平安神宮で!歌舞伎!
しかも玉三郎の楊貴妃!という事で、夏が苦手にも関わらず行ってきました。
結果としては良かったですが、途中で後悔しそうな場面がちらほら(もちろん原因は玉さまではないのですが)
演目と配役はこんな感じ
『船辧慶』
静御前・平知盛の霊 坂東玉三郎
武蔵坊弁慶 坂東功一
源義経 花柳昌克
船頭 坂東玉雪
『楊貴妃』
楊貴妃 坂東玉三郎
方士 花柳寿太一郎
本来は歌舞伎を上演する場所ではないというか、舞台がある場所ではないので特設ステージだったのですが照明器具などをセットする柱が武骨な鉄筋みたいなもので、ライブだといいのですが歌舞伎だと雰囲気が合わないと思いました。
あと、客席が段差があまりなく平坦な場所にだだっ広く配置しているので後ろだと見えにくすぎました。
もうちょっと何とかしてほしかったです、ロケーションと舞台は最高なので。
開演前にお払いがあって、これが神宮での公演である事を実感しました。
『船弁慶』
玉さまはもちろんなのですが、弁慶の功一さんと船頭の玉雪さんが印象に残りました。
功一さんに対する私のイメージは「無駄にイケメン」なのですが、今回はあまり無駄じゃなかったです。
玉雪さんの船頭も声がよくて、あの一行が乗っている船の船頭らしかったです。
それと、屋外ならではなのが夕暮れから完全に日が沈むまでの天然照明演出でした。
夕暮れの寂しさの中で舞、義経と別れる静御前。
そして、闇の中から現れる知盛の霊。
様式美とリアルの入り混じった、独特の世界でした。
知盛で隈取をしてからの楊貴妃なので、時間がかなりあって市長さんの話もありました。
なかなか面白い話もあり、京都の意気込みを感じました。
『楊貴妃』
夜の闇に浮かぶ平安神宮、そして楊貴妃の舞。
この舞踊での楊貴妃はすでにこの世の人ではなく、玄宗皇帝の思い出とともに仙宮で暮らしています。
以前に見た南座での蘇州昆劇院バージョンも華やかで良かったのですが、仙宮とはここかというような雰囲気でした。
最初に演目を聞いた時は平安神宮だからもっと和風な方がいいんじゃ?と思いましたが、楊貴妃の白に金糸で飾られた衣装や髪飾りが輝いていたので闇に映えて美しく、またゆったりした舞と風になびく衣装が合っていてまさにこの公演ならではだと思いました。
幻想美というものを体現していました。
カーテンコールがあったので、観客は自然とバラバラに退場する形に。
何やらうるさい観客がいましたが、仙宮の住人には関係の無い事なのでしょう。
最後まで優美な楊貴妃のままのカーテンコールでした。