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ブリューゲル「バベルの塔」展

10/15まで大阪の国立国際美術館で開かれているバベルの塔展に行きました、こちらはベルギー奇想の系譜展と違って東京が先ですね。

ブリューゲルの絵画がメインという事で、版画などはベルギー奇想の系譜展とかぶっているものが多いのかと思いましたが同じブリューゲルでもベルギー奇想の系譜展では七つの大罪が七つとも揃っていたり、怪物など妙なものが画面を所狭しと埋めているものが多く、バベルの塔展では怪物以外にもスケート場の様子や農村の結婚式や祭りなどの人々を描いたものが多く展示されていました。
全体的にはベルギー奇想の系譜展がボスから現代美術までとすると、バベルの塔展はボス以前のネーデルラント美術からブリューゲルまでという感じでした。
最初は聖人の彫刻があり、聖書の場面を表現するために複数の聖人の像が教会にあったのが散逸して作者がわからなくなったりと仏像でも聞いたような話がありどこも世知辛かったです。
作者がわかっている数少ない像も展示されており、細やかで聖人の事をよく知らなくても雰囲気が伝わるようでした。
次に聖書の一場面や聖人の物語を描いた絵画がありましたが、個人の礼拝のために作られたものが多く、教会に大きな絵画がドーンというよりは普通の部屋に飾れるサイズのキリストや幼子イエスとマリアなどの絵が多かったです。
教会に飾られたものも聖書の場面を物語風に複数の絵に分けて描いた物があり、そうやって物語をわかりやすくするためか聖人を普通の周りの人と同じ大きさで描きながら持ち物や服装などで特徴付けていました。
また、小さな絵ほど宝石や髪型や服装の表現が細やかで、キリストの頭部という絵も小さいながらこちらを見つめるかのような眼差しや宝石の細やかさが目を引きました。
イエス・キリストというと現代の日本人には聖☆おにいさんのイエスのように長髪のイメージですが、そのイメージもこの時期のネーデルラント美術で確立したそうで、それがなければ聖☆おにいさんのあの二人のコンビ名もパンチとロン毛でなかったかも知れません。
聖書の一場面を描くものが続きますが、それぞれ聖人の受難を巡る人間ドラマであったり崩壊する街の風景だったりと描きたい題材を基準で聖書の中から合うものを引っ張り出した感じもありました。
そしてボスの怪物ブームが起きるのですが、聖クリストフォロスの絵などはメインの幼子イエスを背負って川を渡る聖クリストフォロスの姿だけでなく後ろにドラゴンや花瓶ツリーハウスに住む謎の小人がいたりと謎の怪物が出現しまくっていました。
もう一つの放蕩息子も祭壇画にしては謎すぎる題材ですし、ブームを現すかのように似たような怪物をぞろぞろ描く人も現れてカオスでした。
ボス本人がいなくなった後にブリューゲルがデビューするのですが、「第2のボス」的な売り方をされていたのも何だか今でもありそうな。
ここまでの小さな祭壇画の細かい描き込みやボスの怪物、聖書の物語と言いつつ人間ドラマや風景を描いているのを見ているとブリューゲルの描く色々なものがネーデルラントだから生まれたように感じる展示の流れでした。
バベルの塔も大きさとしては新聞を広げたぐらいのイメージなのですが、とにかく細かい描き込みが凄くて存在感というか絵から圧力のようなものさえ感じました。
引きで見てもバベルの塔と地平線にかすむ風景との境目など、ダイナミックさがありますし、細かく見ていけば見ていくほどバベルの塔の建設作業現場で漆喰まみれになって働く真っ白になった作業員や真ん中あたりの礼拝堂に並んでいる人々(中には貴人もいるらしく、天蓋のようなものも)や手前の畑や奥の港の船で働く人々の姿が見えてきます。
また、バベルの塔の上層部で続いている建設作業がレンガの建築様式をリアルに再現しているので人間の傲慢さというよりは努力や生活というものが溢れていました。
最後のあたりに3倍に拡大した複製画や、CGで表現した映像などがありましたがどれだけ細かく見ていっても「細かい描き込み」である事が感じられる凄まじい絵でした。

物販エリアはTower of BABELをもじったTowel of BABELや、怪物グッズにバベルの塔の飛び出すカードなど楽しげなグッズが盛りだくさんでしたが、魚の絵がモチーフのタラ夫という謎のキャラクターのフォトスポットが脱力感がありました。

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by iwanagahime | 2017-09-23 23:04 | びじゅつ

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