2週続けて歌舞伎話ですが、前半をふいにしてしまったので予定が詰まってしまったんですね。
ま、そういう現世の事は置いといて海神別荘です。
私はこれも天守物語と同じく朗読公演は行った事があるけど、実際の舞台では観ていない状態で行きました。
エキサイトシネマ「海神別荘」作品情報
天守物語とは逆で海老蔵さんの公子(こうし、乙姫の弟だそう)が人ではないの海のプリンスで、玉三郎さんが人間の美女。
人間とそれ以外の男女が逆というだけでなく天守物語では人間の図書之助もかなり人間の世界では生活しづらそうなちょっとずれた人という印象でしたが、この美女は海に沈められる事を恐れていなかったりと前向きではあるものの生きている事を故郷の人に伝えたいというあたり人間の世界で普通に暮らしていた印象。
公子も天守そのもののような富姫と違って、随所随所で姉の乙姫様の方が一枚上手な感じだったり、ちょっと幼い感じ。
朗読公演では玉さま公子も良かったですが、やっぱりヴィジュアル化すると海老蔵さんだろうなと思いました。
公子は海の世界の常識で生きているだけで、決して残酷な事をしている訳ではなく無邪気に遊んだり美しいものと暮らしているだけという雰囲気がギリギリのラインで出てました。
乙姫様の用意した手にした者の知識によって文字が浮かぶ本が読めない場面や侍女と遊ぶ場面など、一歩間違うとアホの子ですが高貴な無邪気さに見えましたし。
かなり強引にハッピーエンドになる展開も、妙な説得力がありました。
それと、衣装も舞台美術も別世界の中で笑三郎さんが古風な雰囲気で歌舞伎感が出てました。
その舞台については賛否はあると思いますが、ファイナルファンタジー育ちの私としては天野喜孝ワールドを完全立体化した歌舞伎座の大道具さん・小道具さん・衣装さんにありったけの賛辞を送りたいです。
そして、その衣装を着こなしている海老蔵さんと玉さまも素晴らしすぎる。
今回はそんな舞台も見せたかったのか、天守物語より舞台全体を見渡すカメラワークでよかったです。