2012になりました、今年もよろしくお願いします。
さて、今日は地元で茂山家の公演があったので行ってきました。
私の住んでいる街では新春の茂山狂言は、すでに年中行事になってる感があります。
解説で丸石やすしさんが茂山家で上演される狂言は約180番あるとおっしゃっていましたが、この新春公演で同じ演目が出た記憶がないので本当にたくさんあるんだと実感します。
今年は古典だけでなく京極夏彦の妖怪狂言も上演されるという事で、色々と面白かったです。
一、鬼瓦
大名があきらさんで太郎冠者が茂さん、訴訟で長く京都に滞在した大名が勝訴して帰郷する時の話。
勝訴になったのはお薬師様のおかげとお参りに行くと、鬼瓦が奥方にそっくり!と。
大名も太郎冠者もかなり悪口を言っているのですが、結論が「故郷に残してきた奥方に会いたい」なので妙にほのぼのします。
鬼瓦を見て奥さんに会いたいと泣く大名を想像するとシュールですが、これから帰郷するのですぐ会えるということで二人で笑って終るので、めでたい感じでした。
二、悪太郎
千五郎さんの悪太郎、七五三さんの伯父、童司さんの僧。
悪太郎が酒癖が悪くて、しかも乱暴(長刀が標準装備)なので伯父に諌められる話。
伯父は悪太郎が明日からやめるから名残の酒をくれ!というのを許すので甘い?と思いますが、きっちり改心に繋がるアイテムを残すあたりちゃんとした人っぽい。
髭でほとんど顔が見えないとはいえ、悪太郎がちゃんと伯父さんの甥に見えるのはすごい。
僧は悪太郎を最初は変な人扱いしながらも、きっちり改心させるいい話でした。
三、妖怪狂言 狐狗狸噺
逸平さんの男、茂さんの女、あきらさんの山犬、丸石やすしさんの出家。
最初に逸平さんが仕事も家も行く宛てもなくなってしまったと、しょぼい感じで出てきます。
しょんぼり感を出していて、女の倒れた音にビビリまくりなのに女が美人で金持ちだとわかると急に元気に。
その後も山犬に襲われたり、丸っこい狸に騙されたり最終的に人間は一人しか出てこなかったというオチが読めるのに要所要所で面白い狂言らしい話でした。
新作あり古典あり、今年も盛りだくさんでいい一年になりそうです。