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シネマ歌舞伎 東海道中膝栗毛<やじきた>

奇想天外!お伊勢参りなのにラスベガス?!
でも充分意味がわからないのに、弥次郎兵衛 喜多八 宙乗り相勤め申し候という事で何が書いてあるか単語単語はわかるのに全体を読むとまったく意味がわからない事が書いてあり、実際に見た人のレポを読んでもわけがわからなかった東海道中膝栗毛がシネマ歌舞伎で登場という事で行ってきました。
染五郎さんと猿之助さんでこのノリだと初心者にも取っ付きやすい、敷居の低いものだとは思っていましたが、敷居が高いと思ってまたいだら上からたらいがドリフのように降ってきた感じでした。
何しろ最初に舞台上に芝居小屋があって春猿さんの静御前と猿弥さんの忠信で吉野山をやっていると思ったら、黒衣が色々なものを渡しそびれたり、座る用意を忘れて静御前がひっくり返ったり、まさにオール歌舞伎キャストによるドリフ歌舞伎コントで、その失敗ばかりの黒衣が実は弥次喜多の二人!
そしてひどい失敗ばかりの舞台にスキャンダルのにおいをかぎつけた読売屋の名前が文春(ふみはる)という、かなりスレスレな笑いに満ち溢れてました。
弥次さん喜多さんのダメ人間さも上手くキャラ分けされていて、基本的に悪い人じゃないけど天然で何をやっても失敗ばかりな弥次さんと、ぱっと見は弥次さんより頭が回ってしっかりしていそうなのに積極的に悪い方向に向かう喜多さんという雰囲気で、絶対にこの二人で旅をすると何かが起きるという予感しかなかったです。
いい大人なのに駄目駄目な弥次喜多の二人と対照的に、立派な志を持ってお伊勢参りに向かう子どもの主従の梵太郎と政之助がそれぞれ染五郎さんのご子息の金太郎くんと、猿之助さんの親戚である團子くん(中車さんのご子息)だったのですが、この二人が明らかにシリアスで漫画だったら絵柄が違うんじゃないかというぐらいの感じだったのが面白かったです。
文春(ふみはる)は回り舞台を利用したキャラクター紹介でもノリノリでキャラクターの名前とキャッチフレーズを紹介していて大活躍だったのですが、シネマ歌舞伎ならではの演出としてキャラクターの紹介のときにアニメっぽいストップモーションになってキャラクターをあらわす小道具が描かれていたりシネマならではの演出もあって、こういう笑いを取る作品だとどうしても生の空気とは違ってしまう部分を上手く再構築している感じで出来る人が本気で笑いを取りに来たのがわかりました。
それなのに、ラスベガスでなぜか獅子王をやるはめに陥った弥次喜多が獅子を演じた時は顔は弥次喜多なのに本気の毛振りで迫力があるのがなんともまた(最後はオチが付きますが)
実は化け物だった女役者の十六夜が歌舞伎っぽい名乗りをしている横で弥次さんが「何言ってるかわかんねぇ」と言ったり、そろそろ弥次喜多より子ども主従が真面目というのが定着したあたりでラマンチャやヤマトタケルの台詞が混ざっていたりと油断できない面白さ。
観終わって思ったのは、一ヶ月間このテンションを維持し続けた出演者の皆さんの素晴らしさでした。

東海道中膝栗毛<やじきた>

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by iwanagahime | 2017-06-10 22:09 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


松竹座 五月花形歌舞伎(昼の部)

猿之助さんは久しぶりだったので、五月花形歌舞伎に行きました。
中村屋兄弟に猿之助さんだと、花形より強そう(?)なイメージですが適当な言葉も思い付かないですね。
一、戻駕色相肩
勘九郎さんと歌昇さんが担ぐ駕籠に児太郎さんのかむろが乗って春の風景の中にやってくるという、字だけでも華やかな一幕。
最後に実は!という展開でバーンと迫力ある場面になるのですが、前半の軽やかさとのコントラストが鮮やかでした。

二、金幣猿島郡
前に猿之助さんのドキュメンタリー(かなり前だったので、亀治郎時代かも知れない)で部分を見た事があり、それで全体を一度は観たかった演目だったのですが想像以上でした。
平将門の妹である七綾姫という美女、彼女と恋仲ゆえに朝敵の疑いをかけられ、疑いを晴らすために村雨丸という刀を探す頼光の二人にそれぞれ横恋慕する者がいるのですが、七綾姫に横恋慕するのは忠文という傘と手紙をどっかで見たようなスタイルで持って登場する元は身分の高い男性、頼光に横恋慕するのは清姫というどこかで聞いた事のある名前の女性という事でパロディ要素もありつつまとまった話として展開する面白さがありました。
七綾姫は七之助さんで頼光は勘九郎さんなので色々と説得力があり、想いを寄せる清姫をちょっと健気に感じてしまう頼光に妬く七綾姫や、七綾姫が具合が悪くなった時に口移しで薬を飲ませる頼光の見せ付けてる訳じゃないのにナチュラルに見せ付けてしまう感じとか良かったです。
それぞれに横恋慕する忠文と清姫は猿之助さんの二役で、最終的に鬼と蛇になって合体してしまうという恐ろしさなのですが、片思いの相手はすでに恋人がいるのに未練がましく食い下がってしまう姿が最初は笑える感じなのがどんどん狂気を帯びていき、最終的に人ではない姿になる恐ろしさが見ごたえがありました。
また、その過程の違いも清姫は盲目の時は「仮に一目惚れした相手に再会しても、目が見えなくては顔も見えない、ならば七綾姫の身代わりに討たれて役に立ちたい」と健気なのに、村雨丸の力で視力を取り戻すと「目が見えて相手も見つかったからには生きる、七綾姫は恋敵なので身代わりなんて真っ平!むしろ許さん!」と豹変する様から、七綾姫の追っ手との戦いに巻き込まれて命の危機になった時に潔く成仏するよう言う母の言葉を聞かずに怨念から蛇になるという絶望→嫉妬→狂気というプロセスが丁寧、忠文は最初から七綾姫の「兄を助けてくれたら結婚します」という手紙に釣られているので、それさえなければ領地も身分も失わなかったという所から愛憎入り混じっている部分があり、七綾姫と頼光との仲の良さを見てしまって発狂するという違いを感じました。
そうやって蛇と鬼になった二人の霊が合体して宙乗りで飛び去って行く訳ですが、猿之助さんの宙乗りは空中にもう一つ地面があるのではないかというぐらい演技をしながら飛んでいて、忠文と清姫が交互に現れて、さらに客席にアピールまでするという、求められて1000回達成も当たり前という感じでした。
(宙乗りしてるぞドヤァァァ!な宙乗りも、別物として好きなんですが)

そんな二人の霊を慰めようと三井寺の鐘供養をする頼光ってかなりいい人なんでは、と思うのですが朝敵の疑いも晴れて七綾姫といよいよ祝言となると二人の霊も黙ってない訳で、祝言に追っ手が乱入しないように男子禁制と偽っているところに中の人が猿之助さんの白拍子(に化けた狂言師・白雲坊と黒雲坊によると女装男子がやってきて、当然のように三井寺だけど道成寺な展開になります。
三面の舞を七之助さんと勘九郎さんを相手にくるくると面と仕草を変えながらの舞は流石としか言いようがない見事さで、この配役で観られて良かったです。

最後になりましたが、七綾姫を匿う乳母と侍女の門之助さんと笑三郎さんが追っ手と戦う姿が儚くもカッコよかったです。
いやー、いいもの観たなあ。

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by iwanagahime | 2017-05-20 22:36 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


二月花形歌舞伎(午後の部)

二月花形歌舞伎[画像]
色々やっている間に千秋楽になってしまいましたが、まずはおめでとうございます。
という訳で楽日も近い日に二月花形歌舞伎、午後の部に行きました。
今月はどっちかというと個人的には女形で見たい壱太郎さんと尾上右近さんが立役でしたが、新たな魅力を見た感じで良かったです。
もちろん女形として出ていた梅枝さんと新悟さんもそれぞれの役で良い感じでした。


最初に松也さんのご挨拶、歌舞伎らしく口上で始まるのかと思ったら急に普通発声でのトークになって一笑い。

演目の紹介や観客への感謝など、そして右近さんに強要された(?)という「研の會」のDVD(右近さん個人の会)の宣伝ありと手短でわかりやすくまとめていました。


一、金閣寺

舞台装置が華やかで歌舞伎らしいながら、長い話の一部なので背景が頭に入ってないと難しい面もあるお話。
雪姫の梅枝さんをはじめとして、松永大膳の又五郎さん以外は慶寿院も新悟さんと若手配役で金閣ぐらいまぶしかったです。
そして、雪姫と直信の別れる場面の切なさからの現実感のない大量の花吹雪とかファンタジー100%。
全員が良かったですが、特に真柴久吉の歌昇さんと佐藤正清の種之助さんが実はものすごい計略をしている雰囲気があってよかったです。

二、連獅子

松也さんの親獅子と右近さんの仔獅子、年齢が親子ほどは違わないので「親っぽさ」とか「仔らしさ」の演技が強調されて見える感じですね。

宗論の國矢さんと玉雪さんも舞台を引き締めてました。

後半の獅子になってからは迫力しかないというか、若手の連獅子らしい勢いが舞台からはみ出してました。


若手だから足りない部分もあるんでしょうけど、若手らしい良さみたいなものが感じ取れた舞台だと思いました。


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by iwanagahime | 2017-02-25 22:28 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


シネマ歌舞伎『阿古屋』

阿古屋[画像]
現在では演じられるのは玉三郎さんお一人という阿古屋のシネマ歌舞伎版ですが、玉三郎さんも公式サイトで述べられているように動きの少ないお芝居ですのでシネマ歌舞伎には向かないかと思っていました。
私も実際の舞台も見た事がありますが、演奏の場面では舞台と客席の空気のようなものも影響しているイメージでしたし。
しかし、その空気は舞台を作り上げていく過程を映像として見せる事でカバーしている感じで、ドキュメンタリー映像と実際の舞台映像を続けて見る事で積み上げられていた緊張とその結果として美しいものが出来上がるという実現を見せているようでした。
鬘や衣装、楽器の用意や大道具や照明、そして出演者の全員。
竹田奴の一人一人とその指導にあたるベテランの菊十郎さんの映像は、舞台では面白いものとして見える竹田奴だからこそ真剣に作っている姿が見ごたえがありました。

そして出来上がった舞台は玉三郎さんの一瞬一瞬が全て阿古屋として美しく、景清を想いながら景清の行方を知らない悲しさがこもった演奏でした。
その心を見抜く重忠の菊之助さんも音楽から心を見抜きそうな雰囲気がして、すっきりした重忠でした。
亀三郎さんは残酷な台詞を言いながらもどこかコミカルな岩永を、人形だからこそ出る人間味を感じさせつつ演じていました。

全国での上映は終わっていますが、シネマ歌舞伎ですのでまた上映される機会もあるかと思います。
そして、玉三郎さんに続く阿古屋が出る事を願っています。

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by iwanagahime | 2017-01-28 23:34 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


幕見から幕見

松竹座と国立文楽劇場は地下街を通れば退屈せずに徒歩で行ける距離なのですが、今月はどちらも幕見があるので同じ日に両方で幕見をしてきました。
まずは松竹座
石切梶原[画像]
橋之助さんが芝翫さんになられるという事で、松竹座での襲名披露。
梶原平三誉石切を見ました。
襲名披露では配役が豪華になるもので、たまに豪華すぎてバランスが何だか~という事があるのですが今回はそれがなく、全てを見通す目と名刀に対する礼儀正しさのある武士らしい芝翫さんの梶原に偉そうだけどちょっと色々と見る目がない鴈治郎さんの大庭三郎、そして何か事情がありそうな東蔵さんの六郎太夫と児太郎さんの梢の親子を中心に、作りこまれたキャラクターがとてもわかりやすく話が頭に入りやすい感じでした。
(試し斬りの後、六郎太夫が生きているとわかった時の嬉しい音楽が「斬れてない」事に気付いてストップするあたりも)
彌十郎さんが剣菱呑助というのが襲名興行っぽかったですが。
親子の事情も刀が本当に名作かも何もかもお見通しで刀にも礼を尽くす梶原と、見ただけでは刀がわからず試し斬りを要求し、それに対して自分の命を投げ出そうとする六郎太夫を「金がほしいのか」と事情もわからない大庭三郎の対比がしっかり見られるので登場人物の状況も気持ちもよくわかるように思いました。

地下街を通って国立文楽劇場へ(天候に左右されないのが地下の良い所)
本朝廿四孝[画像]
本朝二十四孝を見ました。
十種香の段では勝頼と濡衣の任務と心の動きに八重垣姫の恋心という複雑な状況が、豪華な配役で手に取るようにわかります。
また、八重垣姫の「許婚の肖像画が美しかったので姫御前の果報者と思っていた」というような内容の言葉に政略結婚でどんな相手に嫁がせられるかわからなかった姫という立場と、幸運にも同世代のイケメンと婚約したと思ったのにそれが世の流れで相手の切腹で終わるという悲しみもわかりやすく、そして肖像画にそっくりの人が現れた希望もまた大人の事情に振り回されてしまうという切なさがあるので、奥庭狐火の段の狐の力でファンタジー入った描写も自然な流れに見えて来るというパワーみたいなものを感じました。

こんな近くに良い劇場が二つもあるので一度やってみたかったですが、ちょうど良い感じに見たい演目が重ならず幕見が出来てよかったです。

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by iwanagahime | 2017-01-14 23:18 | 見たもの周辺 | Trackback | Comments(0)


吉例顔見世興行 第三部

南座顔見世 先斗町[画像]
今年も無事に顔見世に行きました、今年は南座が工事中のため先斗町歌舞練場でしたが道が狭い以外は京都らしい風情もあり顔見世の空気も感じられました。
ただ私が取った席が花道が見えないという致命傷に近い欠点のある席で、それをカバーすべくモニターは設置してあるのですが画質がいまいちな上に花道から舞台に移動する途中で見えなくなる瞬間があるのでここはもう少し席の等級を下げてもいいんじゃないかという席でした。
南座より劇場そのものが小さいので花道も短く、長々と花道で芝居をする場面もなかったのでこの等級だったのかも知れないですが。
舞台そのものはとても良く、三部制で各部の時間が短く物足りないかなー?と思いましたが、引窓と娘道成寺とガッツリ歌舞伎を見た感がある演目でした。

引窓はこの出演者の中でならベスト配役じゃないかというぐらいで、廓の雰囲気を残しながらも良い女房なお早の孝太郎さんに武士の妻としての誇りと、どちらの息子にも愛情があるがゆえに葛藤する母お幸の吉弥さん、そして出世を喜ぶ姿に任務に対する厳しい顔と長五郎と母の過去を知り見せる情と表情がくるくる変わる中に与兵衛後に十次兵衛の気持ちがよくわかる仁左衛門さん、そして大きな体で罪への葛藤と生きてほしいという母とその一家の願いを受け止める濡髪長五郎の彌十郎さんという正直もっといい席を取るんだったという舞台でした。

京鹿子娘道成寺は所化さんぞろぞろではなく、強力二人が出るタイプ。
まいまい尽くしはなく鱗四天がトウ尽くし。

強力の不動坊・普文坊は廣太郎さんと廣松さん。

雀右衛門さんの花子は強い恨みではなく、ふんわりとした華やかさの中に悲しさを感じる花子でした。

劇場の特性か舞台が近く見えたのですが、舞う姿や顔には疲れのようなものは見せないのに普通だと見えない場所で汗が見えたのがものすごく体力を使う踊りだと実感しました。

最後の押戻登場のパートでは顔立ちが180度違うと言っていい海老蔵さんとのコントラストが際立っていて絵として興味深かったです。


いつもと違う劇場でも顔見世の空気、そして歌舞伎は楽しいと思った日でした。


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by iwanagahime | 2016-12-24 23:15 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


中村勘九郎・七之助 錦秋特別公演2016(大阪)

中村勘九郎 七之助 #錦秋特別公演2016 に行きました。
今年は歌舞伎塾と称して、いてうさんと鶴松さんが楽屋入り(普段着)から草摺引の曽我五郎と舞鶴にまでを解説(と、フリートーク)を交えて見せる企画をやっていました。
こういう化粧の様子のような企画は雑誌などではありますが、それでも浴衣姿からというのがほとんどなので楽屋のセットまで組んで普段着からというのはなかなかないです。
「歌舞伎役者の人って普段から着物なんですか?」とか「コンビニ行くんですか?」というような事を聞かれますが、普段は本当に普通なんですよ、という七之助さんの言葉通り本当に普通の格好で出てきました。
いてうさんの穏やかそうな顔から勇ましい五郎もなかなかですが、鶴松さんの普通にいそうなちょっと顔のいい男子大学生から女形姿とのギャップは変身レベルでした。
化粧道具や鬘、衣装の意味などわかりやすく面白かったです。
草摺引本編も勢いがあり、血気盛んな五郎としなやかに引き止めようとする舞鶴が良かったです。
そして七之助さんの汐汲と勘九郎さんの女伊達と女形舞踊二種。
汐汲は汐を汲む桶など大き目の道具を使いながらも、柔らかく華やかさの中にも恋人を想う切なさを舞っていました。
女伊達は昔は女形が多く最近は立役が多い勘九郎さんですが、立ち回りなど流石のダイナミックでいながらも愛嬌や艶やかさもある踊りでした。
ちょっとフリートークがフリーすぎる面もありましたが、初心者から見慣れた人まで楽しめる公演でした。
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by iwanagahime | 2016-11-19 22:33 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


芸術祭十月大歌舞伎(夜の部)

歌舞伎座10月[画像]
久しぶりの歌舞伎座です。
初の3階A席だったのですが、運よく最前列だったのでかなり見やすかったです。

一、歌舞伎十八番の内 外郎売

松緑さんの外郎売で、周りも大磯の虎が七之助さんで化粧坂少将が児太郎さんだったり、生改め福之助さんに宜生改め歌之助さんのお披露目のためか若手配役。

そんな中、工藤の歌六さんが舞台をビシッと引き締める感じでした。

フレッシュかつ見応えありで、襲名披露にふさわしい雰囲気でした。


二、襲名披露口上
橋之助さんが芝翫さんになり、ご子息3人もそれぞれ橋之助・福之助・歌之助と歴史ある名前を襲名という事で女形は先代の芝翫さんにお世話になった話、他の方も新しい芝翫さんに対する期待とご子息の未来を祝うベーシックな雰囲気でした。
そんな中、新しい芝翫さんのワイドショーネタを混ぜてくる菊五郎さんがマジ菊五郎さんでした。
また真面目に出演する演目や芝翫さんに対する期待を「親戚として」語っていると思ったら、「親戚一同もよろしくお願いします」とさり気に自分も親戚アピールを欠かさない魁春さんと、「支えて行きたい所ですが、幸ちゃんは大変なしっかり者なので」と誉めてると思ったら「私が体調を崩した時も、効くんだか効かないんだかわからない難しい名前の薬をくれたり」と微妙なネタを披露する梅玉さんの兄弟が面白かったです。

三、一谷嫩軍記 熊谷陣屋

今回は芝翫型という事で花道ではなく舞台の上で「十六年は一昔」の台詞を言うとか、有髪の僧の姿で出家するとか文楽に近いのかな?みたいなスタイルです。

花道であの台詞を言って去っていくと、本当に何もかも終わってしまう感じですが、舞台の上で言うので何もかも終わっているのに出家したとはいえ生きていかないといけない熊谷みたいな悲しみがありましたね。

相模と藤の方って子どもが同い年なぐらいだからそう年は離れてないはずなんですが、今回は中の人が魁春さんと菊之助さんという親子ほど違う配役で、それでも役柄の違いもありますがそんなに離れて見えないあたりが歌舞伎マジックというかそういうものを感じました。


四、藤娘

今回の襲名は先代の芝翫さんが女形なのに対して、新しい芝翫さんが立役のため、先代のゆかりの演目はお世話になった女形の人が演じるという風になっているらしく、藤娘は玉三郎さんです。

前に見た玉三郎さんの藤娘より古風(衣装も)というか、ふんわりした雰囲気なのは先代の芝翫さんリスペクトなのでしょうか?

とにかく最初から終わるまで現実離れしていて、三次元なのが不思議でした。


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by iwanagahime | 2016-10-15 23:58 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


九團次の会

九團次の会[画像]
森ノ宮ピロティホールの九團次の会に行きました。
今の名前になる前の会と違って新作があったり、パンフレットが豪華で花の脇役などの著者である関容子さんのコメントも掲載されていたり。
新作の義士残花抄は忠臣蔵の討ち入りに参加しなかった義士にスポットを当てた内容で、九團次さんは二役。
曽根崎心中の取材という表向きで生き残った義士の一人に取材に行く近松門左衛門と、討ち入りに参加する前に心中をした若い義士でした。
近松の役は年齢よりかなり上の役で、逆に義士は年齢を言った時に軽く笑いが起きるぐらい若い役。
どちらも最初は合わないかなー?と思いましたが、最後は説得された感じの熱演でした。
義士の行動もそうだねー、若いもんねーみたいな。
九團次さんと市川家のお弟子さんだけでなく、秀太郎さんのお弟子さんの千壽さんも相手役で出ていました。
千壽さんは上方の遊女らしい空気感で、お綺麗でした。
太刀盗人も積極的に笑いを取りに行くというよりきっちりした雰囲気でしたが、リズミカルさが際立って面白かったです。
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by iwanagahime | 2016-09-10 23:51 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)


中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露七月大歌舞伎(昼の部)

中村雀右衛門襲名披露[画像]

芝雀さんが雀右衛門を襲名されるという事で、歌舞伎座ではすでに襲名披露が行われていますが関西ではこの松竹座七月大歌舞伎が初めてになります。
演目も昼の部は上方感がある演目が多く、芝雀さんの頃はなかったイメージもあるのが新しい雀右衛門さんなのかなと思いました。

一、小さん金五郎
 実家を勘当されて幇間をしている若旦那と、勘当された原因の芸者が最初に恋仲の二人として出てくるのでこの二人を巡ってどうなるのかなーと思ったらかなりの超展開で、さらにちょっとストーカー気味な女髪結(吉弥さんが怪演、綺麗目の吉弥さんじゃなかったらガチすぎて見れなかったかも)が最後に振られて現代語の恨み言があってぶっ飛んだりとかなりわかりやすく面白いお話。
 それでいて、若旦那が勘当を解いて許婚と一緒になるか、芸者との恋を叶えさせるかで対立する小さんと金五郎の心の動きは孝太郎さんと鴈治郎さんの二人なのでものすごい展開でも付いていける説得力がありました。

二、夕霧名残の正月
 名妓として知られた夕霧の追悼のために作られた演目なので、四十九日の法事をしている扇屋に伊左衛門が訪れて夕霧の魂が現れるという寂しい内容。
 藤十郎さんの伊左衛門が上方感たっぷりに演じます、夕霧が新しい雀右衛門さんですが、芝雀時代はあまりなかった儚いイメージで新鮮な雰囲気でこれも良いと思いました。
 友右衛門さんと秀太郎さんの扇屋主人と女将が舞台を引き締めていました。

三、与話情浮名横櫛
 見染め、赤間別荘、源氏店の三場。
 仁左衛門さんの与三郎はこれぞ与三郎という感じで、見染めのいかにも若旦那な雰囲気から赤間別荘での良くないと知りつつも来てしまう心の動きに源氏店の落ちぶれても若旦那が抜けきっていない様子と全てが与三郎でした。
 雀右衛門さんのお富は、お富に普通は求めるキリッとした雰囲気は物足りない感じがありましたが、それだけに本当は親分のお妾さんは向いていなかったんじゃないかとか、その向いてなさからあんまり強そうじゃないけどマイルドな若旦那によくないと知りつつ恋心を抱いてしまったんじゃないかという妙なリアルさがありました。
 妹感があるお富というべきでしょうか(そういや多左衛門というお兄さんがいるんだった)

 梅玉さんの多左衛門は全てを察しつつその場では明かさず、それとなく知らせたり非常に大きな感じがしました。
 松之助さんの番頭藤八はいつ見ても面白いです。
 歌六さんの蝙蝠安は蝙蝠安の悪い雰囲気はありながらも汚くなりすぎない感じで、何だか見やすかったです。

新しい発見もありつつ、歌舞伎を観にいった充実感はたっぷりの七月大歌舞伎でした。
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by iwanagahime | 2016-07-23 22:58 | 歌舞伎周辺 | Trackback | Comments(0)

    

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