私邸周辺


カテゴリ:びじゅつ( 44 )



忍者と県立ギョカイ女子高校

怖い絵を見た後は、同じく兵庫県立美術館のギャラリー棟で開催されていた井上涼さんの個展に行きました。

びじゅチューン以外の井上さんの作品にも興味があったのですが、コンサートなどはなかなかタイミングが合わず、また怖い絵で(美術的には充実したものの)精神力が削られたのでその回復にちょうど良さそうだったので行きました。
壁面と床に映像が映し出され、忍者が県立(何県なんだろう)の魚介類が通う女子高校の先生(ワタリガニ)から依頼を受け、校歌のお披露目会を成功させるというストーリーですが、可愛らしいキャラクターが音楽に乗せてポジティブなメッセージを送ってくれる楽しい映像作品でした。
忍者が女子達(イカとか)を元気付けるために持ってきたものでなく、そっち?!なものに興味を持つのも笑いつつ何だかリアルだなあと思う部分も。
なかなかそうはいかないながら、まずはやってみようという気分になる良い作品でした。

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by iwanagahime | 2017-09-16 22:26 | びじゅつ


怖い絵展

9月18日までの兵庫県立美術館『怖い絵展』に行きました。
中野京子さんの著書『怖い絵』のシリーズは文庫版の一冊しか持っていませんが、見てすぐわかる怖い絵から説明されてはじめて怖ろしくなる絵など様々でした。

神話、歴史など題材ごとに展示がわかれていて、神話では美しい女神と美青年の綺麗な絵だと思っていたら女神ディアナが愛した美青年エンデュミオンは人間なので年を取ったり亡くなったりしてしまうからとそうならないように別の神に頼んで永遠の眠りで姿が変わらないようにしたとか、どれだけ顔ファンなんだ女神という怖ろしい絵だったりしました。
同じく神話に題材を取ったオデュッセウスとセイレーンも、海にいる時は人魚なのが船によじ登って行くとともに人間の姿になるセイレーンの不思議さもさることながら、それを見たオデュッセウスの目が見えてはいけないものが見えている人の目で、これを描ききっている怖さもありました。
他にも悪魔や魔物や骸骨に地獄などわかりやすく怖ろしい題材もありましたが、貧困や悪事を働く人々など憂鬱になる怖さのものも多かったです。
そして、目玉作品のレディ・ジェーン・グレイの処刑は高貴な生まれだったがゆえに時代に翻弄されて処刑に至ってしまうわずか16歳の女王の悲劇を描いたものですが、侍女達の嘆きや聖職者や処刑人の暗い表情と全体的に暗い色調の中に目隠しをされながらも白いドレスで清らかで光り輝くような若い女王の姿と、想像される数秒後の惨状がリアルなタッチだからこそ「手が届きそうなのに何も出来ない」というその場に居合わせたような気持ちがかきたてられる名作でした。
同じ歴史を題材にした絵では、チャールズ1世の幸福だった日々という絵も美しい王妃とかわいらしい子ども達と優雅に舟遊びをする幸せそうな国王という明るい場面しか書いていない絵だけに、タイトルの“幸福だった”という過去形と清教徒革命でチャールズ1世が処刑されたという歴史が重くのしかかってくる絵でした。

ベルギー奇想の系譜展で気に入ったロップスの悪魔との再会や、叫び以外のムンク作品も多く見られ、目玉のキルケーやレディ・ジェーン・グレイにも見ごたえがありました。

暗い作品が多いだけに、妙な明るさのある子供向け鑑賞ガイドやグッズ展開が何だかクレイジーでした。

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by iwanagahime | 2017-09-09 23:58 | びじゅつ


ゲゲゲの人生展

大丸ミュージアム神戸のゲゲゲの人生展に行きました、入り口では鬼太郎達がお出迎えでしたが国宝と箱にしたためた水木サンのへその緒に始まり水木サンの人生のあれこれを展示していました。

教頭先生を驚かせ、新聞に天才少年と紹介された絵や漫画家を志す前のもの。
大丸神戸店を訪れた父の絵が描いてあるページを開いて展示してあった本がありましたが、ここならではの展示方法だったのでしょうか。
めがねなので召集されないと思っていたら戦争に行くことになり、ラッパと寒いのを嫌がって南方に行く事になった兵隊時代のエピソードや戦地で書かれた手紙。
戦争で片腕を失っているので、戦傷病者手帳もありました。
戦記物の漫画は戦後すぐのものと、もっと後に描いたものではやはり伝え方が違っていたり。

貸本漫画の時代、まだまだ貧しかった水木サンの家を再現したものもありました。
もちろん鬼太郎や悪魔くん、そして妖怪に関する展示も盛りだくさんで海外で水木サンが手に入れた精霊の像など怪しいものの数々も。
水木サンが生き、描き、集め、こちらの世界に残してくれた数々を実感する展示でした。
何だかまだまだ存在感の強い水木サンというものも感じました。

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by iwanagahime | 2017-08-12 22:00 | びじゅつ


奈良西大寺展

あべのハルカス美術館の奈良西大寺展に行きました、目当ての吉祥天女像は6日までなので何とか間に合いました。
東大寺と言えば奈良の大仏ですが、西大寺と言えば的なメジャー仏像が失礼ながらあまり思い付かないと思っていましたが、セットでまとまって現存する貴重な塔本四仏坐像や2016年に新しく国宝に指定された中興の祖である叡尊(興正菩薩)の像など仏像や仏画、宝物など多くの寺宝が展示されていました。
また展覧会のサブタイトルに叡尊と一門の名宝とあるように、関わりのある他のお寺からの仏像も展示されています。
8/6までのスペシャルゲスト扱いの浄瑠璃寺の吉祥天女像はお寺では見られない360°展示で、お寺で見る正面からのお姿だけではなくどの角度からも隙のない美しさと細やかさである事がわかりました。
また、天女のヘアスタイルについても正面からだとセンター分けのボブに見えていたのがツインテールのようになっていて、これも360°展示ならではだと思いましたね。
グッズも吉祥天女像を心の恋人と呼ぶみうらじゅんさんのイラストのグッズがありました、ちなみに見仏コンビのもうお一方・いとうせいこうさんの恋仏の文殊菩薩像も展示です。
この文殊菩薩像もいくつかのお寺からのものがまとまって展示されていて、衣装や髪型の違いがあったり、童子の姿をした像などもあり興味深かったです。

釈迦如来像も螺髪が渦巻きのようになって衣も模様のように波打っているものがあり、シンプルな如来像の中での表現が目を引きました。
吉祥天女像の展示はおわりましたが、後期は愛染明王像が出るそうです。

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by iwanagahime | 2017-08-05 22:27 | びじゅつ


ベルギー奇想の系譜展

7/9まで兵庫県立美術館で開催のベルギー奇想の系譜展に行きました、バベルの塔展とは入れ違いで東京に巡回する模様。

展示はボスやブリューゲルから現代アートまでですが、ボスはボス本人というよりボス工房とフォロワー多数という感じで当時のブーム感を体系的に見られるのは良かったですがボスを期待していくとちょっと違うかも知れないですね。
このあたりのは七つの大罪とか聖クリストフォロスとか聖アントニウスとか、聖書が題材なのを言い訳に怪獣映画的な事をやってる感が良いですね。
燃える風景とか、怪物わらわらとか。
ボスやブリューゲルの怪物は、画面センターの迫力あるものより端の変にかわいいのが面白かったです。
ブリューゲルの方が全体的に怪物が丸っこい感じでグッズ映えしそうでした、あと魚が印象的。
同行者がいる人が怠惰がモチーフの絵の前で「これ私」と言ってる率の高さは関西での開催だからでしょうか。
現代アートは筆を咥えて胸に金塊(紙製っぽい)を胸郭に入れた全身骨格の頭でティンパニーを愉快に鳴らすもので、やたらインパクトがありました。
ブリューゲル以外だとロップスが良かったですね、スタイリッシュ悪魔って感じで皮肉も高位の宗教者の衣装を着た死神とか中二ハートに訴える雰囲気で。
マグリットが意外とたくさん見られたのも良かったです、姫路市立美術館所蔵のものも数点。
ベルギーというくくりでこれだけ色々な不思議なものを見られるのも面白かったですね、ベルギーってどんなところなのかという興味も出る感じでした。

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by iwanagahime | 2017-07-01 23:33 | びじゅつ


奈良国立博物館・快慶展と大阪市立美術館・木×仏像展

どちらも6/4までという事で、ギリギリっぽいですが行ってきました。
ちなみにどちらかの半券を持ってもう一つの方に行くと割引があるという事ですが、そういう意味以外でも違う視点で仏像という同じものを集めた展覧会に行く事で何か見えるものもある気がしました。
まずは奈良国立博物館の快慶展から。
快慶という一人の仏師を中心に、その生涯と時代背景を追う形での展示。
後白河院との出会い、東大寺再興と大きなプロジェクトに関わりながらも阿弥陀仏への深い信仰心と仏像を造るという道を究める姿が見えました。
また、仏像を介した信仰の形も心が安らぐような姿に造るだけでなく、願文を仏像の内部に納めたり、また巨大な仏像と菩薩の面をかぶった人々が行列をしたりと様々な形がありました。
千手観音や大日如来といった見るからに華やかな仏像もあり、またお顔がつるっとした仏様の多い中、風格のある顔立ちが印象的な僧形八幡神、そしてシンプルなシルエットながら僧衣の隅々まで華麗な模様を施した地蔵菩薩、そして大迫力の四天王や金剛力士など様々な仏像の「日本人が思い浮かべる綺麗な仏像」の基本形にして頂点のような仏像が目白押しでした。
日本における「いわゆる仏像」のイメージは定朝で固まって来るイメージですが、美しい仏像の基本は快慶だと思いました。
最後あたりの円形の部屋に快慶が生涯に渡って造った阿弥陀仏立像をぐるっと囲むように展示してある場所があったりと、展示の仕方も面白かったです。

そして、大阪市立美術館の木×仏像展。
木という材質に注目した仏像展なので、様々な時代の作者も(わからないもの含めて)様々な仏像です。
仏教が伝来する過程で仏像も日本に入ってきますが、そうすると外国にはない木があったりするので代わりの木材で作るようになったとか、表面の粘土に目が行ってしまいがちな塑像も中心は木だったりとか。
また、雷に打たれた木が特別な力があるとされて仏像にされたりと樹木を聖なる物とする文化の影響も感じました。
また、最初は一本の木を彫りだしていたのが表面と中心の乾燥の差を防ぐと同時に軽量化するために中をくりぬいたり、また大きな木がなくても大きな仏像をたくさん造るようになり寄木の仏像が出来たりと、仏像造りにおける木材との付き合い方の歴史も見えました。
大きさも様々で、手乗りサイズのようなものから見上げるような四天王まで。
また、地蔵と僧だけの部屋があり、そこに看板にもなっている宝誌和尚像があるのですが、他の地蔵菩薩がシンプルなだけにこの宝誌和尚の顔面が割れて中から菩薩が出てくる姿の異様さが際立つような。
己の中の仏を見せる僧の物語から、この造形を生み出すのはものすごいものがあります。
また表面が荒削りなのも、この状態からさらに表面がはがれて中から菩薩が出てくるのではないかというような錯覚を起こすためかと思いました。
それらが小さなものや湿度管理が特に必要なものなどは除いてほとんどがケースなしの全方向から見られる展示なので、お堂では見られない姿もあり一度見た仏像も新鮮でした。
今まであまりピンと来なかった円空仏も、慶派以降の豪華で美しい仏像が中心になってきた世界で生まれたと思うとそういう方向性もありかなという感じでしたね。

作りかけのまま時を越えてきた忿怒相ではない大元帥明王が何だか気になりました、木だけに。

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by iwanagahime | 2017-05-29 23:11 | びじゅつ


海北友松展

5/21まで京都国立博物館で開催されている海北友松展に行きました。
武士の家に生まれながら戦乱の世の中で絵師として行き、武家として海北家の再興を願っていたそうで、前半の展示であった資料に同じ船に乗っていた人が船にいたメンバーを書いたものがあったのですが、気を遣ったのか友松を画家ではなく「絵が上手な人」みたいに説明していたりと複雑な事情があるっぽい人ですが、ダイナミックなものから煌びやかなもの、そして静かなものと80年以上の生涯で絵師としてフル回転している感がありました。
水墨の建仁寺大方丈の巨大な龍の障壁画は大迫力で、静止しているのが不思議なほどの存在感でした。
そして金碧障壁画は打って変わって華やかで、金の下地に牡丹の花という煌びやかさですが嫌な派手さではないのが素晴らしかったです。
人物を描いた絵には背景に屏風や掛軸があったりするのですが、その屏風や掛軸にも絵が描いてあり、それも細かくて面白かったです。
かと思えば何だか丸っこい馬の絵があったり、どれだけのジャンルをカバーしてるのかとなかなか油断できない展示でした。
暗い中に龍の絵がいくつも展示してある部屋など展示の仕方も面白く、最後に物静かな月下渓流図屏風(ネルソン・アトキンズ美術館所蔵)で締めくくる感じが良かったです。


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by iwanagahime | 2017-05-13 22:39 | びじゅつ


ひょうごの美ほとけ

兵庫県立歴史博物館で兵庫の仏像を集めた特別展「ひょうごの美ほとけ」が6/4まで、という事で行って来ました。
仏像や歴史というと京都や奈良というイメージですが、兵庫県も古くから人の住む土地だったのでかなり古い時代から仏像があるのですね。
歴史博物館らしく時代順の展示だったので、白鳳時代の頭が大きめで細身の仏像からふくよかな奈良時代の仏像になり、定朝様式などスタイルが固まって来る感じが流れでわかる感じでした。
薬師如来の薬壷を持っていない方の手が違っていたり、不動明王の牙が両方とも同じ方向だったりとテンプレと少し違う仏像もあったり。

また、写真では大きさがわからなくなるぐらい細かい細工の小さな仏像も印象的でした。

兵庫県と一口に言っても広く、なかなか県内の仏像を一度に見られる機会もないので貴重でした。
個人的に栄根寺の薬師如来像(上で書いた、薬壷を持っていない方の手がよくあるパターンと違う仏像)が見られたのが嬉しかったですね、阪神淡路大震災でお寺が失われてしまってから見る機会があまりなくなってしまった仏像ですが、今も大事にされている仏様です。

兵庫県立歴史博物館

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by iwanagahime | 2017-05-06 21:48 | びじゅつ


相国寺承天閣美術館・伊藤若冲展[後期]と春の特別公開

相国寺承天閣美術館の伊藤若冲展は去年の12/4で終わったと思っていたら、伊藤若冲展[後期]として5/21まで前期(あれ?前の展覧会は特に前期と看板などには書いてなかったような…)とは違った内容で開催されていたので行ってきました。
さらに、前回は特別拝観の期間ではなかったので見られなかった法堂や方丈も今回は見られました。
先に特別公開の方に、法堂に行くと天井画の龍がどこから見ても目が合う事や鳴き龍の説明などを受け、法堂内を一周。
確かに法堂のどこから見ても龍の黒目部分がこちらを向いているように感じます、そして天井の高さがかなりあるので絵としてもかなり大きいはず。
ご本尊の釈迦如来像のサイドには菩薩像ではなく仏弟子の阿難尊者と迦葉尊者の像があり、仏弟子と釈迦の関係性にリアル感がありました。
そして鳴き龍の体験、法堂の特定の場所で手を叩くと反響で天井の龍が鳴いているように感じるという事で指定の場所で手を叩くとパンという音が反響で謎の音になって返って来ます。
しかし、法堂から出ようとすると外が暴風雨っぽいにわか雨になっていたので、方丈はゆっくりは見られず。
それでも維明という若冲に絵を習った事もある住職の梅の絵(若冲といえば鶏、みたいな感じで維明といえば梅なんだそうで)は部屋全体を覆いつくす梅が素晴らしく、他にも風とマッチしすぎだった竹の絵、そして観音図はよく見ると線ではなく経典の文字で描かれているという細かさでした。

雨と雨の隙間を縫うように承天閣美術館に移動、前期の動植綵絵レプリカとはまた違って彩色は看板の羽の細やかさが印象的な鸚鵡牡丹図を含め数点ですが、水墨画も鶏が野菜と遊ぶ群鶏蔬菜図押絵貼屏風や仙厓が賛を描いた蕪図や尊敬していた売茶翁を描いたもの、勢いのある鯉や墨なのにカラフルさを感じる菊など印象深いものがありました。
彩色のものは百合と虻や牡丹と小鳥、菊の中に蟷螂と蟻など美しいけど綺麗なだけでない花の絵が良かったです。
若冲以外にも同じ時代で関わりもあった円山応挙や、相国寺の僧で関わりの深かった大典和尚の書や維明の絵(梅の限られた開花時期の中で見せる色々な姿を描いた屏風がよかったです)もあり、京都市立美術館の京都の街の中にいた若冲とはまた違った形の相国寺と関わっていた若冲の周辺も見えるような展示でした。
常設の月に芭蕉図と葡萄小禽図(鹿苑寺障壁画)はいつ見てもいいですね。
境内も広く、天気のいい時にまた来たいと思いました。

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by iwanagahime | 2017-04-29 23:30 | びじゅつ


藤田美術館 ザ・コレクション展

曜変天目茶碗の実物を見た事がないなーと思って検索していたら、よく和楽に写真が出ていたり曜変天目ディスコの元であろう稲葉天目は東京で展示でしたが藤田美術館所蔵のものが展示中という事で行って来ました。
今回の6/11までの展覧会が終われば改装のため長期休業に入るそうで、蔵を改装して空調も入れていない(そのため春季と秋季しか展覧会をしていなかったとか)美術館は雰囲気は良かったですが新しく改装は必要かなという雰囲気でした。
展示は個人のコレクションがもとになっているだけあって、仏教美術を中心に茶道具や刀まで幅広いジャンルながら不思議とまとまった感じがありました。
国行の小太刀はつるっとしたイメージの刀で、柄の中に隠れる部分にまで刃だったような跡があるので作られた時の長さより短くなっているのかなと思いました。
廃仏毀釈による散逸を防ぐためにコレクションしたという経緯から仏像や仏画も多く、密教の法具や玄奘三蔵絵(三蔵法師の絵巻)、快慶の地蔵菩薩立像など見応えがありました。
この日は学芸員さんの解説があり、入場者が多い日だったので解説は1階の展示のみ(2階に全員が上がると危険な人数という事で、やはり改装は必要)でしたが言われて初めて気が付く事も多く面白かったです。
地蔵菩薩立像は着色がよく残っていて玉眼というぱっと見ただけでもわかる豪華さなのですが、金の部分は金泥や金粉ではなく截金といって金箔を貼りあわせて細く切ったものを貼っているそうで。
衣が木彫なのに布のように綺麗なドレープでそれに合わせて貼るだけでも大変だと思うのに、普通に展示されたりお堂にいると見えない後ろの部分まで貼られているそうです。
地獄に落ちた人を救済するために来た姿なので、やや前傾しているというのも興味深かったです。
両部大経感得図は密教の大事な経典を手に入れた時の様子を絵にしたもので、インドの僧侶の話なので舞台は当然インドで「塔に入った」という時の塔はストゥーパ的な塔のはずなのに、日本で想像した絵なので五重塔のような絵が描いてあるという。
空中に金で文字が現れたという奇跡を、空中の文字を書かないで瑞雲で表現しているという事で、仏教絵画でこういう瑞雲があると奇跡が起こっている絵だという事でした。
そして、この絵は密教の儀式を行う部屋のついたてのようなものに描かれていたのですが、儀式をする場所の外側がこの絵で、内側は両界曼荼羅だったとか。
曼荼羅は儀式で使うので古びてくると新調し、作られた当初のものではないという話もありました。
玄奘三蔵絵も文章の上では険しい山脈を越えていて、お供の人も滑落して犠牲になっているという描写があるのですが、何となく緑豊かな自然みたいな絵になってしまっていると(でも犠牲者は出ている)
そして、外国の風景であるという事は日本にいない黒豹や不思議な鳥で表現しているという事で確かにそういう動物や鳥も見えます。
後で解説本などを見て知るのも面白いですが、やはり目の前で解説してもらうと見逃してしまいそうなものをその場で見られるので面白いです。
そして
曜変天目は宇宙が飛び出す寸前で固まったような茶碗でした、天目台も螺鈿できらびやか(画像は美術館のパンフレットから)学芸員さんによるとこの藤田美術館所蔵のものは外側にも斑点が浮かび上がっていて、光で照らすと見えるという事で実際に光を当てて見せてくれました。
ケースの中で見ても光が当たると歓声が起こる程なので、これでもてなされて実際に手に持って光を見た昔の人が宝物として扱うのも当然だと思いましたね。
横の油滴小天目は天目台に乗せた状態で展示してあり、こちらも豪華でした。

コンパクトながら所蔵品も多く、後期展示では曜変転目や密教法具などの一部を除いてほぼ展示を入れ替えるそうです。
入り口の横に桃山時代の多宝塔があったり、館内以外の敷地も良かったので改装後もそういう雰囲気は残して欲しいですね。

藤田美術館

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by iwanagahime | 2017-04-22 23:18 | びじゅつ

    

本サイト弓戸亜朗私邸では書ききれなかった小さい事を、主:亜朗(iwanagahime)がどこまでも核心に迫らないまま書くブログ、だいたいそんな感じで。
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