今年の歌舞伎鑑賞教室は仮名手本忠臣蔵の十段目という事で、行ってきました。
「天川屋義平は男でござる」の台詞は有名ですが、なかなか見た事がないという。
解説は中村又之助さん、わかりやすくユーモアも交えて解説していました。
立ち回りの練習に参加した学生さん達が歌舞伎は未経験の日本人と、日本文化に興味があり歌舞伎を何度も見ている留学生の方で、今の日本の伝統文化を取り巻く状況の縮図って感じでしたね。
忠臣蔵の演目の紹介もあり、史実と歌舞伎の関係や十段目に至るまでの流れをさらっと解説して本編へ。
義平が我當さんという事で、殿様に恩があり忠義を尽くしたいけれど武士ではない事から家族を犠牲にする覚悟で商人ながら仇討ちに協力する心意気を感じました。
むしろ、商人だからこその根性というか。
忠臣蔵が新作だった江戸時代の主な観客はやはり商人をはじめとする町人だと思うので、こういう見せ場は受けたんだろうなと思いました。
吉弥さんの女房おそのは「ここで義平のもとに戻っては忠義の妨げになる」とわかりながらも、実家に帰ったら強欲な父に他所の家に嫁がせられてしまうという事からどうしても義平と子どもに会いたいと来てしまう切なさがありました。
おそのは他の家に嫁ぐのは嫌ですし、義平も本当はおそのと別れたくないというのが深ければ深いほどそれを犠牲にする忠義の重さも伝わります。
由良之助の進は、七月は松王丸で頑張ってください。
丁稚で吉太朗くんが出ていて可愛かったです、はきはきしてましたし。
歌舞伎は観ていて楽しいものだという事を、改めて思いました。
一 歌舞伎へのご案内
解説 中村又之助
二 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
十段目 天川屋義平 内の場(あまかわやぎへい うちのば)
【出演】
天川屋義平 /片岡 我當
女房おその /上村 吉弥
大星由良之助 /片岡 進之介