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私邸周辺


當る辰歳 吉例顔見世興行・昼の部

今年の最後のブログ記事は先週に行った顔見世の件という事で、今年も一年ありがとうございました。
来年も気が向いたらよろしくお願いします。

さて、顔見世の感想本編に入る前にですが先々週の記事で書いたカレンダー付き前売り券は無事に買えました!!
しかし南座の売店では玉三郎カレンダーが売り切れていたという、まあ24日になって行ったから仕方がない。

今回は三等席でしたが、特に仕掛けのある演目はなかったので舞台が遠くて客席が狭かっただけで見やすかったです。
南座顔見世はいつもより昼の部の開演が早くて夜の部の終演が遅いという長丁場なので、昼の部はお弁当を買える場所が少ないというデメリットがあるのですが、錦市場でお惣菜屋さんの惣菜セットとお米屋さんのおにぎりを買って解決。

そんなこんなで感想本編、演目とあらすじは運がよければこちら



一、寿曽我対面
一応は従兄弟ズ3人の共演ですが、真ん中の五郎と十郎が愛之助&孝太郎で工藤は我當さん。
我當さんは声や台詞は迫力がありますが、やはり脚があまり具合が良くないようで心配です。

愛之助さんと孝太郎さんも段々コンビって感じになってますね、七月の梅王丸と桜丸も良かったし。
松王丸の事は聞くな。

大磯の虎と化粧坂少将は吉弥さんと壱太郎くん、美人系と可愛い系のコントラストが出て華やか。
舞鶴の秀太郎さんも画面が引き締まって、若手からベテランまでずらっと豪華な幕開けでした。

二、お江戸みやげ
関西ではあまり見ない三津五郎さんの女形、翫雀さんのおばちゃんコンビがしっかりもののお辻と大らかなおゆうという何かが起きそうな感じ。
田舎から行商に来ている二人、台詞では自分達の事を「ばあさん」と言ってますが、現代だとおばちゃんぐらいの雰囲気なのがわかります。
竹三郎さんのいかにも悪そうな文字辰や、わかりやすく可愛い梅枝さんのお紺に愛之助さんのイケメンの役者(実力も人気もあるのに宮地芝居に出ていて、ちょっと訳ありっぽい)の阪東栄紫とかそのままな配役で見やすかったです。
しかし、愛想が良くて評判のいいお紺とイケメンの栄紫が応援されてるのはともかく、文字辰って常磐津のお師匠さんなのに周りから嫌われすぎてないか。
まあ、栄紫とお紺の仲を裂いてお金持ちにお紺を妾奉公させようとしてるぐらいだし、仕方ないか。

酒飲みの女形(綺麗な吉弥さんがやってるから余計に面白い)にお酒をごちそうしたり太っ腹なおゆうさんと、お賽銭までもったいながるお辻さんなど随所随所で二人の性格がわかるエピソード。
そんなお辻さんですが、おゆうさんにお酒を飲まされて酔った勢いで性格が逆転。
お芝居を観に行って、一目ぼれした栄紫に会いたいと祝儀をはずんで座敷に呼ぶという。
おゆうさんも普段はしかめっ面でそろばんをはじいているお辻さんが、そんな楽しそうな事をしだしたので心配しつつも応援モード。
ところが色々あって「お金がないならお紺と別れろ」と文字辰に迫られる栄紫に、お辻は今回の行商で稼いだお金を全て渡してしまいます。
座敷で少し手を握っただけでいいというお辻と、じれったいおゆう(お酒を飲ませちゃった責任感もあったり)の所に栄紫とお紺が。
ちょっと無理矢理っぽく匿う振りしてお紺を引き離し、栄紫とお辻を二人きりにしてあげるおゆう。
どうしてもお礼がしたかった栄紫は、思い出にと襦袢の片袖をお辻に渡します。
去っていく栄紫とお紺に「大和屋!」とお辻の掛け声。
お辻さんはたった一度の気の迷いといいながら、この思い出を一生のお江戸みやげにするのでしょう。
栄紫はファンが何を喜ぶかよくわかっているので、浪花できっと役者として一花咲かせるのでしょう。
お辻が文字辰に渡したお金、十三両以下略。
栄紫の片袖、プライスレス。

三、隅田川
藤十郎さんの名演ですが、時間帯がお昼ご飯休憩の後という事で客席が睡魔との戦場に。
翫雀さんの舟長はおゆうさんに引き続き、いい人の役。
今年の顔見世昼の部唯一の、悲劇らしい悲劇ですね。
子どもの幻影を子役を使って演出するパターンもあるみたいですが、今回はなしなので斑女の前が見た幻影が本当に彼女にしか見えていない悲しさがより深かったです。

四、与話情浮名横櫛
待ってました!!
仁左さんの与三郎は前半のぼんぼんな雰囲気にこっちの羽織が落ちます、着てないけど。
途中であからさまに作り物のタイに「作り物みたい」という場面とか。
そんなぼんぼんが落ちぶれてしまい、スカーフェイスでお富に再開。
時蔵さんのお富は顔が綺麗なのはもちろん、与三郎に再会して色々言われてる時の背中が悲しそうでした。
多左衛門に囲われてるので、本当は何もなくても絶対に信じてくれないのはお富もわかっていて、それでも言わないといられない気持ち。
どこか信じたい気持ちの与三郎と、証拠を見せたお富のラストシーンは必然。
それと、菊五郎さんたまには綺麗な役でも見たいです。

今年もやはり顔見世という充実感みたいなのがあって、全体的にはよかったです。
by iwanagahime | 2011-12-31 20:32 | 歌舞伎周辺

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