今週は色々あったので、ようやく木曜日にシネマ歌舞伎を観に行きました。
詳細はこの辺→
京鹿子娘二人道成寺 | Excite エキサイトシネマ
前の日高川入相花王と鷺娘は、画面が大きい+何度も気軽に観られる以外にあまりシネマ歌舞伎にする意味を感じなかったのですが、これはシネマ歌舞伎ならでは!という感じでした。
私自身は舞台で観ていない演目なので単純比較は出来ませんが、舞台では絶対に出来ない映画ならではの演出があり、別の表現として面白かったです。
菊之助さんと玉さまが花子と桜子ではなく、二人とも“白拍子花子”である以上はどちらも白拍子花子=清姫なのですが、舞台では菊之助さんが出ていた場面でも一瞬だけ玉さまだったりと、より入り混じった不思議な感じ。
(その一瞬だけ玉さまの映像は、おそらくNHKが撮影した南座の顔見世あたりの映像。最近の映像なのが良心的)
道行でスッポンから登場しているのが玉さまの花子でもあるし、どちらかというと菊之助花子=実体で玉さま花子=情念という雰囲気なんでしょうか。
あるいは菊之助花子で玉さま清姫というか、白拍子花子が実は清姫の霊であるという最初から二重の存在なのが二人で花子を演じる事によって具体化しているというか。
そして、それを映画にする事により二人の花子が一人の存在である事がわかる感じ。
とにかく、二人の花子が美しい幻想に連れて行ってくれました。
余談ですが所化さんの“舞尽くし”で言う「お客様は神様です」の起源、あれ信じてしまっている人がそろそろ出そうな気配。
本当は三波春夫が元ネタですよね?もうあれ、一種の型なんでしょうか…