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私邸周辺


シネマ歌舞伎 東海道中膝栗毛<やじきた>

奇想天外!お伊勢参りなのにラスベガス?!
でも充分意味がわからないのに、弥次郎兵衛 喜多八 宙乗り相勤め申し候という事で何が書いてあるか単語単語はわかるのに全体を読むとまったく意味がわからない事が書いてあり、実際に見た人のレポを読んでもわけがわからなかった東海道中膝栗毛がシネマ歌舞伎で登場という事で行ってきました。
染五郎さんと猿之助さんでこのノリだと初心者にも取っ付きやすい、敷居の低いものだとは思っていましたが、敷居が高いと思ってまたいだら上からたらいがドリフのように降ってきた感じでした。
何しろ最初に舞台上に芝居小屋があって春猿さんの静御前と猿弥さんの忠信で吉野山をやっていると思ったら、黒衣が色々なものを渡しそびれたり、座る用意を忘れて静御前がひっくり返ったり、まさにオール歌舞伎キャストによるドリフ歌舞伎コントで、その失敗ばかりの黒衣が実は弥次喜多の二人!
そしてひどい失敗ばかりの舞台にスキャンダルのにおいをかぎつけた読売屋の名前が文春(ふみはる)という、かなりスレスレな笑いに満ち溢れてました。
弥次さん喜多さんのダメ人間さも上手くキャラ分けされていて、基本的に悪い人じゃないけど天然で何をやっても失敗ばかりな弥次さんと、ぱっと見は弥次さんより頭が回ってしっかりしていそうなのに積極的に悪い方向に向かう喜多さんという雰囲気で、絶対にこの二人で旅をすると何かが起きるという予感しかなかったです。
いい大人なのに駄目駄目な弥次喜多の二人と対照的に、立派な志を持ってお伊勢参りに向かう子どもの主従の梵太郎と政之助がそれぞれ染五郎さんのご子息の金太郎くんと、猿之助さんの親戚である團子くん(中車さんのご子息)だったのですが、この二人が明らかにシリアスで漫画だったら絵柄が違うんじゃないかというぐらいの感じだったのが面白かったです。
文春(ふみはる)は回り舞台を利用したキャラクター紹介でもノリノリでキャラクターの名前とキャッチフレーズを紹介していて大活躍だったのですが、シネマ歌舞伎ならではの演出としてキャラクターの紹介のときにアニメっぽいストップモーションになってキャラクターをあらわす小道具が描かれていたりシネマならではの演出もあって、こういう笑いを取る作品だとどうしても生の空気とは違ってしまう部分を上手く再構築している感じで出来る人が本気で笑いを取りに来たのがわかりました。
それなのに、ラスベガスでなぜか獅子王をやるはめに陥った弥次喜多が獅子を演じた時は顔は弥次喜多なのに本気の毛振りで迫力があるのがなんともまた(最後はオチが付きますが)
実は化け物だった女役者の十六夜が歌舞伎っぽい名乗りをしている横で弥次さんが「何言ってるかわかんねぇ」と言ったり、そろそろ弥次喜多より子ども主従が真面目というのが定着したあたりでラマンチャやヤマトタケルの台詞が混ざっていたりと油断できない面白さ。
観終わって思ったのは、一ヶ月間このテンションを維持し続けた出演者の皆さんの素晴らしさでした。

東海道中膝栗毛<やじきた>

by iwanagahime | 2017-06-10 22:09 | 歌舞伎周辺

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