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私邸周辺


松竹座:初春大歌舞伎(昼の部)

21日に松竹座に行って来ましたよ。

当日券で三等席の一番後ろだったのですが、二人連れと二人連れの間にぽっかり空いたような席で観やすい位置でした。

来るたびに思いますが、松竹座は周囲の飲食店が豊富なせいか昼食の弁当と予約の客引きがすごい。
番付はもう写真入になっていて、劇場の紀伊国屋書店(入場しなくても入れる)でも買えるので入手。
舞台写真を買わなければ、入場するまでにほとんどの物が買えてしまうので後はゆっくり出来るのが松竹座のいい所。

しかし、一応は「初春大歌舞伎」と銘打っているのだからもう少しめでたい雰囲気の演目はないのか。
『葛の葉』は子別れだし『佐々木高綱』は世の中が嫌になって出家するし、何とか明るい『芋掘長者』でめでたくなったと思ったら、最後は『沼津』だし…

まあそろそろ感想本編に入るんで、演目と配役・みどころはここの真ん中ぐらいを参照。



『葛の葉』扇雀さんが葛の葉、早変わりや狐言葉と泣かせるのを同時にしないといけないので大変な役ですね。
しかも本物の葛の葉姫(独身女性)と、狐葛の葉(保名の妻で子持ち)を瞬時に切り替えないといけないのでそのコントラストも出さないといけないし。
早変わりは見事すぎて、どちらかが本当は扇千影(略)

初々しいお姫様なのに保名に俺の嫁扱いされて戸惑う葛の葉と、6年間保名と連れ添い子どもに愛情を注ぐ葛の葉が両方見事でした。
障子に一首したためる時もアクロバット入るのに達筆だし、最後の宙乗りまで目が離せませんでした。

翫雀さんの保名は過去に恋人を失ったショックで物狂いになったようには見えませんでしたが、葛の葉の介抱の成果と考えれば葛の葉に対する気持ちが伝わってきてよかったです。

『佐々木高綱』高綱をはじめとして人物像がそれぞれ弱さを持っていて、リアルといえばリアルなんですが話が重かったです。我當さんがよく響く声で演じているから余計に。
いつもはらはらしながら見る進之介さんですが、今回の定重はそんなに悪くなかったです。
しかし薄衣(高綱の娘)を演じている新悟くんが高校2年なのにすごく良かったので、同じ舞台に立っているとどうしても…
新悟くんは高綱の娘で定重の許婚で高貴な女性だというのが、舞台を観ただけでわかりました。
吉弥さんはいつもは女形なのですが、ここでは高綱の元で働く馬飼の子之介で立役です。
父の仇である高綱を許し、高綱へ復讐するためにやってきた姉おみのを止める役ですが、姉のおみのが翫雀なのであまり兄弟に見えなかったというか…吉弥さんは実直な若者の雰囲気がよかったのですが、おみのは復讐のために結婚もせずに高綱を探していたという設定なので、美人じゃないと結婚しなかったんじゃなくて(略)
彌十郎さんは武将よりデカイお坊さんになっちゃってましたが、見ているうちに気にならなくなるのが説得力でしょうか。
それと、斜め前に座っていた女性へ。お坊さんの背負っていたものがランドセルに見えたのはあなただけではありませんよ。

『芋掘長者』長者の娘・緑御前に踊りの上手い婿を迎えるため、踊り比べをするという設定がすでに面白い。しかも、踊りが下手なのに緑御前に会いたいためにやってきた芋掘りが三津五郎さん。踊りが上手な三津五郎さんがわざと下手に踊るから、文句なしに面白かったです。
ところで、途中で「そんなの関係ねぇ」っぽい踊りがあったのは気のせいですか?
橋之助さんは主人公の友達というポジションが多いような、芋掘りの友人で踊りが上手い人ってどういう人なのかはわかりませんがいい人なのは間違いないです。
扇雀さんも自分に会いたさに踊りが下手なのにやってきて、芋を掘る動きを面白く踊った芋掘り
を婿に選びそうな長者の娘の感じが出てました。

『沼津』我當さん、藤十郎さん、秀太郎さんという大顔合わせ。
前半のお気楽さと後半の悲劇のコントラスト、親子・兄弟と知ってからの心の動きは見事でした。
三等席だったので、客席を歩く場面は少し寂しかったですが。
秀太郎さんは芯のある女性の雰囲気が良くて、お米もすべての行動が繋がっている感じがしました。
藤十郎さんは女好きの若者だけど年寄りに優しいというか、ちゃんと若者感があるのがいつもながらすごいですね。
我當さんは親の強さ弱さ切なさみたいな、そういう平作の親であるがゆえの悲しさが全面から伝わってきました。観るだけで全親不孝者が反省する事でしょう。あ、進(略)

まあ初春から悲劇だらけでしたが、見ごたえがあって歌舞伎を観たという充実感はありました。
そして高校生の新悟くん、彌十郎さんの息子さんなので女形としては身長が問題になるかも知れませんが何とかなってくれそうな力というか伸びてくれそうな勢いを感じました。
将来が楽しみです。
by iwanagahime | 2008-01-25 21:38 | 歌舞伎周辺

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