲要素は羊羹の方に入っています、トラりんの好物が羊羹という設定だそうで。
最初はコーヒー味の羊羹?と思いましたが、これが意外と美味しかったです。
この羊羹だけ売っていたらお土産に買いたいぐらいで、羊羹の甘さにコーヒーの香りがよく合っていました。

珈琲羊羹が美味しかったので、次は原作に近い色の黒ゴマラテにしようかと思います。

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# by iwanagahime | 2017-04-01 23:41 | 食べ物関連 | Trackback | Comments(0)

    

本サイト弓戸亜朗私邸では書ききれなかった小さい事を、主:亜朗(iwanagahime)がどこまでも核心に迫らないまま書くブログ、だいたいそんな感じで。
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