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アマテラスは南座での過去2回は観ていますが、松竹座では初めてです。
最初の南座では玉三郎さん以外は全員が鼓童のメンバー、
前回の南座ではアメノウズメ役に元宝塚歌劇団の愛音羽麗さんが加わり、今回はさらに元OSKの客演がありさらに華やかになっていました。
スサノオは前半の公演では前回と同じく小田洋介さんだったのですが、私が観た後半は石塚充さんでした。
ワイルドさという点では小田さんの方でしたが、石塚さんのスサノオには悪意なく母恋しさで海を放棄してしまい、衝突の末アマテラスが岩戸の向こうへ行ってしまった後は、闇に放り出され太鼓を打つ姿に孤独と戸惑いを感じました。
その相手役の変化もあるのか、今回のアマテラスとスサノオの戦いの場面は慈愛を持って接してもスサノオに通じなかったアマテラスの悲しみというか、太陽神としての力を持ってしても弟一人の説得も出来なかった事から岩戸の向こうに閉ざされて行くアマテラスというような想像もしました。
台詞がないだけに、こういう風に一つの場面が色々と受け止め方が変わっていくのもこの舞台の特徴にも思います。
アメノウズメの踊りと神々の太鼓によって岩戸が開き、その後の巫女の舞いも加えた祝祭のような場面も一人一人を見守るようなアマテラスが印象的でした。
和太鼓のプリミティブさと芸術性を併せ持つ鼓童と、日本の神話の組み合わせの良さというのを改めて感じました。