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怖い絵展

9月18日までの兵庫県立美術館『怖い絵展』に行きました。
中野京子さんの著書『怖い絵』のシリーズは文庫版の一冊しか持っていませんが、見てすぐわかる怖い絵から説明されてはじめて怖ろしくなる絵など様々でした。

神話、歴史など題材ごとに展示がわかれていて、神話では美しい女神と美青年の綺麗な絵だと思っていたら女神ディアナが愛した美青年エンデュミオンは人間なので年を取ったり亡くなったりしてしまうからとそうならないように別の神に頼んで永遠の眠りで姿が変わらないようにしたとか、どれだけ顔ファンなんだ女神という怖ろしい絵だったりしました。
同じく神話に題材を取ったオデュッセウスとセイレーンも、海にいる時は人魚なのが船によじ登って行くとともに人間の姿になるセイレーンの不思議さもさることながら、それを見たオデュッセウスの目が見えてはいけないものが見えている人の目で、これを描ききっている怖さもありました。
他にも悪魔や魔物や骸骨に地獄などわかりやすく怖ろしい題材もありましたが、貧困や悪事を働く人々など憂鬱になる怖さのものも多かったです。
そして、目玉作品のレディ・ジェーン・グレイの処刑は高貴な生まれだったがゆえに時代に翻弄されて処刑に至ってしまうわずか16歳の女王の悲劇を描いたものですが、侍女達の嘆きや聖職者や処刑人の暗い表情と全体的に暗い色調の中に目隠しをされながらも白いドレスで清らかで光り輝くような若い女王の姿と、想像される数秒後の惨状がリアルなタッチだからこそ「手が届きそうなのに何も出来ない」というその場に居合わせたような気持ちがかきたてられる名作でした。
同じ歴史を題材にした絵では、チャールズ1世の幸福だった日々という絵も美しい王妃とかわいらしい子ども達と優雅に舟遊びをする幸せそうな国王という明るい場面しか書いていない絵だけに、タイトルの“幸福だった”という過去形と清教徒革命でチャールズ1世が処刑されたという歴史が重くのしかかってくる絵でした。

ベルギー奇想の系譜展で気に入ったロップスの悪魔との再会や、叫び以外のムンク作品も多く見られ、目玉のキルケーやレディ・ジェーン・グレイにも見ごたえがありました。

暗い作品が多いだけに、妙な明るさのある子供向け鑑賞ガイドやグッズ展開が何だかクレイジーでした。

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by iwanagahime | 2017-09-09 23:58 | びじゅつ

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