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私邸周辺


江戸の戯画

大阪市立美術館の江戸の戯画を見に行きました、鳥羽絵や鳥獣戯画(写し)から暁斎まで。
期間が長いので後でと思っていましたが目当ての国芳の金魚づくし9点が揃うのが13日までで、12日と13日は予定があるので絶対に混むとわかりながら連休中に行きました。
案の定混んでいましたが、擬人化とか怖そうな題材でゆるい絵とか、高画力で駄洒落とか江戸時代を中心に今でも笑える要素満載でした。
前半の耳鳥斎の地獄絵図は「地獄」ってより「じ~ご~く~」ぐらいのゆるさで、職業別に地獄の様子を描いているのですが、歌舞伎役者の地獄は大根と一緒に煮られていたり、その表情もゆるかったり。
それでいて忠臣蔵など歌舞伎の場面や役者絵の線が少ないのに何の場面かわかる感とか、年中行事で人々の生活がほのぼのと描かれていたり簡略化が良い感じでした(似顔絵系は当時の人ならもっと面白かったんだろうなあ)
北斎はやはり迫力があり、ちょっとした場面の躍動感がすごいのに駄洒落の絵だったり、やけどを治療しようと軟膏を作って塗ろうとしたら出来立てすぎて熱くてやけどがひどくなってる絵だったり、天女が豆腐を焼いてたり。
北斎漫画は色々な人間の動きや表情をサンプル的に絵にしているのですが、それが変顔だったり強風の中であわてる人々だったりもするので何だか面白かったり。
国芳の金魚は期待以上で、金魚の町の料理屋が「みじんこ」料理の店だったり、全体のかわいさもですが細かい部分で擬人化金魚の生活感があるのがよかったです。
一緒に展示されていた擬人化されていない金魚も陶器の欠片に群がっている感じに表情があり、金魚という生き物に対する国芳の視線を感じました。

国芳は他にも亀の顔を歌舞伎役者にした絵が斬新すぎて売れなかったとか、猫で東海道五十三次とか楽しい絵がたくさんありました。
吉原が火事で一時的に廓の外での営業が許可されていた時期は、ちょうど遊女の絵が禁止されていた時期だったそうで、廓の外での営業をPRするために国芳が描いた絵が文字通りの「吉原雀」だったり、歌舞伎の絵が禁止された時は歌舞伎の絵を落書きした壁を描いたという体裁の絵を出したりと規制にユーモアで対抗する姿勢もありました。
暁斎はイソップ童話とかちょっと西洋文化が入って来た感があって、そんな価値観の入れ替わりや世の中の変化を感じる絵も。
他にも名所図のパロディで風光明媚な名所で橋で転んだ人達や流鏑馬で落馬など、真面目な絵と同じ絵柄だから面白い絵がたくさんありました。

by iwanagahime | 2018-05-05 23:09 | びじゅつ

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