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私邸周辺


カテゴリ:歌舞伎周辺( 149 )



松竹座:十月花形歌舞伎(夜の部)夏祭浪花鑑

先月、松竹座であった十月花形歌舞伎に行ってきました。
いわゆるラブリン(愛之助さん)主演という事もあって、連日大賑わいの模様。
向かいのたこ焼き屋さん、くくるの倍返したこ焼きにも行列が。

本編にもあのドラマのネタがありました、配役などはこの辺

今回は歌舞伎でよく上演される幕の他に、序幕のお鯛茶屋の場と二幕目の内本町道具屋の場と横堀番小屋の場があり、より登場人物全体がわかりやすくなっています。

お鯛茶屋の場では磯之丞と琴浦がちゃらちゃら遊んでいる場面から始まり、家に帰るよう説得するためにお梶が人を雇って「遊びが過ぎて落ちぶれた男の話」を見せて成功します。
この時に雇われて落ちぶれた男の役を引き受けたのが一寸徳兵衛で、住吉鳥居前の場より以前のどこでどうやってお梶と徳兵衛が出会ったのかがわかったり、磯之丞はアホだけど素直という事もわかります。

壱太郎さんのお梶はしっかりものの奥さんという感じでハキハキしていい雰囲気で、亀鶴さんの徳兵衛はパッと見は悪そうだけど義理堅い感じでした。
あ、薪車さん磯之丞だから白塗りイケメンの役なのに最後まで生きてた。
イケメンだけどアホの役だからか?

お梶のアイディアと徳兵衛の演技が功を奏して磯之丞が帰宅したものの、琴浦に横恋慕する佐賀右衛門が主君にある事無い事を吹き込んで磯之丞は勘当されてしまいます(遊んでたのは事実だもんなー)
なのに駕籠に乗ったりボンボンの時の癖が抜けてない磯之丞、これで偶然釣船三婦に会ってなかったら駕篭かきにボコボコにされてたのでは。
釣船三婦が翫雀さんなのは意外でしたが、普通のおっさんだと思ったら強い!みたいな意外性があってこれはこれで良いかも?と思いました。

その後も雇われて琴浦を佐賀右衛門に渡そうとしていた徳兵衛と団七が喧嘩したら、お梶が出て来て同じ人に恩があるとわかって磯之丞を守るために協力する事になったり色々と運が良すぎるのですが、この運の良さのぶり返しが後半に来るのかなあ……
愛之助さんの団七は男前な中に大阪っぽさもあって、むっちりした感じが魚屋さんの団七っぽかったです。

身を隠すために道具屋で偽名を使って働いている磯之丞、店の娘とイイ感じに……っておい!
とは誰でも思うところで、本業の魚屋として出入りしている団七も一言注意しています(そういえば、この場面がないと団七が魚屋さんしてる姿って見られない)
娘の件はともかく真面目に働いてお金を稼ごうと頑張る磯之丞ですが、店の娘と結婚して跡取りになろうとしている番頭や磯之丞が邪魔な人には目障りなので、掘り出し物の香炉を巡るやり取りの中で五十両の損失を背負わされてしまいます。
しかも、それに団七の義父である義平次も絡んでいるという。

五十両の件で騙された事に落ち込む磯之丞を団七が自分も徳兵衛も付いているから安心するよう励ましますが、頑張ったのに結局は団七達にかけた迷惑が増えただけになってしまって落ち込む磯之丞。
自分が付いてるから安心するよう言われると、余計にその親切が痛いというか助けてくれる人達の負担を減らそうとして斜めに滑っていった後悔が顔ににじむ磯之丞。
決して悪い人じゃないし彼は彼なりに頑張ったとわかります、アホだけど。

しかし、横堀番小屋で自分を騙した犯人を手にかけてしまう磯之丞。大阪にはいられない事に。

道具屋の娘の件や、なぜ磯之丞が大阪にいられないのかがわかりやすいので釣船三婦内の場の理解が深まりました。
そりゃあ、美人の若い人妻には磯之丞を預けられないですよね。
しかし、お辰は顔に火傷してまで磯之丞を預かります。
吉弥さんのお辰はキッパリしていて「まさにお辰!」という感じでものすごいスッキリしました、この話で一番カッコいいのはお辰かも。

無事に磯之丞を逃がしたと思ったら、また邪魔が入ってこれまで経を読んで大人しくしていた三婦が「倍返しだ!」と怒りモードに(出た!ドラマの台詞!)
そして竜の模様の入った着物に着替えて喧嘩に出ている間に、義平次が琴浦を連れ去ってしまいます。
戻ってきて様子を知る三婦・徳兵衛・団七、喧嘩が上手く行ってご機嫌なところから義平次が琴浦を駕籠に乗せて行ったと知った時の団七は迫力がありました。
そしてあの長屋裏の場へ……

前半では偶然に助けられましたが、後半では偶然に刀が義平次の首に当たってしまって惨劇に繋がります。
それまでは強欲な義平次と何とかしたい団七のやり取りはユーモラスでもあっただけに、悲劇がより強く感じられます。

昔は自動車もなかったので悲鳴などがあればすぐにわかりそうですが、祭の日で賑やかなのが良かったのか悪かったのか。
血と泥を洗い流し、祭に紛れて逃げていく団七。

助けられてるだけでは申し訳なくて、何とかしようとしていたのに逆に状況が悪くなってしまった磯之丞。
磯之丞と琴浦を助けるために義平次に嘘をつき、偶然から凶行に及んでしまった団七。

そして、団七が手にかけたのが舅ではなくするためにお梶に不義を仕掛け縁切りに向かわせる徳兵衛。
その思いを受け止め縄に掛かろうとしますが、徳兵衛に縄と見せかけて路銀を渡され、逃げる決心をする団七。
最後の大屋根の場まで、迫力と人の情というものがたっぷりと詰まった舞台でした。

演劇
by iwanagahime | 2013-11-02 23:13 | 歌舞伎周辺


アマテラス

南座で『アマテラス』の再演があったので、行ってきました。
以前の公演にも行っているので、その時の感想はこちら(記事タイトルがちょっとイタイ)

再演という事であらすじなど大きく変更はないのですが、鼓童メンバーも入れ替わっていますし、今回はアメノウズメに元宝塚歌劇団で男役をしていた愛音羽麗さんが加わって新しいアマテラスになっています。
スサノオは以前と同じく鼓童のメンバーさんなのですが、小田洋介さんという前回より若い方で髭に長髪とワイルドなイメージ。

開演前から舞台中央に大太鼓が置かれ、それが太陽のように照らされていてこれから太陽の神の物語が始まるんだという雰囲気を盛り上げていました。

そして、大太鼓の後ろからアマテラス・ツクヨミ・スサノオの神々が登場するので驚きました。

前半はアマテラスが高天原で機織りをしている様子などの踊りがあり、ゆったりとした場面が増えたのでスサノオとの対比がより強調されているように思いました。
また、荒れ狂うスサノオにアマテラスが海を表した青い布を渡したり肩にかけたりするのですが、それを何度も何度も拒否する事でスサノオが海を司る事を拒否している事が分かりやすく表現されていました。
アマテラスの光を表した布と青い布が交差したり、数が減ったり増えたりする事で戦いの場面もわかりやすくそれでいて華やかになっていました。
アマテラスがなだめるように言い聞かせるように、何度も何度もスサノオに青い布をかけても拒否される様子が悲しく、岩戸に引きこもってしまう流れもアマテラスの気持ちが伝わるようでした。

舞台全体に広げられた光の布がアマテラスと一緒に岩戸に隠れてしまうと、世界が真っ暗になってしまい、荒れ狂うスサノオが太鼓を叩き続けてもだんだん太鼓が離れて行き、その太鼓を追ってまた叩く繰り返しがスサノオの荒れてはいても迷う心を表しているようでした。

後半は以前と同じく暗闇に戸惑いながら神々が集まってくる場面から始まりますが、たくさんの太鼓による演奏では太鼓の迫力だけでなく揃った動きの美しさも感じました。
岩戸の前に神々が集まってアメノウズメの踊りが始まります。
愛音さんは男役をしていただけあって、女性の踊りの中ではかなりダイナミックな動きで軽やかな中に迫力がありました。
神がかり的な状態を表す踊りの後、アメノウズメが力尽きて倒れます。
そして岩戸はついに開き、アマテラスが現れ世界は再び光に満たされます。

アマテラスが力尽きたアメノウズメに手を差し伸べると、アメノウズメは再び力を取り戻し踊ります。
この手を差し伸べた時、台詞はないのに「あなたが私を呼んだのですね」のような言葉を感じます。
前半のスサノオとのやり取りもですが、今回のアマテラスは慈愛のようなものを感じます。

光と踊りと太鼓の演奏の中、物語は終わります。

以前と同じくカーテンコールは何度もありました、鼓童の演奏にスサノオ・アメノウズメそしてアマテラスそれぞれ前に出ておじぎをし、満場の拍手でした。

全体的に前回よりわかりやすく、そして迫力より美しさが強調されているように思いました。
それだけに、玉三郎さんの存在を実際の出番よりも多く感じました。

演劇
by iwanagahime | 2013-10-26 23:54 | 歌舞伎周辺


仁左衛門さん休演

今年の顔見世は仁左衛門さんが手術で休演だそうで、右肩腱板断裂が悪化したとか。
代役は愛之助さんが務めるという事です。

仁左衛門さんにしっかり休んで治療に専念してほしいのはもちろん、代役で出演が増えた愛之助さんも体には気を付けてほしいです。
by iwanagahime | 2013-10-05 22:02 | 歌舞伎周辺


何かに似てる

ドラマでの怪演で話題の片岡愛之助さんですが、最近はトーク番組に出る時などの髪型が何かに似ているような気がしていました。
ご本人ブログのこういう跳ねさせたような髪型ですね。

ところで8月に聖人漫画「聖☆おにいさん」の9巻が出たので読んでいたのですが、ユダを見た時に「これだ!」と思いました。
跳ねさせたような髪型なだけじゃないかと言われそうですが、気のせいです。
by iwanagahime | 2013-08-31 20:48 | 歌舞伎周辺


松竹座:七月大歌舞伎(昼の部)

今年も松竹座に行ってまいりましたよ、というか船乗り込みに行ったら舞台も観に行かないと。
まあ、船乗り込みに行けなかったら行けなかったで「船乗り込みに行けなかった分、舞台は観ないと」とか言って観に行く訳ですが。

そういうのはほどほどにして、今月はさっさと感想に移りたいと思います。
公演情報はこのあたり

一、通し狂言 柳影澤螢火
37年ぶりの上演らしく、あまり馴染みのない演目。
柳澤吉保の物語。
主役の橋之助さんは前半の出世願望がありながらも地味に暮らしている弥太郎より、色々なものを犠牲にしながら出世する柳澤吉保になってからの方が似合ってました。
こういう悪いけど影のある役の橋之助さんは好きです。
福助さんのおさめは出世のために犠牲になったようでいて、最後まで強かったです。

しかし何といっても今月は秀太郎さんの桂昌院が素晴らしかったです、やたらと美男子を側に置こうとしたり自分の気に入りの者同士が仲良くなかったら無理に仲良くさせようと理不尽なわがままを言ったりしているのに将軍の生母らしい雰囲気がありました。
その桂昌院のお気に入りである隆光が扇雀さんで、なかなかのイケ住じゃなかった美僧っぷりでした。

綱吉が翫雀さん、決してバカ殿ではないだけに良い様に操られてしまう姿が吉保の恐ろしさを際立たせていました。
ところで綱吉といえば犬ですが、ぬいぐるみの犬を生きているかのように動かすのが何か可愛かったです。
練習したんでしょうねえ、密かに。

お伝の方が孝太郎さん、綱吉の寵愛を受けながら不義を働いているのですが声が可愛いだけに綱吉の前では微塵もそんな気配を見せないのが「こりゃ綱吉も真相を知ったらショックだ」という感じでした。
最後はバレてあっさり斬られますが。
その不義の相手・数馬が薪車さん、最初は小姓姿ですが数年後の元服後にお伝の方と不義を働いて斬られます。
イケメン設定の役で薪車さんが出てきたので、もしかして斬られる?と思ったら本当に斬られました。イケメンなのに!(もはや定番)

この演目は本来はもっと長いようなのですが、実は仲が悪いのは見せ掛けで共謀していたとか協力していると思っていたら裏切っていたとか陰謀みたいな話が続くので、本来のスケールだとちょっと難しいかも知れないと思いました。

そんな陰謀の中で吉保に仕え続ける金吾は癒しだったので(吉弥さんが真面目そう)、最後に吉保が混乱の中で斬ってから「金吾ーーー!!!」と後悔の絶叫をするのも納得でしたね。

二、保名
仁左衛門さんの保名という事で、春のうららかな陽気の中に自害した恋人を思う美男子が幻の中を彷徨う雰囲気が夏を忘れさせましたね。
衣装は暑苦しいはずなんですが。

がっつり通し狂言あり、舞踊ありで楽しめました。
演劇
by iwanagahime | 2013-07-27 20:57 | 歌舞伎周辺


船乗り込み

今年も夏の風物詩、松竹座の船乗り込みに行きました。
[画像]

それまで曇り空でも雨は無かったのに、ちょうど船が到着したぐらいに大粒の雨が降り出して皆さんビニール傘で下船。
雨の中にも関わらず、握手してくださった扇雀さんありがとうございました!!

松竹座前での挨拶では雨もすっかりあがり、ご出演の皆さんも観客もホッとした雰囲気に。
関西・歌舞伎を愛する会の公演なので、出演者の前にそういう会の理事長的な方々の挨拶もあるのですが、演目にまつわる面白い話も聞けるので飽きません。

出演者の挨拶ではもちろん盛り上がり、仁左衛門さんが登場した時の拍手は毎年ですがすごいものがあります。
翫雀さんのインデアンカレーの話とか、孝太郎さんの「太郎」つながりで児太郎さんを意識してる話も面白かったです。
秀太郎さんがケータイで観客を撮影している姿も可愛らしかったです。
もちろん舞台も観に行きます!
演劇
by iwanagahime | 2013-07-06 21:57 | 歌舞伎周辺


五月花形歌舞伎(昼の部)南座

南座に行ってきましたよ、久しぶりに一等席だったので謎の緊張をしました。
『高時』以外は初めて観る演目ばかりだったので、全体を見渡せる席だったのがちょうど良かったです。
[画像]

演目とか配役はこの辺という事で、感想。

一、新歌舞伎十八番の内 高時
北条高時の話、愛犬の警護をさせたりして家来に嫌われてるっぽい高時。
お婆さんを襲った犬をお婆さんの息子である浪人にけしかけたら返り討ちに、愛犬が討たれたと知った高時は浪人を処刑しようとすると。
右近さんの高時はふてぶてしくてよかったです。
大佛陸奥守(猿弥さん)が正攻法で処刑を思いとどまるよう言っても聞かず、秋田入道(寿猿さん)が先代の命日に非道な事をしてはいけないと言われてようやくとどまる始末。
二人とも犬の警護させられてる武士とかが「何で人間なのに犬の警護なんか」と不満なのを知っていて、いつかこうなると予想してたような雰囲気が。
烏天狗の場面は不気味でアクションも激しく、さっきまで偉そうだった高時がぐるぐる回ってしまうところに魔界を感じました。
浪人が処刑されなくてほっとしたり優しいのに、異変を察知して長刀を持ってくる愛妾衣笠(笑也さん)って武家の女性っぽいと思いましたね。

二、太刀盗人
狂言が題材の松羽目物、田舎者万兵衛が亀三郎さん。
田舎者だけどみやげ物を買う姿は堅実、いい人っぽい。
すっぱの九郎兵衛は何と松也さん、泥棒髭が出オチっぽかったですが最後まで面白かったです。
万兵衛と九郎兵衛が太刀をめぐってもめていると、目代(もくだい)丁字左衛門(市蔵さん)が通りかかる。
目代の役目をわかりやすく説明したり、問題を解決するために太刀の謂れを語らせたり頼れそうだけど居眠りしてたり面白い(万兵衛は困るだろうけど)
よく通る声が災いしたのかせっかく答えた太刀の詳細を九郎兵衛が盗み聞きして真似するので、踊りにしてみたり(どう見ても万兵衛がスムーズ)連れ舞にしたり(どう見ても九郎兵衛が遅れてる)しますが、それでも目代が決定的なポイントを見出せないので盗み聞き防止に耳打ちで太刀の長さを答えて解決。
最初からそうすれば良いようなものですが、途中の真似とか舞が面白いのでアリです。

三、歌舞伎十八番の内 鎌髭
山崎の里鍛冶屋四郎兵衛内の場
市川海老蔵景清にて大荒事相勤め申し候
   
かみてに「歌舞伎十八番の内 鎌髭」しもてに「市川海老蔵景清にて大荒事相勤め申し候」とか何とか書いてあったり、劇中口上(お父上の話も……)があったり、お約束の「海老蔵にそっくり」があったり、ザ・荒事でした。
迎え撃つ側も亀三郎さんに松也さん、猿弥さんと声が好きな人が揃ってて見ごたえがありました。
新悟さんも正体を表して姫姿で戦う場面とか良かったです。
市蔵さんがうるおい有右衛門というツッコミどころしかないキャラやってて面白かったです、うるおいだからヘチマ持ってるのか……えー?みたいな。

いかにも荒事ですが、景清はほとんど動きません。左團次さんの三保谷に鎌を突きつけられても限界まで動きません。
なぜなら謎の観音パワーで無敵の体だからなのだ!大・勝・利!
みたいな話でした、動かない海老蔵さんというのも新鮮でしたね。
動かないのに荒事感は満載でした。

演劇
by iwanagahime | 2013-05-25 22:08 | 歌舞伎周辺


第二十一回 南座歌舞伎鑑賞教室

いつも歌舞伎レポは練って書くのですが、今日は勢いで。
ほんの数時間前に春恒例の南座歌舞伎鑑賞教室、しかも初日に行きました。

午前の部に間に合うように行ったのですが、売り切れで午後の部に。
まあ春の京都なので空いた時間の過ごし方には事欠かないですし。
という事で、公演詳細はこの辺

今年も桂九雀さんの解説に上村吉弥さんの出演ですが、何とこの春から中学生の吉太朗さんが主役の「供奴」が!(吉弥さんは「藤娘」)
色々と期待。

さて、オープニングは九雀さんが趣味に走るコーナーなので、吉田屋のセットもありますし九雀さんが笠をかぶって……と思ったら、普通に伊左衛門が(ちなみに純弥さん)
そして、伊左衛門が吉田屋の主人を呼ぶと九雀さんでした!

伊左衛門の衣装や廓文章のあらすじなどを純弥さんとツッコミを交えて紹介、紙に見えないし実際に紙ではない紙衣など歌舞伎好きでもツッコミ所なので、ズバッとツッコミが入って笑えるという妙なスッキリ感。
敵を追ってるのに花道の七三で止まって「待~ぁて~ぇぇぇ」とか。

いつものお客さんに衣装を着てもらうコーナーも、今年は5人で女形の色々な衣装とキャラクターを紹介していました。

『藤娘』
舞台もわかりやすく華やかで、吉弥さんもわかりやすく綺麗なので盛り上がってました。
藤娘は酒に酔う場面があるのですが、お酒に慣れていない若い娘さんが酔っ払ってしまった感じが出ていて可愛かったです。

『供奴』
GOEMONで7歳ぐらいの子という11歳の少年には難しそうな役の上に、あの演目で数少ない泣かせパートを立派に務め上げた吉太朗さんなので期待していましたが凄かったです。
やや勢いで押してる部分はありましたが、ちゃんと廓で浮かれる奴さんでした。

今後に期待できる舞台で、南座の歌舞伎鑑賞教室も幅が広がりそうでした。
by iwanagahime | 2013-04-20 21:26 | 歌舞伎周辺


松竹座GOEMON

日曜日に松竹座のGOEMONを観に行ってきた訳ですが、いやーすごかった。
[画像]

この演目は徳島県の美術館にあるシスティーナ礼拝堂を再現したシスティーナホールで上演されたシスティーナ歌舞伎の演目で、一昨年にあらすじを読んでも舞台写真を見ても舞台が全く想像できなかったので近くで上演されるという事で行きました。

公演の詳細とかはこの辺

まずGOEMONの主役、石川五右衛門が明智光秀の家臣の娘・石田局とイスパニアの神父・カルデロンの間に生まれた子という設定でフラメンコを踊る場面もあるという時点で期待と不安が入り混じっていますが、客席に着くとすでに緞帳も定式幕もなくメタルフレームの舞台にネオンでGOEMONという文字が光っています。
このメタルフレームが照明によって入り口になったり十字架になったり港の帆影に見えたりと、動かないのに移り変わって行きます。

そして室内楽の演奏の中、カルデロン神父と大聖堂にあつまるキリシタン達。
キリシタンの祈りを捧げます。
松也さんは顔が和風なのでカルデロン神父のメイクがちょっと無理がありますが、だんだん気にならなくなります。
キリシタン達が去り、一人で祈りを捧げるカルデロンの元に石田局が歌舞伎っぽく現れます。
神に仕える身である事と、石田局への愛に葛藤するカルデロンと思いきや子どもが出来たと知るやあっさり聖職を退き通訳として石田局と暮らす事を決意するカルデロン。
子どもが出来て逃げる男よりはいいですが、この場面から先ほとんどの事をカルデロンは「これも神のご意思」で済まそうとします。
さて、口上で生まれた子は友市と名付けられ後に石川五右衛門となる事や親子が仲睦まじく暮らしていた事が説明され7年が過ぎます。
ある日、大聖堂(台詞では南蛮寺と言っているので歌舞伎感あります)に突然に豊臣秀吉が禁教令を出したとお触れが来ます。
聖職者や通訳などは国外追放に、という事でカルデロンもイスパニアに強制帰国です。
しかも、石田局は聚楽第に召しだされる事に。
カルデロンによるキリシタンの教えで秀吉に対する恨みは忘れていたが、こうなってしまってはせめて明智の縁の者として一太刀あびせようと聚楽第に行く決意をする石田局。
明智家の宝であり、抜くと雷鳴がとどろくという刀の雄龍丸を友市に託します。
聚楽第では秀吉の前に呼び出され、能の道成寺の後ジテのようなスタイルで現れる石田局。
実はすでに陰腹を切っていて、秀吉に恨みをぶつけるものの絶命する石田局。
ここでの秀吉はいかにも冷酷で、翫雀さんがふてぶてしくて良かったです。
倒れた石田局からは人魂が出て来て、真っ暗な中で起き上がった石田局とどこかへ消えて行く……

イスパニアに友市と行きたいと言うも、阻止されるカルデロン。
すごくシリアスな別れの場面で、一人で生きて行かねばならない友市にバテレンの秘術を伝授するカルデロン(微妙な空気)
イスパニアに行く父上とテレパシーで会話、「ちちうえの国はどこにあるのですか?」「行ってみたいなあ」と健気な台詞が泣かせる吉太朗くん。
回り舞台がぐるっと半周して見せられる父上の国の様子がフラメンコ、佐藤浩希さんという男性ダンサーでフラメンコの指導もされたとか。
ここで友市がテレパシーでフラメンコを見せられるのも石田局の人魂も、後半になって考えると必要な展開だった。

さらに時は過ぎ、石川五右衛門の登場。天下の大盗賊ですが、五右衛門に言わせれば秀吉こそが天下を盗んだ大盗人。
女漁りも相変わらずで、武家の女だけでなく街の女にも手を出しています。
この日に目を付けられたのは出雲の阿国!
阿国以外の一座の女性はOSK出身のリアル女性なのですが、その中にいても壱太郎さんは可憐でした。
名古屋山三という夫のある身の阿国は秀吉の前でも「芸は売っても身は売らぬ!」と強気、ならばと舞を所望する秀吉。
そこに北政所がに来るというので慌ててつづらに阿国を隠します、天下を取っても頭が上がらない秀吉。
女漁りへの苦情を言いに来た北政所は秀吉の言葉で一時は機嫌が治るものの、つづらから見える小袖を見てまた怒って去っていきました。
ほっとした秀吉に五右衛門侵入との知らせ、加藤虎之助や石田三成も警戒。
しかしここはバテレンの秘術で空が飛べる五右衛門、つづらしょったがおかしいか~と宙乗りで去って行きます。歌舞伎らしい!

休憩を挟んで後半、カルデロンの故郷アンダルシアの酒場(佐藤さんのフラメンコ)
アンダルシアの酒場とかフラメンコとかイメージが安直すぎてスペイン人に謝りたいレベルですが、この安直イメージで全力投球する精神が歌舞伎なのかも知れない。
息子に会いたい寂しさ、成長したい姿を見たい気持ちは酒では紛れないカルデロンはやがて友市の幻とフラメンコを踊り始めます。吉太朗くん頑張った!

場面が変わって一気に歌舞伎に、五右衛門と名古屋山三と鞘当。
いつもは山三の相手は不破伴左衛門だけど今回は五右衛門だ!止めるのは出雲の阿国!
ここで刀の取り違えから山三も明智の宝である雌龍丸を持っていると判明して仲間に、急展開だ!
そんな中、ややこ踊りブームが終了して女猿楽に人気を取られている事に悩む阿国。
ここでの芸に対する姿勢の会話が感動的ですが、それはさておき父上の故郷イスパニアの魂の踊りを伝授する五右衛門。
「笑うなよ」の台詞で笑いが起きますが、五右衛門はいつフラメンコを見たんだろう?という疑問で前半のテレパシーを思い出す。
とーまっさい、とーまっさい、とーまいとーまいと!と拍子を踏むうち、何かを掴んだ阿国。
そして新たな踊りへ、この踊りが迫力ありました!

そうしている間にも五右衛門包囲網は迫って来ます。
メタルフレームの山門で「絶景かな絶景かな」をやっていると、いつもは真柴久吉のいる位置に鷹の精になった母上が!
名古屋山三と阿国が客席を巻き込んで大立ち回りをし、追っ手をまきます。
OSKのフラメンコ群舞も華を添えます。
鏡を使った立ち回りの中で髪を整える阿国がプリティ。
五右衛門は鷹に乗って現れ、日本を飛び出しルソン・天竺と周り父上の故郷イスパニアへ向かいます。
金の紙吹雪と拍手の中、宙乗り。

最後に愛之助さんの挨拶、大きな拍手でした。
フラメンコの佐藤さん、OSKの皆さんと歌舞伎以外の出演者も素晴らしく、歌舞伎らしい演出もあり全てが一体となって盛り上がりました。
またどこかで再演してほしいです!
by iwanagahime | 2013-02-23 22:34 | 歌舞伎周辺


團十郎さん

舞台での存在感はもちろんなのですが、たまにインタビューで見る姿も貫禄がありました。
特に「知ってるつもり」で初代からの市川團十郎の特集があった時、歴代の中にはかなりダークな話もあったのですが、十二代目として出てこられた時に「はっはっは」と笑いながらお話をしている姿で画面が一気に明るくなったのが印象的でした。
こんなに早いお別れになるとは思っていなかったです。
ご子息がもう一段階シャキッとする事を祈って、舞台を観に行きます。
by iwanagahime | 2013-02-09 20:10 | 歌舞伎周辺

    

本サイト弓戸亜朗私邸では書ききれなかった小さい事を、主:亜朗(iwanagahime)がどこまでも核心に迫らないまま書くブログ、だいたいそんな感じで。
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