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カテゴリ:びじゅつ( 44 )



何もない日の兵庫県立美術館

美術館には美術展がある時、特別展でなくても開館している時に行くのが普通だと思いますが、兵庫県立美術館は屋外彫刻作品が豊富なので開いていなくても面白いです。
彫刻というとブロンズなどで出来ていて、立体を観賞するイメージですが新宮晋さんの風を利用した動く作品やヤノベケンジさんのカラフルで大きな立体作品など多彩で海辺で公園と地続きのゆったりした場所で美術に親しむ事が出来ます。
私は明るい間しか行った事はないですが、夜景もきれいなのではないでしょうか。
周りの商業施設のついでにでも、おすすめです。

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by iwanagahime | 2018-07-21 18:34 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)


KOBEとんぼ玉ミュージアム「それぞれの宇宙」展

神戸に行った時、市立博物館の向かいの通りにあって気になっていたKOBEとんぼ玉ミュージアムに行きました。
この時の特別展は宇宙が題材で、国内外を問わず現代の作家さんが宇宙をテーマにした作品を展示していました。
ガラスという素材と宇宙という題材のテーマの相性がいいのか、Filip Vogelpohlさんの星雲のような渦がどこまでも続く中に星が浮かぶような神秘的なマーブルや佐々木淳さんの三日月や星が球体の中できらめくもの、梅津聡さんのカップの中に宇宙が広がる作品など小さいながら神秘や迫力を感じるものから星や月のきらめきを愛らしく表現したものなど様々な宇宙がありました。

常設展も古代のビーズ細工から現代の作家まで幅広く、小さなスペースながら作品も小さいので一つ一つを細かく見ていくとなかなかの時間が必要そうでした。

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by iwanagahime | 2018-05-26 21:51 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)


江戸の戯画

大阪市立美術館の江戸の戯画を見に行きました、鳥羽絵や鳥獣戯画(写し)から暁斎まで。
期間が長いので後でと思っていましたが目当ての国芳の金魚づくし9点が揃うのが13日までで、12日と13日は予定があるので絶対に混むとわかりながら連休中に行きました。
案の定混んでいましたが、擬人化とか怖そうな題材でゆるい絵とか、高画力で駄洒落とか江戸時代を中心に今でも笑える要素満載でした。
前半の耳鳥斎の地獄絵図は「地獄」ってより「じ~ご~く~」ぐらいのゆるさで、職業別に地獄の様子を描いているのですが、歌舞伎役者の地獄は大根と一緒に煮られていたり、その表情もゆるかったり。
それでいて忠臣蔵など歌舞伎の場面や役者絵の線が少ないのに何の場面かわかる感とか、年中行事で人々の生活がほのぼのと描かれていたり簡略化が良い感じでした(似顔絵系は当時の人ならもっと面白かったんだろうなあ)
北斎はやはり迫力があり、ちょっとした場面の躍動感がすごいのに駄洒落の絵だったり、やけどを治療しようと軟膏を作って塗ろうとしたら出来立てすぎて熱くてやけどがひどくなってる絵だったり、天女が豆腐を焼いてたり。
北斎漫画は色々な人間の動きや表情をサンプル的に絵にしているのですが、それが変顔だったり強風の中であわてる人々だったりもするので何だか面白かったり。
国芳の金魚は期待以上で、金魚の町の料理屋が「みじんこ」料理の店だったり、全体のかわいさもですが細かい部分で擬人化金魚の生活感があるのがよかったです。
一緒に展示されていた擬人化されていない金魚も陶器の欠片に群がっている感じに表情があり、金魚という生き物に対する国芳の視線を感じました。

国芳は他にも亀の顔を歌舞伎役者にした絵が斬新すぎて売れなかったとか、猫で東海道五十三次とか楽しい絵がたくさんありました。
吉原が火事で一時的に廓の外での営業が許可されていた時期は、ちょうど遊女の絵が禁止されていた時期だったそうで、廓の外での営業をPRするために国芳が描いた絵が文字通りの「吉原雀」だったり、歌舞伎の絵が禁止された時は歌舞伎の絵を落書きした壁を描いたという体裁の絵を出したりと規制にユーモアで対抗する姿勢もありました。
暁斎はイソップ童話とかちょっと西洋文化が入って来た感があって、そんな価値観の入れ替わりや世の中の変化を感じる絵も。
他にも名所図のパロディで風光明媚な名所で橋で転んだ人達や流鏑馬で落馬など、真面目な絵と同じ絵柄だから面白い絵がたくさんありました。

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by iwanagahime | 2018-05-05 23:09 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)


仁和寺と御室派のみほとけ展

ちょっと東京に行く事があったので、東京国立博物館 の仁和寺と御室派のみほとけ展に行ってました。
関西人なので仁和寺は日帰りで本体に行けるのですが、この展覧会では修行僧しか入れない観音堂が完全再現で撮影可!
他にもお寺に行っても見られない秘仏がぞろぞろ!という事で関西人もめったに見られない仏像が勢揃いだったのです。
観音堂は上でリンクしているInstagramの2から4枚目で、仏像はもちろん本物で千手観音と二十八部衆という三十三間堂と同じメンバーで、三十三間堂より小ぶりながら秘仏だからなのか彩色の保存状態も良く一つ一つの造形もさることながら揃ってる迫力がありました。
これは観音堂の修理をしているから出来る展示だそうで、保存や調査のために六道絵や観音三十三応身が描かれた壁画も高性能スキャナで読み込んだ上で高精細印刷により再現しており、堂内の雰囲気まで再現しているからか人は多いながら厳かな祈りの雰囲気が感じられました。
皇室にゆかりのお寺で皇族の病気平癒や安産祈願などが行われていたお寺なので、仏像以外にも高倉天皇が皇子が無事に産まれたというお礼状を直筆で書いていて、その皇子が後の安徳天皇であったりと歴史を感じる展示も。
また、その祈願などで行われた孔雀経法という最強の修法にまつわる孔雀明王の仏画や法具の数々、そして黒字に金で描かれた子島曼荼羅など神秘的な展示がありました。
空海の書も見ごたえがあり、字が汚い私は少しでもあやかりたくてグッズを買おうとしたのですが、ロッカーに財布を閉じこんでしまっていたので諦めざるを得ませんでした。
グッズに頼らないのが吉とみました。

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by iwanagahime | 2018-02-24 23:10 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)


細見美術館「はじまりは、伊藤若冲」

細見美術館20周年という事で開催されている伊藤若冲展に行ってきました。
20周年記念のスタートという意味と、細見美術館の日本美術のコレクションが伊藤若冲から始まったという意味がかけられているそうで。
細見美術館の3つある展示室のうち、若冲本人は1室半ぐらいですが若い頃あり晩年あり弟子の作品ありで流石の細見コレクションでした。
第1展示室は動植綵絵を描いた頃、というか動植綵絵に至る道筋ともいえる糸瓜群虫図や雪中雄鶏図などの彩色の掛軸があり、糸瓜群虫図は糸瓜の実や葉に集まる虫や蔓のくるくる具合など細かな描写とそんなに綺麗じゃない題材なのに美しさを感じる不思議さが良かったです。
雪中雄鶏図は若冲といえば的な鶏ですが、似た構図の雪梅雄鶏図(両足院蔵)の方が鶏の羽根が柔らかそうというか、梅や花がある分マイルドなのかという竹と鶏と雪というストレートさでした。
水墨の屏風もあり、花鳥図押絵貼屏風は翡翠やおしどりなど花鳥画的な鳥の中に鶏もいますが、花と鳥が水墨ながら華やかでした。

第2展示室は似たような場所にまた水墨の屏風があり、元の場所に戻ったのかと間違う人もいましたが、こちらは鶏オンリーの屏風でバリエーション豊かなポーズの鶏達が屏風を跳ね回っていました。
他にも宝珠と小槌図のような縁起物もありますが、思いっきり里芋だけ描いた掛軸もありました。
若冲の野菜の絵が結構好きなので、この堂々とした里芋はカッコ良かったです。
他にも様々な菊が描かれた屏風など、よくある題材なのにものすごく若冲なのもよかったです。

宝蔵寺でも少し見た弟子の若演の作品もあり、鶏が色々なものに乗ったりしている屏風は師匠よりちょっとキャラクター感のある鶏が愛嬌がありました。

第3展示室は若冲以外の江戸時代の京都を感じる展示で、尾形光琳の絵に尾形乾山の陶器など一通り網羅してるのが細見美術館っぽかったです。

あちこちから若冲作品を集めた展示も豪華でいいですが、個人のコレクションから発展した美術館のような所のコレクションは趣味の合う合わないをちょっと感じつつもコンパクトにいいものが集まってるのが良かったです。

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by iwanagahime | 2018-02-17 23:18 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)


ボストン美術館の至宝展

神戸市立博物館のボストン美術館の至宝展に行きました、ちなみにこの展覧会が終わると神戸市立博物館はしばらく休館なのでそういう意味でも行っておきたい展覧会でした。
ボストン美術館の幅広い所蔵品から選りすぐりの80点が展示という事ですが、ジャンルも古代エジプト美術から現代アートまでと多彩でした。
古代エジプトでは高官の墓所にあったという偽扉が面白かったです、この世とあの世を繋ぐ扉で高官の肖像や供物の内容などが書いてあり、実際には扉としての機能はないので偽扉という名だとか。
他にも大粒にもほどがある果物型ビーズの首飾りなど、独特の雰囲気でした。
中国絵画は陳容という絵師の九龍図が大迫力ながら、若い龍に師匠っぽい年老いた龍(白髪みたいなのが生えている)がアドバイスをしている場面があったりどこか人間味があるのが面白かったです。
ここまでも展示品だけでなくコレクターについても焦点が当たっていあのですが、日本美術だとモース、フェノロサ、ビゲローといった日本美術コレクターとして有名だった人の名前が出てくるので聞いた事ある感が。
有名コレクターのコレクションだけあり、尾形光琳・乾山兄弟のコラボの角皿や仁清の鳥形香合、英一蝶の屏風と涅槃図、曾我蕭白の仙人の絵など目白押し。
英一蝶は屏風が市井の年中行事を描いたもので、生き生きとした町の人々の暮らしが見える絵なので、横の涅槃図のお釈迦様の周りで嘆き悲しむ人々や動物のリアクションがよくある涅槃図より激しいのがわかりやすかったです。
曾我蕭白は修行して山から出てきたお釈迦様の絵の前で浮かれてる八仙図とか、バトル漫画並みの迫力で風が巻き起こってる中にこっそりウサギがプリティな風仙図など実物じゃなくても面白いですが、実物なのでさらに迫力ありました。
他にも河鍋暁斎が持っていた酒井抱一の花魁図とか、喜多川歌麿の美人画など。
よく日本の絵が海外に流出している事を嘆く人もいますが、四条派合作の鹿の屏風がバラバラにならないように分担して買ったり、ポスターのように上演期間終了後は撤去される歌舞伎の絵看板が残っているのを見ると感謝しかありません。

フランス絵画はボストンのコレクターがミレーの農村風景や印象派の風景画などを好んだからか、やはり風景画が多く、モネの睡蓮やルーアン大聖堂があったのが嬉しかったですね。
静物画をコレクションしている人もいたそうで、セザンヌの果物など静物画といえば的なのもあれば人物画のイメージがあるルノワールの花の絵などちょっと意外なのもあったり。
ゴッホの数少ない仲が良かった人がモデルのルーラン夫妻は作成された時期が違うからか、ご夫婦なのにタッチが違いました。
アメリカ絵画はボストンの上流家庭の家族を描いた肖像画から、現代アートっぽいのまで。
サージェントのフィスク・ウォレン夫人と娘レイチェルが顔はリアルっぽいのにドレスは筆の跡が見える感じなのが、遠くから見ると逆にドレスの光沢がリアルに見えるのが面白かったです。

現代アートでは絵画だけでなく写真や映像作品もあり、現実味のない一瞬を切り取ったような写真だともう絵との境目がわからないようなのもあったり。
画家やジャンルがテーマの統一感のある展示もいいですが、こういう美術館の様々な展示から選りすぐって持ってくる感じのも面白いと思いました。

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by iwanagahime | 2018-02-03 23:28 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)


京都国立博物館新春特集展示いぬづくし

京都国立博物館は新春恒例の干支ですが、通常展示扱いなので600円でおつり来るのに価格です。
名品ギャラリーはいぬづくしだけでなく、各階で仏像や陶芸、絵画や遺跡からの出土品など様々な文化財が展示されています。
金剛寺の修理完了でお堂に戻った巨大な大日如来のいた部屋には、新しく五智如来像がありました。
また、陶芸の部屋にはさりげなく尾形乾山の色絵氷裂文角皿があり、通常展示でさらっと置いてあるあたり京都国立博物館の奥深さを感じました。
特集展示のいぬづくしも日本の絵だけでなく古代中国の犬を抱く婦人の俑があったり、色々な姿で親しまれて来た犬を見られました(でも十二類絵巻と涅槃図は毎年あるような)
御所文化の展示は衣装や装身具の実物だけでなく、天明の大火で御所が焼失した時にはたまたま蟄居していた公家が記録していた御所の内部の様子が役立ったり、頻繁にあるわけではない儀式は用意するものや采女の装束や人数などあれこれ記録に残していて受け継ぐ事の難しさを実感しました。
また、時代の変化に伴い皇族の衣装の変化もあり、伝えるというのはそのままの形に残すだけではないという事も考えさせられる展示でした。

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by iwanagahime | 2018-01-13 22:45 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)


西福寺の仙人掌群鶏図など

豊中にある西福寺では毎年11月3日に寺宝の公開があるのですが、虫干しなので雨が降ると公開中止になります。
今年は無事に晴れたので、行って来ました。

寺宝というのは伊藤若冲の仙人掌群鶏図などをはじめとした絵画なのですが、これは天明の大火で家などを失った若冲がしばらくこのお寺に滞在していたという事で檀家の薬種問屋・吉野五運からの寄進という形で納められたそうです。

若冲の絵としては珍しい金地の襖絵で、仙人掌と鶏が描かれています。
襖絵なので襖のサイズなのですが、頭でわかっていても掛け軸や屏風に比べると「大きい」というのが第一印象でした。
逆から言えば本などで印刷で見る分には実際のサイズに関わらない安定感があるという事でしょうか、わかりやすく若冲の鶏というイメージでした。

他は水墨画で、黒く塗られた背景に白い髑髏が浮かび上がる野晒図は宝蔵寺の髑髏とはまた違った野原に忘れ去られたような骨でした。
また山水図の掛け軸もあり、こちらもシンプルな水墨画らしい山水図でした。

そして元は仙人掌群鶏図の裏で今は掛け軸になっている蓮池図は圧巻で、一見したところ乾いた印象の画面に枯れた蓮が目に入ってくるので寂しい印象を受けますが、間から伸び上がってくる蕾や咲いている蓮の花が真っ白に目に飛び込んできます。
たとえ荒れ果てた場所でも伸びやかに咲き誇る蓮に、大火の後に見た若冲の願いを見た気がしました。
やはり珍しい金地で若冲といえばな鶏な仙人掌群鶏図がお寺のパンフレットなどでもプッシュされていますが、印刷ではなく実物を見るとパワーを感じ取れるのは蓮池図だと思うので、公開の日に行くならこちらに注目ですね。

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by iwanagahime | 2017-11-11 23:28 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)


国宝展(2期)

京都国立博物館の国宝展に行きました、展示数が多いだけでなくすべて国宝というものすごい展覧会ですが、展示替えも頻繁で4期まであります。
もちろん通期展示のものもありますが、ほとんどが入れ替えで2週間で入れ替わるものも。
29日までの2期に行きましたが、1・2期に展示の火焔型土器と2期のみの龍光院の曜変天目が見所でしたね。
藤田美術館の曜変天目は深い青の中に光が見える感じでしたが、龍光院のものは遠目でも白い点がはっきりしている上に全体の黒の中から白い点の周りに青い光が浮かび上がっていました。
この世のものではない雰囲気は貴重なものとして大事にした昔の日本人の気持ちも、思った通りの出来ではないと捨てた昔の中国の人の気持ちもどちらもわかるような神秘的なお茶碗でした。
他に青磁鳳凰耳花入・万声や雪舟の天橋立図や慧可断臂図など、普通の展覧会なら目玉になるようなものばかりが大量にあるという状況で、しかも入れ替わっても入れ替わっても目玉展示があるので何期か行く人がいるのも納得。
火焔型土器は縄文土器ですが、縄目模様ではなく紐状の粘土で作られた模様が迫力でした。
縄文だと他にも三体の女神像など、縄文時代ならではの不思議な造形が面白かったですね。
他にも病草紙(二形と歯槽膿漏)や餓鬼草紙など、陰惨ながら庶民の姿が描かれたものもあり国宝の幅広さが伺えました。
狩野永徳や長谷川久蔵(長谷川等伯の若くして亡くなった子息)などの絵画が並ぶのは圧巻、中国の山水画も後ろの人の足音が鳥の声に錯覚するぐらいの深山幽谷感。
常設で展示されている巨大な大日如来と不動明王はどうするのかと思っていたら、今年に新しく国宝に認定されたとか。修復中の金剛寺の本堂が完成するので、来年の春にはお帰りになるそうです。
他にも平等院の雲中供養菩薩像や法隆寺の広目天に数々の同じタイプが作られる大元の清涼寺観音像など、見所しかなかったです。
華厳五十五所絵図のかわいい善財童子や、柄が三鈷になっている金剛寺のカッコいい宝剣に五体の仏像がデザインされた錫杖に豪華な蒔絵や螺鈿の箱、四騎獅子狩文様錦などの模様が綺麗な布など単純に見ていて楽しいものもあります。

藤原道長の経筒や空海・最澄の書など、誰もが知っている歴史上の人物にまつわるものもあります。
弘法も筆の誤り・ザ・リアル。

とにかく情報量が多いですし、展示入れ替えも頻繁なので見たい国宝の展示期間に注意して時間に余裕を持って見に行くのが吉かと。
私も見終わったら外は真っ暗でした、慧可断臂図の顔出しパネルはしませんでした。

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by iwanagahime | 2017-11-04 23:32 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)


ブリューゲル「バベルの塔」展

10/15まで大阪の国立国際美術館で開かれているバベルの塔展に行きました、こちらはベルギー奇想の系譜展と違って東京が先ですね。

ブリューゲルの絵画がメインという事で、版画などはベルギー奇想の系譜展とかぶっているものが多いのかと思いましたが同じブリューゲルでもベルギー奇想の系譜展では七つの大罪が七つとも揃っていたり、怪物など妙なものが画面を所狭しと埋めているものが多く、バベルの塔展では怪物以外にもスケート場の様子や農村の結婚式や祭りなどの人々を描いたものが多く展示されていました。
全体的にはベルギー奇想の系譜展がボスから現代美術までとすると、バベルの塔展はボス以前のネーデルラント美術からブリューゲルまでという感じでした。
最初は聖人の彫刻があり、聖書の場面を表現するために複数の聖人の像が教会にあったのが散逸して作者がわからなくなったりと仏像でも聞いたような話がありどこも世知辛かったです。
作者がわかっている数少ない像も展示されており、細やかで聖人の事をよく知らなくても雰囲気が伝わるようでした。
次に聖書の一場面や聖人の物語を描いた絵画がありましたが、個人の礼拝のために作られたものが多く、教会に大きな絵画がドーンというよりは普通の部屋に飾れるサイズのキリストや幼子イエスとマリアなどの絵が多かったです。
教会に飾られたものも聖書の場面を物語風に複数の絵に分けて描いた物があり、そうやって物語をわかりやすくするためか聖人を普通の周りの人と同じ大きさで描きながら持ち物や服装などで特徴付けていました。
また、小さな絵ほど宝石や髪型や服装の表現が細やかで、キリストの頭部という絵も小さいながらこちらを見つめるかのような眼差しや宝石の細やかさが目を引きました。
イエス・キリストというと現代の日本人には聖☆おにいさんのイエスのように長髪のイメージですが、そのイメージもこの時期のネーデルラント美術で確立したそうで、それがなければ聖☆おにいさんのあの二人のコンビ名もパンチとロン毛でなかったかも知れません。
聖書の一場面を描くものが続きますが、それぞれ聖人の受難を巡る人間ドラマであったり崩壊する街の風景だったりと描きたい題材を基準で聖書の中から合うものを引っ張り出した感じもありました。
そしてボスの怪物ブームが起きるのですが、聖クリストフォロスの絵などはメインの幼子イエスを背負って川を渡る聖クリストフォロスの姿だけでなく後ろにドラゴンや花瓶ツリーハウスに住む謎の小人がいたりと謎の怪物が出現しまくっていました。
もう一つの放蕩息子も祭壇画にしては謎すぎる題材ですし、ブームを現すかのように似たような怪物をぞろぞろ描く人も現れてカオスでした。
ボス本人がいなくなった後にブリューゲルがデビューするのですが、「第2のボス」的な売り方をされていたのも何だか今でもありそうな。
ここまでの小さな祭壇画の細かい描き込みやボスの怪物、聖書の物語と言いつつ人間ドラマや風景を描いているのを見ているとブリューゲルの描く色々なものがネーデルラントだから生まれたように感じる展示の流れでした。
バベルの塔も大きさとしては新聞を広げたぐらいのイメージなのですが、とにかく細かい描き込みが凄くて存在感というか絵から圧力のようなものさえ感じました。
引きで見てもバベルの塔と地平線にかすむ風景との境目など、ダイナミックさがありますし、細かく見ていけば見ていくほどバベルの塔の建設作業現場で漆喰まみれになって働く真っ白になった作業員や真ん中あたりの礼拝堂に並んでいる人々(中には貴人もいるらしく、天蓋のようなものも)や手前の畑や奥の港の船で働く人々の姿が見えてきます。
また、バベルの塔の上層部で続いている建設作業がレンガの建築様式をリアルに再現しているので人間の傲慢さというよりは努力や生活というものが溢れていました。
最後のあたりに3倍に拡大した複製画や、CGで表現した映像などがありましたがどれだけ細かく見ていっても「細かい描き込み」である事が感じられる凄まじい絵でした。

物販エリアはTower of BABELをもじったTowel of BABELや、怪物グッズにバベルの塔の飛び出すカードなど楽しげなグッズが盛りだくさんでしたが、魚の絵がモチーフのタラ夫という謎のキャラクターのフォトスポットが脱力感がありました。

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by iwanagahime | 2017-09-23 23:04 | びじゅつ | Trackback | Comments(0)

    

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